ニューイヤー駅伝 特別インタビュー第1弾「 高橋健一監督」
髙橋健一監督特別インタビュー
「バランスの取れた布陣に自信。4度目の優勝を目指す」
3連覇を果たした11月3日の東日本実業団対抗駅伝を髙橋健一監督はこう振り返った。
「入社後、初めて駅伝を走った塩澤稀夕、飯田貴之の2人がこちらの期待以上の走りをしてくれたことが何よりの収穫です。今年のチームは若い力の台頭を感じます」
6区(10.6キロ)を走った塩澤はトップでタスキを受け取ると、序盤から攻めの走りを貫き、区間賞にまで1秒と迫る好走。そのタスキを受けた飯田も7区(12.9キロ)で危なげなく、首位の座を守る走りを見せたことを評価する。また、東日本実業団駅伝では出場機会がなかったが、1年目の椎野修羅も秋に10000mで立て続けに自己ベストを更新し、髙橋監督が「駅伝でも期待したい選手」と言わせるまでの成長ぶりだ。ここまで1年目、2年目の若手がチームを底上げしている。
中でもニューイヤー駅伝に向けたキーマンとして髙橋監督が名前を上げるのが塩澤である。「起用区間は前半になるか後半になるかはわかりませんが、彼がしっかり走ればチームとしてかなり機能するはず」と期待を寄せる。塩澤は箱根駅伝の1区で好走した経験があり、また東日本実業団駅伝の結果が示す通り、単独走にも不安がない。元日の上州路で髙橋監督の期待に応えられるか。
ここまで見てきたとおり若手が充実しているが、実績のある選手たちも好調で、主要区間は彼らが担いそうだ。「ニューイヤー駅伝では全体の距離も伸びますが、中でも最長区間4区(22.4キロ)の出来がカギになります」とエース区間の結果が駅伝全体の行方を左右すると髙橋監督。2大会前の優勝時、この4区を担った中村匠吾はエントリーから外れたが、今回は横手健や塩尻和也が有力な候補。今季、復調した姿を見せている横手は過去2回、4区の経験があり、塩尻も11月26日の「2022八王子ロングディスタンス」の10000mで自己ベストに迫っている。ともに状態は上がってきており不安はない。他にも坂東悠汰、松枝博輝のスピードランナー、さらに駅伝経験豊富な潰滝大記らもチームの中核を担う。
明るいニュースは故障によりレースから遠ざかっていた浦野雄平が12月10日の「エディオン ディスタンスチャレンジin京都2022」で好走したこと。5000mで坂東に次ぐ2位、13分29秒49の自己ベストを出し、メンバー入りに向けて大きくアピールした。2大会前は7区で優勝のフィニッシュテープを切ったが、大学時代から1区から山登りまでオールマイティな駅伝対応力を見せており、彼の復調により区間編成のバリエーションが多様になったことも間違いない。
「2大会前の優勝メンバーとなる中村匠吾と鈴木健吾の2名がエントリーから外れましたが、ベテラン、中堅、若手とバランスよくメンバーが揃い、優勝が狙える戦力になったと思います。大切なのは前半からなるべく前の位置でレースを進めることです。4区を終わって先頭と30秒差以内であれば十分にチャンスはあるでしょう」
髙橋監督の頭の中では2年ぶり4度目の優勝のイメージはすでにできあがっている。
※インタビュー第2弾 横手健のインタビューは12月19日(月曜日)公開予定。
※インタビュー第3弾 坂東 悠汰のインタビューは12月26日(月曜日)公開予定。