第108回日本陸上競技選手権大会・20km競歩
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開催日時 | 2025年02月16日(日曜日) |
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開催地 | 六甲アイランド甲南大学西側 20 ㎞コース(WA 認証 日本陸連公認コース) |
1位 | 山西利和(愛知製鋼) | 1時間16分10秒 ※世界新記録 |
2位 | 丸尾知司(愛知製鋼) | 1時間17分24秒 |
3位 | 吉川絢斗(サンベルクス) | 1時間17分38秒 |
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10位 | 村山裕太郎(富士通) | 1時間19分04秒 ※自己新記録 |
1位 | 藤井菜々子(エディオン) | 1時間26分33秒 ※日本新記録 |
2位 | 岡田久美子(富士通) | 1時間28分17秒 |
3位 | 梅野倖子(順天堂大) | 1時間31分02秒 |
世界記録が生まれたレースは、スタートからハイペースだった。最初の1キロを3分46秒で入ると、その先頭に立ったのは、このレースで“3位以内”を目指した住所だった。「気合いが入り過ぎて先頭に立ってしまった」と、序盤はハイペースを維持する先頭集団にくらいついた。
一方の村山は1時間20分前後のフィニッシュタイムを目安に、後方集団でレースを進めていった。「100%の調整ができていなかったので、集団を使いながらペースを刻んだ」。先頭が世界記録ペースで10キロを38分21秒で通過するも、村山は5キロ19分27秒、10キロ39分11秒と自分のペースを崩さずに通過、5キロ以降の動きに精彩を欠く住所は10キロ手前で「呼吸が苦しくなり、足も動かなくなった」と11キロ地点で途中棄権。「萎縮することなく前に出られたのは収穫でしたが、そこでレースを進めていく力がなかった」と、調子が良くチャレンジしていったレースだったが力の差を思い知らされる結果となった。
終盤、村山は8位入賞争いのグループに加わり健闘するも、一歩及ばずの9位でフィニッシュ。自己記録となるタイムを1分以上上回り、自己ベスト更新となる1時間19分04秒をマーク。3月に行われる日本選手権・35キロ競歩に向けて気持ちを新たに切り替えていく。
男子のスタートから約20分後に号砲が鳴った女子のレース。男子選手に混じって行われることから好記録が期待された。序盤、岡田を含む7人が集団を作り、最初の1キロを4分22秒で通過。その後、5人で縦一列の集団となるが、先頭を行く藤井菜々子選手(エディオン)のペースが速く、徐々に集団がばらけていった。
岡田はトップと5秒差の2位で5キロを通過すると、その後は単独で自分のペースを刻んでいく。10キロを43秒55秒で通過し、「あわよくば派遣設定記録(1時間28分)も狙えるという感じになりましたが、後半は苦しい時間もあった」と、腕時計を確認しながら設定通りのタイムで15キロを1時間05分07秒と刻み、20キロのフィニッシュタイムは1時間28分17秒と、セカンドベストとなる6年ぶりの1時間28分台をマーク。世界選手権の標準記録となる1時間29分を切ることができこのレースの目標であったタイムをクリア。世界選手権出場へ「前進することができたし、まだ成長できる」と手応えを感じた様子。優勝した藤井菜々子選手に自身が持つ日本記録を更新されたが、「海外勢とメダル争いをするには必要なタイム。これからもっと競歩競技が盛り上がってくれたら」と話した。
3月の日本選手権(35キロ)に向けて、どこまでできるかと思って臨んだレース。イーブンペースで押していって、自己ベストを更新でき自力が上がっていると手応えを感じています。今年は、年明けに左くるぶしの腱鞘炎となり、痛みが長引き思うような練習が積めませんでした。今日のレースに向け万全な調整ができなかったことで、「最後まで自分のペースを貫く」いつものレースプランから「うまく集団を使う」スタイルに変えたことも功を奏したと思います。初めて出場した昨年10月の日本選手権(35キロ)では、ラスト5キロで大きくペースが落ちてしまいました。2度目の35キロとなる3月の日本選手権では、派遣設定記録の突破も不可能ではないと思っています。まずは自分のやるべきことに集中し、ベストを尽くしたい。残り1ヶ月、しっかりと準備したいです。
3位以内を目指してレースに挑みましたが、悔しい結果となりました。スタート前は集団の中でレースを進めようと思っていましたが、スタートすると勢いでトップに立ってしまい、想定していた1キロ3分52秒前後よりも、かなり速いペースで1キロを通過。そのまま「この位置でレースをコントロールできたら」という思いもありましたが、自分にはそこまでの力がありませんでした。序盤にハイペースとなったことで、中盤には呼吸が苦しくなり、足も動かなくなり11キロで棄権を選択。今は力のなさを痛感しています。今日まで順調に練習を重ね、調子自体は悪くはありませんでした。若い世代の選手が強くなっているのを見ると、焦る気持ちも出てきますが、自分のペースで自己ベストを更新していきたい。今までやってきたことをやり続け、これまでの取り組みが間違ってなかったことを証明したいです。
世界選手権出場へつながるレースにしたいと思っていたので、参加標準記録を突破することができ、今日のところは目標達成です。レースは序盤から藤井さんがハイペースだったので、自分のペースを刻むことを意識しました。後半は苦しい時間もありましたが、6年ぶりの28分台。パリ2024オリンピックが終わってから、体の使い方を修正したのが結果につながっています。より臀部を使えるようになったことで、ハムストリングへの負担が減り、足が流れるように、テンポアップしたような感覚が生まれ良いリズムで歩けているんです。今は東京で行われる世界選手権へ出場することが大きなモチベーションになっています。そこに向かって全力で取り組み、力を出し切りたいです。今日、藤井さんが日本記録を更新されました。時間の問題だとは思っていましたが、26分台到達は世界と戦う上では必要なこと。日本記録保持者でなくなることで寂しくなるのかと思っていましたが、いまは少し気持ちが楽になり、清々しい気分です。日本女子のレベルがより一層上がって欲しいと思っています。