第107回日本陸上競技選手権大会
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開催日時 | 2023年06月01日(木曜日) 〜2023年06月04日(日曜日) |
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開催地 | ヤンマースタジアム長居 |
日本陸上男子5000m決勝
1位 | 塩尻和也(富士通) | 13分19秒85 |
2位 | 遠藤日向(住友電工) | 13分20秒84 |
3位 | 清水 歓太(SUBARU) | 13分21秒18 |
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6位 | 塩澤稀夕(富士通) | 13分24秒44 ※自己新記録 |
13位 | 松枝博輝(富士通) | 13分35秒83 |
16位 | 浦野雄平(富士通) | 13分38秒65 |
24位 | 坂東悠汰(富士通) | 13分54秒47 |
女子 100mH 予選3組(0.0)
1着 | 田中佑美(富士通) | 13秒20 準決勝進出 |
2着 | 田中佑美(富士通) | 13秒05 決勝進出 |
1着 | 岸本鷹幸(富士通) | 50秒18 決勝進出 |
1位 | 三浦龍司(順天堂大) | 8分21秒41 |
2位 | 砂田晟弥(プレス工業) | 8分26秒36 |
3位 | 菖蒲敦司(早稲田大) | 8分28秒16 |
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5位 | 潰滝大記(富士通) | 8分32秒41 |
男子走幅跳 決勝
1位 | 城山正太郎(ゼンリン) | 8m11(+2.1) |
2位 | 橋岡優輝(富士通) | 8m06(+1.1) |
3位 | 小田大樹(ヤマダホールディングス) | 7m90(+2.0) |
1着 | 佐藤拳太郎(富士通) | 46秒06 決勝進出 |
1着 | 石川周平(富士通) | 13秒48 決勝進出 |
1位 | 寺田明日香(Japan create Group) | 12秒95 |
2位 | 青木益未(七十七銀行) | 12秒95 |
3位 | 田中佑美(富士通) | 12秒96 |
1位 | 小川大輝(東洋大) | 49秒52 |
2位 | 山内大夢(東邦銀行) | 49秒78 |
3位 | 児玉悠作(ノジマ) | 49秒83 |
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8位 | 岸本鷹幸(富士通) | 50秒80 |
男子400m 決勝
1位 | 中島佑気ジョセフ(東洋大) | 45秒15 |
2位 | 佐藤風雅(ミズノ) | 45秒26 |
3位 | 佐藤拳太郎(富士通) | 45秒47 |
1位 | 泉谷駿介(住友電工) | 13秒04 |
2位 | 高山峻野(ゼンリン) | 13秒30 |
3位 | 横地大雅(Team SSP) | 13秒51 |
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4位 | 石川周平(富士通) | 13秒60 |
大会初日の最終種目となった男子5000mには、松枝、塩尻、坂東、浦野、塩澤の5名が出場。心配された雨もなく、上々のコンディションでレースがスタートする。序盤は、オープン参加の海外勢の選手がレースを引っ張り、最初の1周は63秒、1000m2分40秒のラップタイムで進んでいく。富士通勢は、塩尻、塩澤、松枝が集団の中盤あたり、やや後方に坂東、浦野は集団の最後方からレースを進めていく。2000m5分20秒、3000m8分00秒と、先頭が2分40秒のペースを刻んでいくと、徐々に選手がふるい落とされていく。3000mを前に坂東が遅れをとると、松枝も先頭集団から離されていく。一方で、3200mを過ぎると先頭のペースが少し落ち、塩尻が先頭に立つ。塩澤もしっかりと先頭集団にポジション。そして、ラスト1000mでスパートかけた塩尻が、一時は後続に約50mの差をつける独走でラスト1周へ。最後はやや差を詰められたものの、逃げ切りで日本選手権5000mで初優勝。2018年に3000m SCで優勝して以来の5年ぶりの勝利を飾った。最後まで粘りを見せた塩澤が自己ベストを大幅に更新する13分24秒44で、6位となり3年連続の入賞を果たした。
レース直前に日中降り続いていた雨がやみ、16名がスタートラインに立った3000m SC。今季から8分15秒に設定された世界選手権の参加標準記録を目指すレースがスタートした。外側からのスタートとなった潰滝は集団の後方にポジション。2周目に入ると三浦龍司選手(順天堂大)が先頭に立ち、レースを牽引。1000mは2分47秒、2000mは5分37秒で通過する。2000mを過ぎると、それまで集団の後方につけていた潰滝が徐々にペースアップ。2位集団のトップに立って独走する三浦を追ったが、ラスト1周で「足が残ってなくて失速。狙っていた3位以内にと粘ったのですが、もう一つ順位を落としてしまった」と最後は気持ちに弱さがでたと潰滝。8分32秒41、5位でフィニッシュとなった。
昨年、4位で表彰台を逃しリベンジを狙う岸本が予選3組に登場。「これまでの経験から余裕を持って周りを見ながら走れた」と言う通り、終始落ち着いた走りで、トップでフィニッシュ。50秒18のタイムも、「通過することが大事」という予選を危なげなくクリアして見せた。今季は「社会人になってから怪我なくシーズンインしたのは初めて、レースが楽しくて仕方がない」という岸本。決勝では歩数も含めて「勝負していきたい」と意気込んだ。
予選3組目には、今季12秒台をはじめてマークした田中と清山ちさと(いちご)が登場。5レーンを走った田中が序盤から先行し、13秒20の1着で準決勝進出を決める。続く、準決勝では「これまではタイムに拾われるなど、ギリギリで決勝に進むことが多かったが、今年は決勝に行かなきゃという思いが強かった」と、緊張の中でスタートを迎えたという田中。スタートは他選手に先行を許すも徐々に巻き返し中盤以降は並走。1着の青木に0.01差の13秒05の2着で決勝へと駒を進めた。混戦が予想される決勝では、「競り合った時でも、自分に集中して走りたい。走り終わった時に後悔がないようにしたい」と抱負を語った。
田中、青木益未(七十七銀行)、寺田明日香(Japan create Group)、福部真子(日本建設工業)の4人が横並びでゴールする大接戦となった女子100m H。3コースの田中は「音が鳴ったら出ることだけを考えていた」というスタートを反応良く飛びだし、4コースの青木、5コースの寺田、6コースの福部と並んで中盤へ。「競り合いになっているのはわかっていた。『落ち着け、落ち着け、このために練習してきたんだろ』と自分に言い聞かせていました」と、競り合いの中で冷静さを保つことに努めたという。中盤ではややリードを奪ったかに見えたが、そのまま4人が横並びでゴール。「悪くないと思ったけど、テレビカメラが明日香さんを追っていたので、彼女が優勝したんだと思った」。田中は、12秒96(ー1.2)をマークし2年連続の3位。1位寺田と2位青木のとの差は1000分の7、ファンの記憶に残るレースとなった
昨年のオレゴン世界選手権に続き、5度目の世界選手権出場を目指す岸本が挑んだ400mH決勝。序盤からスムーズな加速をみせ、中盤以降も「いい感じで走れていた」と、快調なリズムを刻んでいく。だが、8台目を超えたあたりで失速してしまう。「切り替えの部分で新たに14歩に挑戦したが、それがうまくいかなかった」と、勝負に出た決勝で、課題を残す結果となった。50秒80。8位でのフィニッシュとなったが、「新しいことにチャレンジできたのは収穫。決まれば優勝できるくらいのタイムを出せると思っていたので、後悔はありません。大一番で挑戦できたのは自信にも、これから何をすればいいかという判断材料にもなりました」。順位もタイムも納得のいくものではないが、それ以上に意味のあるレースになった。
日本選手権3連覇がかかる橋岡。昨年からスプリントを強化してきたことで、今季は大幅に助走を変更している。4月下旬の米国での競技会で8m11、5月のセイコーゴールデングランプリでは7m90で8位だった。決勝では、1本目7m65、2本目7m75と徐々に記録を伸ばし、3回目、4回目はファールとしたものの、5回目に8m07を決めトップに立った。最終跳躍では先に城山正太郎 (ゼンリン)が8m11をマークし逆転。再逆転へ、注目が集まった橋岡の最終跳躍は、7m58。記録を伸ばすことができず、2位で競技を終えた。試合後の会見では開口一番「絶賛迷子です」と、今季大幅に変えた助走がまだしっくりきていないと語った橋岡。それでも「合ってなくはない。怪我もあって十分な練習が積めていない。時間がかかることは覚悟して挑んでいる。後々、これがあったからと言えるようにしたい」と、今後の巻き返しを誓った。
予選2組に出場した佐藤は、序盤から積極的なレース運びで、1着でフィニッシュ。今季、日本歴代7位となる8年ぶりの自己ベスト45秒31をマークしている好調さを見せた。「セイコーゴールデングランプリは納得のいく内容ではなかったので、今日はその修正点をぶつけていこうと思った」と課題を持って挑んだレース。「ガチャガチャだった」というフォームを意識して、「リラックしながらもスピードを上げた」と前半から積極的に前に出た。「44秒台は出さないといけない数字」。決勝ではライバルたちと44秒台で決着をつけたいと意気込んだ。
3組に石川が登場。2コースの石川は、スタートはやや出遅れたものの、3台目を過ぎるとトップに立ち、そのままフィニッシュ。決勝進出を決めた。それでも、「中盤でいつもと違うリズムが乱れた感じがあった。レースの映像を見て修正したい」と反省しきり。スタート前は追い風を感じていたものの、スピードに乗っていけなかったもの「思ったよりもタイムが出なかった」原因。ハイレベルな選手で競う決勝では、「周りは気にせず、焦らずに、前半から自分のリズムを作りたい」と、まずは自分の力を出すこと、それができれば「結果はついてくる」とコメントを残した。
日本人2人目の44秒台なるか。45秒の壁を超えるレースが期待された男子400m。4レーンの佐藤は順調にスタートを切るも、「最初の200mで間延びしてしまったというか、もう少しスピードを出したかった」と、勝つために必要な「300mで誰よりも前にいる」レースプランが実行できず、徐々に失速。ゴール前で4位に入った今泉堅貴(筑波大)に追い上げられたが、「3位は死守しなきゃいけない」と意地をみせ、3位でフィニッシュ。昨年は予選落ちに終わった日本選手権で表彰台に返り咲いた。「今年はタイム的にも決勝の舞台でもっと勝負がしたかった。今思うと、準備も含めてもっとできることがあったと思う」と、1位の中島佑気ジョセフ(東洋大)、2位の佐藤風雅(ミズノ)らが、このレースで自己ベストを更新する中、自身の納得のいかない走りに悔しさを噛み締めた。
日本記録が飛び出した男子110mH決勝。6レーンの石川はスムーズなスタートを決めたものの、徐々に1位となった5レーンの泉谷駿介(住友銀行)に差を広げられると、最後は横地大雅(Team SSP)にも抜かれ、4位。タイムも13秒60と満足できるものではなかった。「疲労が抜け切らず、日本選手権に良い状態で挑むことができませんでした。踏切では荷重する際に、上手く乗り切ることができずに、少しスカスカするような感じ。思うような動きができず、悔しい結果となりました」と、上手くピークを合わせることができなかったと石川。4位となったことで世界選手権出場への道のりが険しくなったが、「もう一度立て直して、参加標準記録を突破したい」と、前を見続けて頑張りたいと話した。
日本選手権の舞台で優勝できて、素直に嬉しいです。2018年に優勝してからは、この舞台で結果を残すことができず、苦手意識ではありませんが、うまく走れいていなかったので、今日はこれまでの成果が出せたと思います。レースはラスト1周(400m)で勝負がもつれないようにと、ラスト1000mあたりが勝負していければと思っていました。そんなプランがしっかりと実行できました。今回の結果で世界陸上の代表に大きく近づいたと思います。そして、来年はパリ2024オリンピックです。今後も、そこにつながっていくような走りをしていきたいです。
順位的には悔しさが残りますが、自己ベストを更新できてタイムには納得しています。2年連続で入賞している日本選手権。ここ2年は同じようなペースでラスト1000mで脚が動かせないのが課題でした。今回は余力を残しラスト粘れたのは収穫です。ただ、ラスト400mで勝負がついてくるので、そこで勝ち切れるようになりたいです。これまで13分20秒台が出せそうなペースでも終盤粘れずに30秒台となるレースが続いていました。日本選手権の舞台で大幅にベストが更新でき、自信になりました。
悔しい結果となりました。状態も良かったので、自己ベスト更新を視野に入れつつ、ポジションを意識してレースに挑みました。しかし、この結果に終わり、力のなさを感じています。怪我の影響で、今年はスタートが遅れましたが、順調に練習を重ね、上々の仕上がりでした。10日前の調整練習となる3000mでも良い走りができていたので、余裕を持っていましたが、何か基礎的な部分が足りなかったと思います。次はホクレン・ディスタンスチャレンジへの出場を考えています。結果を出せるように、頑張りたいです。
直前まで状態が悪く、どこまで粘れるかと思っていました。今は無事に走り終えて良かったと思っています。故障上がりで、準備期間も短く、まだ6、7割という状態。レース直前まで、出場するかどうか悩んでいたんです。ただ、今の状態でここまでできたというのは前向きな気持ちになれました。次につながる走りができたと思っています。今年はMGCでパリ2024オリンピックの代表の座をつかむことが最大の目標です。トラックレースは今回で一旦区切りをつけ、マラソンに向けたトレーニングに取り組んでいきます。
調子が良く、レース中も手応えを感じて走っていましたが、2400mあたりで他の選手と接触があり、転倒しそうになってタイムロス。立て直そうとしましたが、焦りが出てしまい、リズムを取り戻すことができませんでした。64秒で進むと予想していたレース。スタート時にやや出遅れてしまい、うまくポジション取りができなかったのは反省点です。もう少し早い段階で前へ出ていればと悔いが残ります。今後は、今年の世界陸上、来年のパリ2024オリンピックへ向けて、最善を尽くしていきたいです。
振り返ると、最後頑張れば3位に入れたのかなって思う、悔しいレース。結果がすべてなので、この経験を活かして次につなげたいです。レース前は集団の前の方を走るつもりでしたが、序盤のペースがタイム以上に早いと感じ、無理せず走れるポジションと考えたら集団の後方になってしまいました。2000m過ぎからは、前が空いていたので、そこについていきポジションを上げましたが、最後は足が残っていませんでした。次は12月に行われる日本選手権10000mへの出場にするため、練習に取り組んでいきたいです。
大事な大会で目標としていた3位以内に入ることができ、ひと安心という気持ちと目標を達成できたことで自信にもなりました。スタート前から「音が鳴ったら出る」、「それ以降はなるようになる」、「最後まで落ち着いて走る」、と自分に言い聞かせていました。混戦の中で、落ち着いて走れたのがこの結果につながったと思います。2年連続の3位ですが、今年は自己ベストも出すことができ、内容や意味合いも違ったものになりました。これで世界選手権の代表に近づくことができました。どのレベルになってもやることは変わりません。自分のペースで取り組んでいきたいです。
良くも悪くも、これがいまの実力です。7〜8台目の切り替えのところで、これまでの15歩では詰まってしまう感覚があり、試合で初めて14歩にチャレンジしました。自信にもなり、これから何をすべきか、判断材料にもなりました。今日は前半行き過ぎたこともあり、足が残っていなかったのも、うまくハマらなかった原因です。試合でどんな感じになるのか、把握できたのは今後につながります。ベテランと呼ばれる年齢になりましたが、まだまだ走れているし、年齢も感じていません。改善できることもたくさんあり、自己ベストの更新も視野に高みを目指します。
悔しい結果です。自分にも腹が立っていますが、こうなることも覚悟して新しいチャレンジをすることを決断しています。助走は合ってなくはないんです。助走距離は短くなっていますが、高いレベルへと自分を引き上げるために、走り方を変えた結果なんです。以前より走れるようになっているのは実感しています。やるべきことはわかっていますが、怪我もあって十分な練習を積むことができず、いまは中途半端な状態。迷いはありません、根気よく練習を続けていきたい。今後は自分にとって条件のいい試合で世界選手権の参加標準記録の突破を目指します。
レースの内容には納得がいっていませんが、マストとしていた「3位以内」に入ることができ、今は良かったと思うようにしています。“速く楽に”、が今のテーマ。44秒を出すことが、世界で戦うためには必要だと思っています。今日は200mまでの走りに課題が残りましたが、冬に取り組んだフォーム改善は手応えをつかんでいます。世界選手権の日本代表に選出されたら、まだまだ時間があると思うので、しっかりと修正していきたい。世界の舞台で決勝を目指すために、実現できるレベルに自己ベストを引き上げていきたいです。
すべてが上手くいかなかったレース。セイコーゴールデングランプリが終わって、疲労感が出ている中で、練習でも動きが悪くなっていると実感。疲労を抜くことと、トレーニングのバランスを取りながら調整してきましたが、状態を上げることができませんでした。今季は、 春先から調子が良く、世界選手権の参加標準記録を切れる手応えをつかんでいました。しかし、体の状態と試合での条件が合わず、徐々に調子を落としてしまいました。少し条件が悪いくらいでは左右されないような、力をつけなければと思っています。一旦、休んでトレーニングを積み直し、参加標準記録の突破を実現させたいです。