第65回東日本実業団対抗駅伝競走大会

開催日時 2024年11月03日(日曜日)
開催地 埼玉県庁~深谷~熊谷スポーツ文化公園陸上競技場【7区間76.9km】
Athletes 出場選手

Results 大会結果

大会結果

1位GMOインターネットグループ3時間43分26秒
2位ヤクルト3時間45分19秒
3位サンベルクス3時間45分45秒
4位富士通3時間46分08秒

Report 大会レポート

後半巻き返し4位フィニッシュ

2025年のニューイヤー駅伝への出場枠が、2024年の12チームから10チームへと2枠減り、より激戦が予想された東日本実業団駅伝。5連覇を目指す富士通は、1区に「安定感あり、充実した練習ができている」と高橋監督が信頼を寄せる中村を立てた。

スローペースで後半勝負、例年ならそんな展開で進む1区だが、最初の1キロを2分48秒で入ると、その後もハイペースでレースが進んでいく。中村は先頭集団で冷静な走りをみせるが、3キロを過ぎるとGMOインターネットグループの吉田祐也選手が飛び出し、徐々に集団がばらけていく。終盤、中村は10位あたりで単独走となり、中継所を前に後続の選手に交わされ、トップと1分18秒差の11位での襷リレーとなった。


襷を受けたコセンは、ホンダのイェゴン ヴィンセント選手、コニカミノルタのキベット ロジャーズと3人で集団を形成し前を追う。3キロを過ぎたあたりから、コニカミノルタが先行。集団が崩れ、中盤以降は単独走となるシーンもあったが、順位を一つ上げて9位での中継となった。


3区は東日本実業団駅伝初出場となる鈴木が走った。Kaoの杉山魁声選手、埼玉医科大学グループの木榑杏祐選手とともに9位集団を形成し、その先頭に立ちペースを刻む。8キロを前にプレス工業の橋本龍一選手が追い付き、一時4人の集団となる。10キロの給水を過ぎると、集団が2つになり、鈴木はその先頭へ。終盤は埼玉医科大学グループの木榑選手と競り合い、前に出られたものの、10位で4区の塩澤へとつないだ。


すぐに埼玉医科大学グループの前に出て、第3中継所では10秒差あった8位のコニカミノルタを積極的に追った塩澤。5キロを過ぎると、塩澤、埼玉医科大学グループ長山瑞季選手の2人に、Kaoの池田耀平選手が追いつき9位集団が3人となる。7キロを前に、8位のコニカミノルタを吸収すると、その後は集団が2つに分かれ、塩澤はKaoの池田と激しい8位争いを展開。中継所を前に先行されたものの、順位を1つ上げて5区横手へと襷を渡した。


8位のKaoとは2秒で襷を受けた横手は、すぐにKao安原太陽選手の後ろに付いてレースを進める。ひとつ前の5位グループの3人とは約40秒差、後続の10位グループの2人とは13秒の差があった。「安心できる順位ではなかったので、後ろを引き離したかった」と積極的な走りを見せる横手。4キロ過ぎには、5位集団に追い付き順位を2つ上げて7位で中継所へ。区間2位となる23分30秒の快走をみせた。


中継所では7秒差あったSUBARUに3キロ過ぎに追い付いた浦野。一気に前に出ると、その後も力強い走りをみせる。「直線で前が見えていたのは力になった」と、終盤でさらに上位チームを捉え、順位を3つ上げる好走でアンカー飯田へと襷リレー。6区10.6キロで、29分38秒の区間新記録を打ち立て、7位から4位へとチーム順位を押し上げた。



3位のサンベルクスとは30秒以上の差があり、5位とはタイム差なし、6位とは7秒差の4位で襷を受けた飯田。前とは大きなタイム差があったものの「4位と3位じゃ全然違う」と懸命の走りを見せる。「2年前はトップで襷を受けた、今度は自分の走りで順位を上げたい」。最後まで諦めず前を追い、区間3位となる走りで3位との差を23秒まで縮め、4位でのフィニッシュとなった。


レース結果を受けて「とりあえず通って良かった」と胸をなでおろすのは高橋健一監督だ。序盤は出遅れたものの、「4区の塩澤から、横手、浦野と駅伝慣れしている選手が踏ん張ってくれた」と、徐々に挽回し最後は表彰台に迫った選手たちを讃える。
一方で、悔しさも残っている。「5連覇を狙っていたので、悔しい気持ちも大きい。全体のレベルが上がっていることも思い知らされた」と、前半からハイレベルとなったレースを振り返った。
「今日に向けて、今年ほど皆で同じ練習をしてきた年はありません。今日は4位でしたが、ニューイヤー駅伝に向けてチーム一丸となって頑張りたい」。4年ぶりの王座奪還へ、元日決戦まで、ハードな練習が続きそうだ。
(本文中の順位は、オープン参加のチームを除いています。区間順位は、オープン参加のチームも含みます)

Comments コメント

1区 中村匠吾

入社1年目のニューイヤー駅伝以来の1区で、5連覇を狙うチームに勢いを付ける走りがしたかったのですが、思うように体が動かず、結果が残せませんでした。夏の北海道マラソン後は順調に練習を積んでいましたが、疲れが抜けきれない部分があったこと。またレースが思った以上にハイペースで進んだことも、体が耐えきれなかった理由だと考えています。充実した練習ができているので、しっかりと切り替えていきたいです。ニューイヤー駅伝ではスピードも上がってくると思います。期待に応えるためにも、チームの雰囲気も良いので、後輩たちに負けないように頑張りたいです。

2区 コセン ダニエル

初めて東日本実業団駅伝を走ることができました。
2区では、10秒ほど前にいた2チームの選手を追いかけすぐに追いつきましたが、ペースが安定せず中間地点あたりでは逆に離されしまい自分の思った通りの走りができませんでした。9月には5000mで自己記録を更新し、10月は菅平高原で高地トレーニングを行い駅伝に向けた準備はしてきました。調子は良かったので、富士通チームに貢献できなくて残念な気持ちです。ニューイヤー駅伝では、富士通チームに貢献できるような走りをしたいと思います。ありがとうございました。

3区 鈴木健吾

後半勝負の意識で走っていましたが、想定よりも風が強く、上げきれませんでした。10キロ過ぎ、またラスト1キロなど勝負どころで上げきれず、条件が悪くても1人で押していける力をつけなければと再認識させられました。目標としていた5連覇は達成できませんでしたが、チームとして皆で助け合う駅伝ができたんじゃないかと思います。昨年まではマラソンにフォーカスしてきましたが、今年はチームがもう一度ニューイヤー駅伝で優勝するという目標を掲げているので、私もチームの中に入って練習することで、いろいろな刺激ももらっています。もう一度強い自分を取り戻したいという思いもあり、マラソンも見据えながら、いまは駅伝に集中すること。ニューイヤー駅伝での優勝に貢献したいと思っています。

4区 塩澤稀夕

レース前から自分のところが大事だと言われていて、また自分でも足を引っ張るなら僕かもしれないと緊張感を持って臨んだレース。流れを変えたいと思ってスタートしましたが、風に煽られ思うように走れず、力不足を感じています。ただ、最後は競り合うことで力を出すことができました。前半からもっと積極性を持っていたら違ったとも思っています。今季、トラックシーズン前半は思うように走れませんでしたが、夏を乗り越え、手応えを感じていました。今日の駅伝で力を付けた姿を見せたかったのですが、うまく発揮することができませんでした。自分の強みはトラックで培ってきたスピードです。ニューイヤー駅伝ではチームに貢献できるように、力を出し切れるように調整していきたいです。

5区  横手健

襷を受けた時に9位というポジションはわかっていました。安心できる順位ではなかったので、後ろを引き離さないといけないと思い、前とは30秒差くらいありましたが、突っ込んで入りました。その前の集団とは4キロくらいで追いついたのですが、そこから伸びなかったのが課題です。走るからにはいつも区間賞が目標。トップとは20秒以上の差があり、悔しく思っています。連覇は途切れてしまいましたが、5連覇というプレッシャーの中で走れたことは大きな経験になったと思います。今季は予定していた2月の大阪マラソン2週間前に肉離れ、5月には怪我もあり思うような結果が残せていません。来年こそ、個人としてマラソンで結果を残したい気持ちが強くなっています。そのためにもニューイヤー駅伝は大事な大会としてとらえマラソンのステップにしたいです。チームの勝利に貢献できるように頑張ります。

6区 浦野雄平

メンバーに選んでもらった期待に応えること、また出場できなかったメンバーの思いも背負って力強く走ることができたと思います。襷を受けてから、ずっと前が見えていたのも力になりました。今日の敗戦を受け止め、ニューイヤー駅伝ではチャレンジャーとして王座奪還を目指したいです。9月のベルリンマラソンでは、出国前に腹部に痛みがあり、レースにも影響してうまく走ることができませんでした。マラソン競技後に検査したところ腹部肉離れであったと診断されましたが、その後は体調を見ながら練習に取り組んできました。今日までコンディションを整えるのは簡単ではありませんでしたが、今回走れたのは自信になりました。この夏は、入社してからの3年間で一番良い練習ができ、ようやく故障から戻ってこられたと実感しています。ニューイヤー駅伝では、上り坂でも向かい風でも、自分の力を出し、もう一度区間賞、そして優勝に貢献したいです。

7区 飯田貴之

2年前も7区で、トップで襷を受けて、メンバーのおかげで優勝テープを切りました。今回はトップでもらうことはもちろん、追う展開も想定して準備してきました。襷をもらった時には、前がまだ見えていたので、「3位に入りたい」という思いで、攻めの気持ちでスタート。差を縮めることはできましたが、後半もたついてしまったのは、素直に力が足りないと感じています。この夏は、例年の1.3倍の距離を走ってきました。9月には10000mで自己ベストを更新。力がついたと実感していて、自信を持って臨んだ今日の駅伝。駅伝では区間賞を獲ったことがないので、区間賞獲得を目標としていましたが、今日も届かなかったことはとても悔しいです。次こそ区間賞が取れるように、しっかりと準備していきたいです。