WPA公認 第33回日本パラ陸上競技選手権大会

開催日時 2022年06月11日(土曜日) 〜2022年06月12日(日曜日)
開催地 神戸市・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
Athletes 出場選手

Results 大会結果

女子100m(T63)決勝(-1.4)

1位兎澤朋美(富士通16秒35
2位保田明日実(大和鉄脚走行会)17秒92

女子走幅跳(T63)決勝

1位兎澤朋美(富士通4m64(+2.4) ※大会新記録
2位保田明日実(大和鉄脚走行会)3m32(+2.1)

Report 大会レポート

女子T63 100m

5月14・15日のジャパンパラ陸上で、自身が持つ走幅跳アジア記録を更新。続く、5月28日バルセロナで開催された「17th INTERNATIONAL PARA ATHLETICS MEETING OF L’HOSPITALET」でも、さらに記録更新。良いイメージを持って、日本パラ陸上競技選手権に臨んだ兎澤朋美。神戸ユニバー記念競技場で行われた初日は、女子100mT63に出場。向かい風に苦しみ、記録は伸ばせなかったが16秒35(-1.4)をマークして、1位でフィニッシュ。優勝を飾り、次戦での記録更新に期待をつないだ。

小雨が降り始めた神戸ユニバー記念競技場。日本パラ選手権1日目、兎澤朋美が女子100mT63クラスに出場した。スタートで勢いよく飛び出した兎澤だが、「想像以上に向かい風が吹いていた」と語るように、風にも苦戦。中盤から後半に向けて加速するも、苦しい表情を浮かべながらのレースで、スピードに乗り切らず。周囲を引き離して1位でフィニッシュしたが、記録は16秒35。目指した“自己ベスト更新”からは遠い結果に終わった。

「義足ではないほうの脚の動きが、もう少しスムーズになれば」と改善点を振り返った兎澤。直前に戦ったスペイン・バルセロナの試合では、走幅跳の後、当日に100mを走る日程だったため、今回はコンディションを整えてのレースを目指したが振るわず。それでも、着実に優勝を勝ち獲り、結果を残して次戦への希望をつないだ。100mの今後に関して、「また遠征での試合が続くので、自己ベスト突破を狙いたい」と、兎澤は未来を見据える。

女子走幅跳 T63

日本パラ陸上競技選手権、大会2日目。5月の大会で2度アジア記録を更新するなど、好調の兎澤朋美が走幅跳T63に登場。2回目の跳躍で4m58をマークして、自身が持つ大会記録を更新。優勝で大会を終えた。自己ベストを狙っていた本人は悔しそうな表情を見せたが、「今シーズン中に5mは跳びたい」と、さらなる目標達成に向けて意欲を見せた。

前日の雨から一変、晴天に恵まれた神戸ユニバー記念競技場。5月のジャパンパラ陸上で、自ら持つアジア記録を4m70に更新。さらに5月末のスペイン・バルセロナ遠征で4m79を跳び再度記録更新と、好調をキープする兎澤。今大会でも自己ベスト更新を目標に大会を迎えた。

兎澤は1本目の跳躍で、いきなり4m57をマーク。自身が持つ大会記録4m29を更新する。さらに2本目でも4m58を跳び、再び記録を更新。3本目のファウルを挟んだ後、風が強くなった後半3回の跳躍では、追い風参考記録ながら4m64(6回目)と大きなジャンプを披露、T63クラス優勝を飾った。

兎澤は「自己ベスト更新を狙っていたので、それができなかったのは単純に残念」と語りつつも、「平均的にそれぐらい(4m58前後)跳べたのはひとつ評価して良い点」と手ごたえを確認。「今シーズン中に5mは行きたいなと思っています」と、さらなる飛躍を誓った。今後は、欧州遠征などで試合・練習を予定。より一層の活躍に期待がかかる。

Comments コメント

女子T63 100m:兎澤朋美コメント

ベストを更新したいと思ってレースに臨みましたが、想像以上に向かい風も吹いていて、終わってみればあまり良くない結果となりました。義足ではない方の脚を、もう少しスムーズに動かすことを一番のポイントに置いていましたが、なかなかうまくいきませんでした。先日のスペイン・バルセロナの試合は、1日で2種目とスケジュールがバタバタしていたので、今大会は1日ごとに分かれている分、丁寧に走れたらと考えていましたが、思ったより遅かった印象です。
ヨーロッパの湿度が少ない気候だと身体が明らかに動く感じがありますが、国内の主要大会で結果を出さなければならないので、そこは反省点だと思っています。100mに関しては今年、世界選手権もアジア大会も延期になったため、この後予定している海外遠征で、また自己ベスト更新を狙いたいと思います。

女子走幅跳 T63:兎澤朋美コメント

自己ベストを更新したいと思っていたので、目標に届かなかったのは単純に残念。もう少しいけたかなという感じではあります。
助走で言うと、義足ではない健足のほうの軌道改善を一番の課題にしているので、それが今日の試合の中でもう少し良い方向に持っていければ良かった。まだ、主観と客観が噛み合わず、自分の感覚としてうまくできていない感じになので、その辺りは改善していかなければと思っています。まだやらなければいけないことは、たくさんあります。
今後は7月頭にドイツに遠征に行く予定なので、そこでもう1段階上げていければいいかなと思っています。調子として悪くない部分もあるので、今シーズン中に5mまで跳べるようになりたいと思っているので、目指して頑張りたいと思います。