第36回パールボウルトーナメント 決勝
鹿島ディアーズ戦

開催日時 2013年06月24日(月曜日) 19:00〜
試合場所 東京ドーム
観客動員数 19,250人
Results 試合結果

Q1Q2Q3Q4TOTAL
富士通フロンティアーズ富士通フロンティアーズ730010
鹿島ディアーズ鹿島ディアーズ0014317
TEAM Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TFP PLAYER(S) G / NG
富士通 1 5:00 RUSH #28進士 7 KICK #6神山 G
富士通 2 2:45 FG #10後藤 21
鹿島 3 0:45 PASS #10山城→#11前田 29 KICK #14青木 G
鹿島 3 6:15 PASS #10山城→#25岩井 5 KICK #14青木 G
鹿島 4 12:05 FG #14青木 31
Report 試合レポート

第 1 クォーター
2013年6月24日(月曜日)、第36回パールボウル決勝戦が開催され、3年ぶり4度目の優勝を狙う富士通フロンティアーズ(以下、フロンティアーズ)は、タイトルを賭けて鹿島ディアーズ(以下、鹿島)と対戦。会場となった東京ドームには、19,250人の大観衆が応援に駆けつけた。

コイントスの結果、鹿島のキック、フロンティアーズのレシーブで試合開始。QB(クォーターバック)#12平本が試合を組み立て、最初の攻撃シリーズからテンポ良く1stダウンを更新。歯車の噛み合ったフロンティアーズは止まることなく、敵陣7ヤードまで攻め込むと、最後はRB(ランニングバック)#28進士が中央を突破。試合開始5分でタッチダウンを決め、フロンティアーズが7-0と先制に成功する(第1Q・10:00)。最高のスタートを切ったフロンティアーズは、反撃を狙う鹿島に対して堅い守りで応戦。DL(ディフェンスライン)#98南、DL#91安井らがタックルで立ちはだかり、鹿島がフィールドゴールを試みた際には一丸となってこれをブロック。さらにDL#9岡本とDB(ディフェンスバック)#2佐藤がQBサックを成功させるなど、鹿島の攻撃の芽を完璧に摘み取り、フロンティアーズが主導権を握る形で第1クォーターを終えた。
第 2 クォーター
第2クォーターに入り、フロンティアーズはランプレーを中心としたオフェンスを展開する。着実にゲインを重ね、K(キッカー)#10後藤が21ヤードのフィールドゴールを決めてフロンティアーズが3点を追加。鹿島を相手に、10-0とリードを広げる(第2Q・12:15)。続く鹿島の攻撃をLB(ラインバッカー)#45鈴木の強烈なタックルや、DB#34樋田らの好守で阻んだフロンティアーズ。自陣26ヤードから始まった攻撃では、パスとランを織り交ぜたプレーで敵陣への侵入に成功。この場面では35ヤードのフィールドゴールを選択するも、鹿島のプレッシャーを前にK#10後藤の蹴ったボールは枠から逸れ、追加点を奪うことはできない。それでもディフェンス陣が高い集中力を保ったフロンティアーズは、要所をきちんと締めて、10点のリードをキープしたまま前半を無失点で折り返す。
第 3 クォーター
ハーフタイムが明けると、最初のプレーで早々に試合が動く。鹿島のWR#25岩井が50ヤードを駆け抜け、フロンティアーズ陣内29ヤードまで進行。続く攻撃を阻止したいフロンティアーズであったが、鹿島QB#10山城が放ったロングパスはエンドゾーンへと走り込んだWR#11前田へ渡り、フロンティアーズは後半開始45秒でタッチダウンを奪われる(第3Q・14:15、10-7)。このプレーによって試合の流れは徐々に鹿島へ傾き始め、フロンティアーズの攻撃がパントに終わると、鹿島が再び猛攻を開始。自陣でボールを受けたWR#81宮本が右サイドを駆け上がり、一気にフロンティアーズ陣内残り5ヤードへ。フロンティアーズは、LB#35竹内のタックルによって一度はタッチダウンを防ぐものの、最後はQB#10山城からWR#25岩井へとパスを通され10-14と、ついに逆転を許す(第3Q・8:45)。再逆転を目指すフロンティアーズと追加点を狙う鹿島は、ここから互いに譲らず、こう着状態が続いたまま勝負は最終クォーターへ。
第 4 クォーター
迎えた第4クォーター、逆転のタッチダウンに希望を託すフロンティアーズはパスを中心にゲームを組み立てるも、攻略の糸口をなかなか掴むことができない。対する鹿島は点差を広げるべく、7分を残して自陣29ヤードから始まった攻撃で、フロンティアーズ陣内23ヤードまで攻め込む。フロンティアーズは決死のディフェンスによって3rdダウンを食い止めるも、鹿島K#14青木に31ヤードのフィールドゴールを決められ、点差は7点に広がってしまう(第4Q・2:55、10-17)。最後のチャンスに賭けるフロンティアーズは、ノーハドルオフェンスを武器に果敢に攻め込むも、残り43秒で攻撃権が相手へと渡り万事休す。最終スコア10-17で敗れ、フロンティアーズの春シーズンはパールボウル準優勝で幕を閉じた。

主導権を握りながらも後半に失速し、逆転負けを喫したフロンティアーズ。準決勝では王者・オービックシーガルズを撃破するなど手応えを得た一方で、タイトルを手にすることは叶わず、勝負所での強さに課題も残るシーズンとなった。これらの成功と失敗をさらなる成長の糧として、この秋シーズンこそは、悲願の日本一を掴み取りたい。

文・写真 / FUJITSU SPORTS
Comments コメント

藤田 智ヘッドコーチ/オフェンスコーディネーター
藤田 智
とても残念。もったいない試合でした。オフェンス、ディフェンスともに後半のアジャスト力が今後の課題だと思います。今までと同じ練習をしていたら、いつまでたっても同じレベルで成長はしない。根本的な部分を変えないといけないと思っています。今日のような試合は、勝つか負けるかで大きく違ってきます。どんなに良いプレーや、良い試合をしても勝たなければ意味がない。まだまだその辺りの意識に甘さがあるのだと思います。今日はご声援ありがとうございました。非常に残念な結果となってしまいましたが、秋の日本一に向けて、またチーム全員で頑張っていきますので応援宜しくお願いします。
平井 基之#13
平井 基之
いろいろな敗因はあると思いますが、前半はオフェンスが点を取り切ることができず、後半に入ると鹿島に1発を許して逆転されてしまった。前半と後半でガラッと試合の流れが変わってしまい、巻き返すことができませんでした。逆転されてからのフロンティアーズは、もっと変わらなければいけないと思っています。今日は残念な結果に終わってしまいましたが、力の差を感じてはいません。今日の試合で出た課題を修正できれば、勝つチャンスはあると思っています。ここで落ち込んでいるわけにもいかないので、修正すべき部分は修正し、秋の日本一に向けて進んでいきます。
宜本 慎平#4
宜本 慎平
3点や7点を取り切るオフェンス力が、まだまだ足りないのだと思います。後半に入って鹿島のディフェンスもフロンティアーズに対して、アジャストしてきましたが、今まで練習してきたことを出せれば対応できたレベルでした。去年の鹿島戦も同じような負け方をしているので、そこは課題です。今のオフェンスは「誰かがやってくれる」という他力本願になってしまっている部分があるので、オフェンスチーム全員が「自分が流れを変える」という強い気持ちを持つ必要があると思います。秋は、鹿島はもちろん、オービックやIBMなど強豪チームを倒して必ず日本一になりたいと思います。
青木 悠二#5
青木 悠二
鹿島のほうが、試合運びという面では1枚上手だったと思います。鹿島が後半勝負だった部分もあり、前半はそこまでピンチを作らせず無失点で切り抜けることができましたが、後半の出だしに続けてやられてしまいました。後半の1stシリーズは、しっかり止めたいと思っていましたが、上手いことロングパスで流れを持っていかれてしまいました。あのような場面で、タッチダウンを許さずフィールドゴールからの3失点に抑えたり、0点に抑えたりできないと勝ちきることは難しいですね。鹿島とは秋のリーグ戦で再戦が決まっているので、今よりもチームとして前進して圧勝したいです。
進士 祐介#28
進士 祐介
前半は狙いとしていたランプレーで、決めるべきところで1stダウンを取れていました。しかし、もう少しオフェンスが点を取れていれば、試合全体の流れも違ってきたのかなというのが率直な印象です。個人の能力は去年より上がっていて地力はついてきていますが、やはり決定力という部分では、まだまだ物足りない。0点を3点に、3点を7点にすることは非常に難しいことではありますが、そこを改善していかないとタイトルには手が届かないと思います。秋のシーズンは「鹿島ディアーズ」というチームを倒す最後のチャンスです。負けたままでは絶対に終われないので、しっかりリベンジできるよう練習していきたいと思います。
白木 栄次#48
白木 栄次
ドライブはできていても、タッチダウンやフィールドゴールまで辿りつけず点数にならない場面がありました。あそこで1、2本多くタッチダウンを奪ってさえいれば、勝てた試合だったと思います。気を抜いていたわけではありませんが、後半は鹿島にペースを奪われ、そのままズルズルといってしまった。前回のオービック戦では、逆転された後、すぐに盛り返すことができましたが、今日はそういったオフェンス力を見せることができず残念です。秋のシーズン開幕まで時間はあるので、1日1日の練習を大事にして、勝負所で決めきるオフェンス力をつけて出直したいと思います。