第106回日本陸上競技選手権大会20km競歩
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開催日時 | 2023年02月19日(日曜日) |
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開催地 | 六甲アイランド 甲南大学西側 20㎞コース |
1位 | 池田向希(旭化成) | 1時間18分36秒 ※ブダペスト世界陸上内定 |
2位 | 高橋英輝(富士通) | 1時間19分07秒 ※ブダペスト世界陸上内定 |
3位 | 野田明宏(自衛隊体育学校) | 1時間19分52秒 |
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6位 | 村山裕太郎(富士通) | 1時間21分10秒 |
10位 | 松永大介(富士通) | 1時間22分22秒 |
1位 | 藤井菜々子(エディオン) | 1時間29分54秒 |
2位 | 岡田久美子(富士通) | 1時間31分21秒 |
3位 | 柳井綾音(立命館大) | 1時間33分46秒 |
8月に行われる世界選手権の代表内定をつかむには、派遣設定記録の1時間19分30秒を突破することがマストとなる男子のレース。スタート直後の9時の時点で、雨、気温5度、追い風と向かい風がはっきりとしている強い風に、高い湿度と難しいコンディションだったが、最初の1キロは3分51秒のハイペースでの幕開けとなった。
序盤は前回王者で通算最多6度の優勝を誇る高橋英輝が「スタートから速いペースの入りがすごかった」というように、すぐに先頭集団は高橋と松永大介を含む5人に絞られる。5キロを19分29秒で通過すると、徐々に先頭集団の人数が絞られ高橋と池田向希(旭化成)の2人に。10キロは38分29秒。派遣設定記録を十分に狙えるタイムで前半を折り返した。
15キロをトップの高橋と池田が58分45秒で通過すると、6位集団に松永と村山裕太郎がつける。そして16キロ過ぎに池田がスパート。「いまの力ではついていくことができなかった」と高橋。それでも、代表内定に必要な順位とタイムを守り切り、2位でフィニッシュ。「目標(日本代表内定)がクリアできて良かった」と喜んだ。
レース前に「19分台を出したい」と語っていた村山は、1時間21分10秒。終盤順位を上げて6位に入った。「コンディションのせいにすればそれまで。強い選手はこのコンディションでも結果を残している。目標タイムには届かなかったが、6位以内に入りアジア大会の選考に残ったのは良かった。次は3月の能美で19分台を出したい」と力強く語った。「3位以内」を狙っていた松永は後半追い上げることができず10位でフィニッシュとなった。
世界選手権への切符をかけて岡田久美子と藤井菜々子(エディオン)の高いレベルでのレースが期待された女子20km。スタートからその2人がレースを引っ張り、最初の1キロの入りは4分31秒。当日の気温や風のコンディションを考慮し、参加標準記録を狙いにいったという岡田は「藤井さんの後ろで様子をみながらレースを進めた」と、5キロ26分51秒で先頭を歩く藤井についていく展開。
だが、その後は距離を重ねるごとに徐々に2人の差が開いていった。レースの折り返しとなる10キロで15秒に広がると、15キロでは35秒近くに。「12、13キロあたりでキツくなってからどう対応できるかが勝負ですが、今日は単独歩となってリズムがつかめなかった」と岡田。それでも、「ラスト2キロはペースを上げられた」と意地をみせ、2位フィニッシュ。今日で世界選手権代表を決めることはできなかったものの「世界選手権出場の目標は変わらない」と、前を見続けている。
髙橋 英輝
目標としていた世界選手権の出場内定が取れて嬉しく思っています。昨年の世界選手権後は、故障が長引き練習を再開するのが遅くなり不安もありましたが、まずは一安心です。気温が低く、風も強いコンディション。序盤からペースの上げ下げが激しく「ここは我慢どころ」と耐えられたのが良かったです。中盤からは池田選手と2人になったことで気持ちが楽になりました。終盤に離されたこと、また注意も4枚出ていたことは、これからの課題にしたいです。これまで、国際大会ではなかなか良いレースができていないので、次は満足できる結果を残せるように準備していきたいです。
目標としていた19分台には届きませんでしたが、6位以内に入りアジア大会の代表選考に残れたのは良かったです。一昨年は怪我でレースに出られず、去年は練習も実践も経験、今大会にピークを合わせてきたので、もう少しできたかなという思いはあります。直前の合宿で動きを変えた部分があり、手応えを感じていました。ですが、後半に疲れてくるとその動きを再現できず、ペースを落としてしまいました。次に出場予定の全日本競歩能見大会では今回以上に良いパフォーマンスを見せて日本代表を目指したいです。
参加標準記録を目指してレースに挑みましたが、後半失速し悔しい結果になりました。スタートから藤井選手の後ろで様子を見ながらレースを進めましたが、なかなか体温が上がってこず、12キロあたりできつくなり、思うようにペースを上げることができませんでした。ただ、苦しい中でもラスト2キロは4分35秒あたりまで盛り返せたのは今日の収穫です。次のレースはまだ決まっていませんが、世界選手権に出場し来年のパリ2024オリンピックにつなげたいという思いは変わりません。目標達成に向けて成長していきたいです。
松永 大介
※今回は松永大介選手のコメント掲載はありません。