2011 X1 SUPER 秋季リーグ戦 JAPAN X BOWL
オービックシーガルズ戦

開催日時 2011年12月19日(月曜日) 19:00〜
試合場所 東京ドーム
天気 晴れ
観客動員数 19,864人
Results 試合結果

Q1Q2Q3Q4TOTAL
富士通フロンティアーズ富士通フロンティアーズ703717
オービックシーガルズオービックシーガルズ0361524
TEAM Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TFP PLAYER(S) G / NG
富士通 1 8:15 RUSH #6神山 1 KICK #11西村 G
オービック 2 14:43 FG #1金親 21
富士通 3 10:00 FG #11西村 31
オービック 3 10:16 KOR #18木下 98 KICK #1金親 G
オービック 4 4:30 PASS #6菅原→#18木下 10 PASS #20古谷→#89森 G
オービック 4 6:35 PASS #6菅原→#18木下 66 KICK #1金親 G
富士通 4 9:47 RUSH #18出原 6 KICK #11西村 G
Report 試合レポート

第 1 クォーター
2011年12月19日(月曜日)、社会人チーム日本一を決める『JAPAN X BOWL』が東京ドームにて開催。創部以来、初の優勝を狙う富士通フロンティアーズ(以下、フロンティアーズ)の相手は、ここまで7戦全勝と圧倒的な強さで勝ち上がってきた昨年の王者、オービックシーガルズ(以下、シーガルズ)。平日にも関わらず19,864人が集まったこの一戦は、19:00にキックオフを迎えた。 コイントスの結果、フロンティアーズのレシーブ、シーガルズのキックオフで試合がスタート。フロンティアーズは、これまで通り序盤からノーハドルオフェンスで攻撃を組み立てて行く。開始早々の攻撃シリーズこそ、得点には至らなかったが、シーガルズの攻撃をパントに追い込み迎えた直後の攻撃シリーズ、WR(ワイドレシーバー)#15ブレナンへの10ヤードパスでドライブの口火を切ると、その後はグラウンド・アタックでシーガルズディフェンスを圧倒。RB(ランニングバック)#30金のランプレー、QB(クォーターバック)#18出原のキープランでボールを運ぶと、最後はエンドゾーンまで残り1ヤードの場面でRB#6神山が押し込んでTD(タッチダウン)。TFP(トライフォーポイント)もK(キッカー)#11西村が決めてフロンティアーズが幸先良く7点を先制する(第1Q・8:15)。その後は、両者チャンスを作ることができず、フロンティアーズの7点リードで第1クォーターは終了した。
第 2 クォーター
第2クォーターに入り、最初に得点チャンスを作ったのはシーガルズ。QB#6菅原のキープレー、WR#18木下へのパスプレーなどでゲインを重ねたシーガルズは、フロンティアーズ陣内9ヤードのところまで攻め込んだ。しかし、ここでフロンティアーズのディフェンス陣がシーガルズオフェンスに対し果敢にチャレンジ。DL(ディフェンスライン)#9岡本が2本連続のロスタックルを決めて、ボールを押し戻しTDを阻止。4thダウンに追い込まれたシーガルズがFG(フィールドゴール)を選択した場面でもDL#91安井がブロックし、シーガルズに得点を許さない。それでも徐々にオフェンスのリズムを掴み始めたシーガルズはWR#85萩山の31ヤードパスレシーブで一気にゲイン。DL#13平井、LB(ラインバッカー)#45鈴木のラッシュでフロンティアーズはTDこそ阻止するものの、K#1金親にFGを許し、この日初失点(第2Q・14:43)。フロンティアーズオフェンスは、このクォーターは見せ場を作ることができず7‐3で前半を折り返すこととなった。
第 3 クォーター
フロンティアーズの4点リードで迎えた後半戦は、シーガルズのレシーブで試合再開。追加点を奪いたいフロンティアーズは、シーガルズの攻撃シリーズをLB#51芹澤、DB(ディフェンスバック)#14福島らのタックルでパントに追い込むことに成功。自陣29ヤードの地点から攻撃を開始した。RB#6神山とRB#30金のランプレーをベースに、WR#15ブレナンやTE(タイトエンド)#83春田へのパスプレーも織り交ぜ、的を絞らせないオフェンスでFD(ファーストダウン)を更新。惜しくもこのシリーズはTDに結び付かなかったが、K#11西村が31ヤードFGを正確に蹴り込んで、フロンティアーズが3点を追加(第3Q・10:00)。スコアを10‐3としリードを7点に広げる。しかし、その直後のパントキックの場面。シーガルズのリターナーWR#18木下がボールを持つと密集地帯を抜け、独走状態に。K#11西村の追走も実らず98ヤードをリターンされるビッグプレーでTD(第3Q・10:16)。直後のTFPはシーガルズが失敗したものの、スコアは10‐9。フロンティアーズのリードは僅か1点となってしまった。
第 4 クォーター
迎えた最終クォーター。フロンティアーズは、第3クォーター終盤のビッグプレーで勢いに乗るシーガルズに、WR#18木下の10ヤードTDレシーブ、さらには2ポイントコンバージョンも決められ、10-17と逆転される(第4Q・4:30)。その後も再びWR#18木下に66ヤードTDレシーブを許し、スコアは24‐10(第4Q・6:35)。フロンティアーズは14点のビハインドとなった。それでも、ここからフロンティアーズはノーハドルからのパスオフェンスで怒涛の攻撃。まず、WR#15ブレナンへ立て続けにパスをヒットさせエンドゾーンまで残り6ヤードの地点まで攻め込むと、最後はQB#18出原が自ら持ち込みTD(第4Q・9:47)。合計スコアは24‐17となり1TD差まで追い上げる。その後のシーガルズのオフェンスを4回で抑えたフロンティアーズは残り時間2分54秒、自陣28ヤードの地点から同点のTD目指すドライブを開始。パスターゲットを増やしたショットガンフォーメーションから次々とパスをヒットさせ、エンドゾーンまで残り11ヤード。残り時間は26秒となったところでフロンティアーズは最後のタイムアウトを要求し、運命のラストプレーに臨む。しかし、WR#15ブレナン目掛けて、QB#18出原が投げたパスは僅かに低く、シーガルズディフェンスがインターセプト。シーガルズが残り時間をニーダウンで消費し最終スコア24‐17で試合終了。フロンティアーズ悲願の社会人日本一の夢はまたしても叶わず、シーガルズが2年連続6度目の王者に輝いた。なお、この試合のMVPにはシーガルズのWR#18木下が、MIPにはフロンティアーズのQB#18出原がそれぞれ選出された。

文・写真 / FUJITSU SPORTS
Comments コメント

藤田 智ヘッドコーチ/オフェンスコーディネーター
藤田 智
特別なことはせず、普段通りにいこうとしていたので、その部分では良かった。選手たちも普段通りのプレーをしてくれた。今季、ノーハドルに取り組んだが、効果はあった。いろいろな意味でチームも変われたと思う。優勝まではもう少しのところだった。それは気持ちの差かもしれないし、技術の差かもしれないし、そういったものを全部ひっくるめてちょっとの差だと思う。今年はチャンスだと思っていたし、いけると思っていただけに残念だったが、これも勝負の結果なので受け入れなければならない。今シーズンは選手が非常に頑張ったし、成長できた。特にメンタル部分の成長では選手たちは自信を持っていいと思う。今日も決して最後まで諦めることなく、粘り強くフットボールができたし、自分たちの力は出せた。選手を褒めてあげたい。
伊藤 乃普彦#37
伊藤 乃普彦
こういう結果になったが、1年間やってきたことは間違いなかったと思う。この試合、ケガでフィールドに立てなかったことは、キャプテンとしてチームに申し訳なかった。シーガルズと何の差があったのか、今はわからない。近いようで遠いのか…。今回で(JAPAN X BOWL敗退は)4回目、本当に勝ちたかったが、結果がついてこなくて悔しい。いつも皆さんに熱い応援をしていただいて、選手は勇気づけられています。結果を出して恩返しをしたかったのですが、本当に申し訳ありません。また、来年必ずこの場所に戻ってきて、皆さんに喜んでいただけるように、頑張りますので応援、よろしくお願いいたします。
木村 篤允#94
木村 篤允
悔しい。シーガルズと僕らとの間には、差がほとんどないと思っていたので本当に勝ちたかった。ただ、要所でリターンやパス1本で持っていかれたのが痛かったと思う。新加入のWR#18木下選手の存在はシーガルズにとって大きいが、ああいった実力のある選手を止めてこそ本物のDB。来年は必ずWR#18木下選手を含め、相手のキーマンを止めて勝利に貢献したいと思う。また、日本一を目指す上で、自分に何ができるかを考え、チームにおける自分の役割を意識して取り組んで、絶対来年は優勝したい。
神山 幸祐#6
神山 幸祐
優勝する力がまだなかったのだと思う。去年、シーガルズと対戦した時は、もう少し走れていたと思うが、今回は自分の走りを全く出せなかった。その辺は、相手ディフェンスにうまく対応されてしまった印象。ディフェンスが頑張ってくれていた分、オフェンスがもっと点を取らなければいけなかったし、そのためには個人のレベルアップは必要だと思う。来シーズンは、RBのエースと呼ばれるような存在に僕自身が成長し、またこの場所に戻ってきたい。
岡本 遥#9
岡本 遥
今日はディフェンスとして目標としていたボールを取ることができなかったので、そこは大きな敗因だと思う。今日はQBにプレッシャーを掛け続けることを目標にDLは試合に臨んだが、タッチダウンを奪われたシリーズでは、そこの部分が甘かったのだと思う。決勝まで進んだが、やはり勝たないと意味がない。今日の気持ちを忘れず、来年に向けた糧にしたい。まず、来年の秋のリーグ戦でシーガルズと対戦する機会があるので、まずリベンジして、そこからまた、はい上がっていきたいと思う。
ブラッド・ブレナン#15
ブラッド・ブレナン
勝てるチャンスは、いっぱいあったと思うが、重要な場面の時にあまり良くなかった。ディフェンスが、頑張って相手の攻撃を止めてくれたのに、オフェンスがすぐに攻撃権を失ったりした。ただ、相手のタックルを何回も受けながらも、出原は良かったと思う。最後のボールは少し低かったが、取りたかった。モメンタムはフロンティアーズにあったので、勝つと思った。本当に残念だった。
出原 章洋#18
出原 章洋
点を取れる時にもっと畳み掛けたかったが、それができなかったことがディフェンスの負担になったと思う。ディフェンスが頑張っていたので、もっと展開を楽に進められるようにできれば良かったが、うまくいかなかった。(QB#19吉田がケガで出場できない状況だったが)自分がコントロールしていくという気持ちを作って試合に臨んでいたので、いつも通りという意識はあったし、自分の持っているものを全部出していこうと思っていた。この舞台で勝つことだけを考えてやってきたので残念。
鈴木 將一郎#45
鈴木 將一郎
僕自身、4回目の挑戦だが、今日が1番悔しい。これまでは勢いで勝ち上がって決勝まで進んでいたが、今回はチーム全体として地力が付いてきて、勝てるレベルにあったので、それだけに今日の結果は悔しい。シーガルズも例年のような爆発力は感じなかったので、完敗というわけではなかった。ただ、勝負なので要所でタッチダウンを重ねたシーガルズの方が1枚上手だった。今は、来年もアメフトを続けたいと思っているので、まずは支えてくれた家族や会社の人に感謝の気持ちを伝えたいと思う。
安井 邦瑠#91
安井 邦瑠
悔しいという言葉しか出てこない。実際、勝つチャンスはあった。ただ、失点シーンではDLがプレッシャーを掛けることができず、パスを通されてしまったので、そこは本当に悔しい。今年のDLはパスラッシュに重点を置いて練習してきて、ここまである程度、結果を残せてはいたが、この大一番で力を十分に発揮できなかった。来年はDLで全部止めてやる、という強い気持ちでもう1回練習に励んでいきたい。