第63回東日本実業団対抗駅伝競走大会

開催日時 2022年11月03日(木曜日)
開催地 熊谷市・埼玉県庁~深谷~熊谷スポーツ文化公園陸上競技場【7区間76.9km】
Athletes 出場選手

Results 大会結果

大会結果

1位富士通3時間42分01秒
2位Honda3時間42分41秒
3位日立物流3時間42分57秒

Report 大会レポート

大会3連覇達成!

大会前日に発表された最終オーダーには昨年の優勝メンバーから5人が入り、そこにともに実業団駅伝デビューとなる塩澤稀夕、飯田貴之が加わった。

「4区までは負けている可能性もあるので、5区の松枝博輝、6区の塩澤稀夕のところで後ろとの差をつけてほしいと思います」

レース前、高橋健一監督はこう語っていた。

1区、坂東悠汰はスローペースで進んだ序盤は、集団の中でレースを展開。残り4kmのアップダウンを利用して先頭に立ち、ペースを上げたが、他の選手は離れず、集団は崩れることなくレースは進む。最後は中継所手前でのスパート合戦となり、先頭のHondaから2秒差、3位でタスキをつないだ。

2区ベナード キメリは直後に先頭に追いつくと、ハイペースでレースを進める。当初、5人で組まれていた先頭集団の人数が次々と減っていく中でも押し切り、区間新記録の走りでトップでの中継に成功した。

3区の塩尻和也はヤクルトの中村大聖選手、そして後方から追い上げてきたSUBARUの照井明人選手を引っ張る形で先頭をひた走るが、残り1kmで先行を許す形となり、中継所では先頭と5秒差の3位での中継となる。

ここまで先頭争いを繰り広げながらも抜け出せずにいたが、その流れを大きく変えたのが4区横手健。タスキを受けて1.6km付近で先頭に立つと、その後、着実にリードを広げていった。足取りは独走体制になってからも衰えず、区間賞、区間新記録の快走で2位に52秒差をつけた。(横手は優秀選手賞に選出)

ここからの後半区間は盤石の展開。5区松枝博輝はしっかり先頭の座をキープし、6区塩澤稀夕も危なげない走りで中継。7区アンカーとなる飯田貴之も落ち着いた走りを見せ、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で3年連続5回目の優勝となるフィニッシュテープを切った。

「おおむね予想していた通りの展開となりました。優勝できたことにホッとしていますし、3連覇は素直に嬉しいです」

レース後、高橋監督は笑顔でレースを振り返った。今回、オーダーを決めるにあたり、チーム内での仕上がりのいい選手が多く、最後までメンバー選考に頭を悩ませたという。その中で最初から決まっていたのが最長区間3区の塩尻。10月の日本体育大学長距離競技会10000mで27分台を出すなど、好調を維持していたためにこの重要な区間での起用が決まった。その塩尻は区間順位こそ8位だが、区間賞から10秒差にとどめる走りで役割を果たした。

当初の戦略は「4区の横手で先頭に追いつき、5区の松枝で2位に20秒差をつける。6区塩澤でさらに10秒広げ、飯田に30秒の余裕を持たせる」というものだったが、4区の横手が想定以上の走りを見せ、以後のレースを優位に進めることに成功。「横手は今年、継続して練習が積めていることが結果につながっています。5区松枝は決して状態はよくありませんでしたが、その中で役目を果たしたと思いますし、塩澤、飯田もよく走りました」と選手たちをたたえた。区間賞は4区横手だけだったが、どの選手も区間賞と差がない範囲でつなぐことで、大会記録まであと9秒と迫る総合力でつかんだ勝利だ。

来年1月の第67回全日本実業団対抗駅伝競走大会(以下、ニューイヤー駅伝)で目指すのは2年ぶりの優勝である。今回走った7人だけでなく、駅伝経験豊富な潰滝大記、入社後5000m、10000mで自己ベストを出している伸び盛りの椎野修羅、さらにマラソン経験者で2021年のニューイヤー駅伝で優勝のフィニッシュテープを切った浦野雄平、日本記録保持者の鈴木健吾、日本代表経験のある中村匠吾 など有力選手が多く控え、メンバー争いはさらにし烈になる。

「前回大会では選手選考や調整でうまくいかなかったところがありました。今年はチーム内の競争も激しいので、ケガに気をつけながら、準備を進めていきます」

こう言って高橋監督は元旦での戦いを見据えた。

Comments コメント

1区 坂東悠汰

自分がマークされているは分かっていましたが、監督から「自分が行けると思うタイミングでスパートするようにと言われていたので、ポイントとしていたラスト4kmの起伏でペースを上げました。目標の区間賞は取れませんでしたが、先頭と2秒差で流れを引き込めたと思います。ニューイヤー駅伝ではさらにいい走りができるように準備していきます

2区 ベナード キメリ

前回、この同じコースの2区を走った際はいい結果を残せませんでしたが、今回、チームのメンバーが強いことはわかっていましたし、彼らから駅伝魂(EKIDEN SPIRITS)をもらい、いい走りができました。ニューイヤー駅伝も頑張ります!

3区 塩尻和也

レース前にいろいろなイメージをしていましたが、最後に先行されたとしても自重するより、後ろの集団との差を広げようと思って走りました。最後、やはり前に出られてしまいましたが、5秒差つなげたので最低限の走りはできたと思います。ただもっと走れていれば先頭集団にいた他の選手を引き離せたはずなので、力不足も感じました。これからもっと力をつけていきたいです。

 

4区 横手健

昨年は7区を走り、いい位置でタスキを受けて楽をさせていただいたので、今回は自分が駅伝の流れを作りたいと思っていました。やはり今日も前の3人がいい流れで持ってきてくれましたが、自分のコンディションも上がっていたので攻めの走りをしたことがいい結果につながったと思います。ニューイヤー駅伝では貢献できるように、これからも気を引き締めて練習していきたいと思います。

5区 松枝博輝

今日のレース、高橋監督からは「5区からが勝負」と言われていましたが、横手が先頭で来てくれたので、リラックスして走れました。今、新しく取り組んでいるフォームもまだ噛み合ってなく、少し状態に不安はありましたが、チームが勝てて嬉しいです。ただ富士通はニューイヤー駅伝で勝負してこそのチームだと思いますので、ここからさらに一段、2段と力を上げていけるように頑張ります。

6区 塩澤稀夕

チーム状況が良く、サポートに回った選手とあまり差がない中でメンバーに選んでいただいたので、しっかり役割を果たそうと思って走りました。リリラックスした走りができましたが。1秒差で区間賞に届かなかったですし、苦しくなってから粘りきれなかったので、改善点はあります。ここからチーム内の争いは厳しくなりますが、メンバー入りを目標とせず、区間賞を目標にして上を見て練習していきます。

7区 飯田貴之

昨年の全日本大学駅伝でアンカーで失敗しているので、この区間を任されるとは思っていませんでしたが、高橋監督に「練習もできているし、暑さにも強いから」と期待していただき、それに応えようと頑張りました。区間3位は満足いきませんが、先輩たちの貯金のおかげで、気温が高い中でも自分の走りができたのはよかったです。今回も暑さに強いところを買われての起用であり、まだまだ自分の実力で選ばれたわけではないと思っていますので、もっと力をつけてニューイヤー駅伝では優勝に貢献できる選手になれるように頑張ります。