第106回日本陸上競技選手権大会・35km競歩 |
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開催日時 | 2022年04月17日(日曜日) |
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開催地 | 輪島市・道の駅輪島ふらっと訪夢前往復コース・日本陸連公認競歩コース(1周1kmの往復コース) |
1位 | 川野将虎(旭化成) | 2時間26分40秒 |
2位 | 松永大介(富士通) | 2時間27分09秒 |
3位 | 野田明宏(自衛隊体育学校) | 2時間27分18秒 |
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8位 | 荒井広宙(富士通) | 2時間32分51秒 |
男子20km競歩
1位 | 池田向希(旭化成) | 1時間18分53秒 |
2位 | 高橋英輝(富士通) | 1時間19分16秒 |
3位 | 諏方元郁(愛知製鋼) | 1時間23分46秒 |
1位 | 藤井菜々子(エディオン) | 1時間29分29秒 |
2位 | 岡田久美子(富士通) | 1時間29分31秒 ※世界選手権代表内定 |
20㎞競歩でオレゴン世界選手権代表が内定している松永大介。大会前、「前半から他の選手がついていくか迷うような速いペースで入りたい」と語っていた通り、序盤から積極的なレースを展開した。スタート時点で風もほとんどなく気温10度と絶好のコンディション。1㎞を3分53秒のハイペースで先頭に立つと5㎞を過ぎてから後続を引き離しはじめ、20㎞を1時間21分34秒で通過。この時点で2位に1分34秒差をつけた。だが23㎞をすぎてペースが落ち始めると、後ろとの差は徐々に縮まり、31㎞過ぎに川野将虎選手に逆転され、2位でレースを終えた。「20㎞競歩の試合が続いていてそのイメージが抜けず、最初の1㎞は想定より10秒くらい速いペースでした。20㎞で足に疲労が来ていたので、抜かれるのは仕方ないと考え、3位狙いに切り替えました。結果には満足しています」と振り返った。
また荒井広宙は序盤から単独歩を選択。派遣設定記録ペースで進めて、落ちてくる選手を拾い、後半に上げていくプランだったが、こちらも20㎞からペースを落とし、8位でレースを終えた。近年は故障を防ぐ狙いから、フォームをコンパクトにしながら出力を出す試行錯誤を続けてきたが、この日本選手権の数週間前に以前に近い、ストライドの大きなフォームづくりへと着手したばかり。オレゴン世界選手権出場の可能性は遠のいたが、さらなる進化を求めて取り組みを続けていくと話した。
2月の日本選手権20㎞競歩で優勝し、オレゴン世界選手権代表を決めている髙橋英輝。国際審判員が配される今回のレースは世界基準のライバルとハイペースへの対応力を確認するために出場した。序盤から池田向希選手と並走でレースを進めたが、13㎞付近から後退し、2位。大会前は「世界選手権を見据え、レース中の他の選手の動きに瞬時に反応する感覚を試したい」と話していたが、今日はフォームを崩し、それができなかったことを悔やむ。
しかしそれでも1時間19分16秒のタイムでまとめたことは明るい材料だ。「ここで課題が明確に分かったと捉え、推進力のある動きを取り戻せるように修正していきます」と明るい声で前を向いた。
2月の日本選手権女子20㎞競歩を制している岡田久美子は4月に入社し、これが富士通のユニフォームを着て挑む初レース。世界選手権派遣設定記録、1時間30分00秒を狙って挑んだ。序盤にペースを落とした場面があったものの、藤井菜々子選手と並走しながら流れをつくり、1時間29分31秒の2位で世界選手権代表内定を決めた。「天候にも恵まれ、落ち着いてスタートラインに立てました。序盤にペースと感覚が一致しない場面がありましたが、慌てずに歩けたと思います」と振り返った。
これまではコーチを置かずに自分で練習を考えて競技を行っていたが、入社後は今村文男コーチにつき「もっとスピード練習を入れていくべき」とのアドバイスを受けたことで、さらなる成長への手ごたえが生まれたと話す。「2月の日本選手権からこの大会に向け、練習を詰め込んできましたが、代表が決まったので、ここからは落ち着いて強化ができます」とこちらも明るい声で先を見据えた。
序盤のハイペースで他の選手の体力を削れた点は狙い通りですが、最後まで自分の足が残りませんでした。しかし目標としていた3位以内が達成できたので良かったと思います。タイムは想定よりも悪くて、あと2、3分は速く行きたかったというのが本音です。今回の経験は20㎞競歩にも生きると思いますし、今後、35㎞競歩と20㎞競歩のどちらの種目をメインにしていくにしても収穫のあったレースでした。
練習の流れからはもっといけても良かったとは思いますが、これが現状の力です。20㎞からきつくなって、最後はなんとかまとめる形になってしまいました。悔しさと仕方ないなという気持ちと半々の心境です。これで世界選手権出場はなくなりましたが、今村コーチとともにフォームの改善に着手したばかりですので、気持ちを切り替えて、それを形にするように練習を続けていきます。
課題がはっきりと出たレースでした。池田選手に離される前からフォームが崩れていて、タイミングを合わせてなんとかごまかしていたのですが、無理に上げようとして2度、警告も受けてしまいました。ただその課題がここで確認できてよかったです。世界選手権での目標は入賞、そしてメダルなので、そこに向かい、ひとつずつ課題を改善していきたいと思います。
世界選手権代表が内定し、ホッとしています。今日は藤井選手がいて、力強く前に出てくれたので終盤まで安定してペースを刻むことができました。入社してから今村コーチの指導のもとで練習をしていますが、スピードからのアプローチでアドバイスを頂き、もう一段階強くなれると感じています。世界選手権は前回のドーハ大会が6位でしたので、連続入賞ができるようにここからまた頑張っていきます。