第37回パールボウルトーナメント 決勝
オービックシーガルズ戦

開催日時 2014年06月23日(月曜日) 19:00〜
試合場所 東京ドーム
天気 晴れ
観客動員数 16,869人
Results 試合結果

Q1Q2Q3Q4TB1TB2TOTAL
富士通フロンティアーズ富士通フロンティアーズ77773334
オービックシーガルズオービックシーガルズ906133637
TEAM Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TFP PLAYER(S) G / NG
オービック 1 6:38 PASS #6菅原→#18木下典明 81 KICK #1金親 NG
富士通 1 7:48 RUSH #29ゴードン 35 KICK #11西村 G
オービック 1 15:00 FG #1金親
富士通 2 6:34 INT #28石井 15 KICK #11西村 G
オービック 3 5:24 PASS #12畑→#18木下典明 41 PASS #12畑 NG
富士通 3 11:33 RUSH #29ゴードン 2 KICK #11西村 G
オービック 4 1:32 PASS #6菅原→#85萩山 2 KICK #29長尾 G
富士通 4 6:09 PASS #3キャメロン→#1強 10 KICK #11西村 G
オービック 4 15:00 PASS #6菅原→#20古谷 19 KICK #1金親 NG
オービック OT 0:00 FG #1金親
富士通 OT 0:00 FG #11西村
富士通 OT 0:00 FG #11西村
オービック OT 0:00 RUSH #6菅原
Report 試合レポート

第 1 クォーター
2014年6月23日(月曜日)、LIXIL DEERSを下し決勝へと駒を進めた富士通フロンティアーズ(以下、フロンティアーズ)は、東京ドームにてオービックシーガルズ(以下、オービック)と対戦。この大一番には16,869人の大観衆が集まった。

試合はフロンティアーズのキック、オービックのレシーブでスタート。まず、最初にスコアを動かしたのはオービック。一瞬の隙をついた81ヤード・パスプレーを成功させ、一気にゴールラインへ。タッチダウン後のTFP(トライフォーポイント)は、防ぐものの、フロンティアーズは6点を先行されてしまう(第1Q・06:38、0-6)。それでも、敵陣35ヤードまで攻め込み、チャンスを掴んだフロンティアーズはRB(ランニングバック)#29ゴードンが相手タックルをものともしないランプレーでタッチダウン(第1Q・07:48、7-6)。7点を返すことに成功する。しかし、第1クォーター終了間際に、フィールドゴールをオービックに決められ3点を失ったフロンティアーズ(第1Q・15:00、7-9)。2点のビハインドを背負った状況でこのクォーターを終えた。
第 2 クォーター
2点を追いかけるフロンティアーズは、QB(クォーターバック)#3キャメロンのパスプレーを中心にドライブを試みるものの、ターゲットとの息が合わず、エンドゾーンまでボールを運ぶことができない。そんな中、ディフェンス陣が流れを変えるべく奮起。オービックが追加点を狙いドライブを開始した場面では、パスコースを的確に読んだDB(ディフェンスバック)#28石井が見事なインターセプトを見せる。さらにDB#28石井は奪ったボールを、自らエンドゾーンへ運びタッチダウン(第2Q・06:34、14-9)。オービックの攻撃を止めると共に、逆転弾まで演出してみせた。その後もディフェンス陣は、粘り強くオービックオフェンスに対応。タッチダウンを狙ったロングパスが飛んだ場面では、DB#14三木が防ぐと、DL(ディフェンスライン)#59古木やDL#91安井がプレッシャーをかけ続け、このクォーターを無失点で終えることに成功。前半は、フロンティアーズの5点リードで終了した。
第 3 クォーター
第3クォーターはオービックのキック、フロンティアーズのレシーブで試合再開。後半戦も引き続き、タイトなディフェンスでオービックに対応するフロンティアーズ。自陣14ヤードまで攻め込まれる場面もあったが、ここは4thダウンギャンブルを選択したオービックに対し、LB(ラインバッカー)#45鈴木が果敢なチャレンジで、これを阻止し会場を沸かせる。しかし、フロンティアーズのオフェンス陣がファンブルロストで攻撃権を失うと、このチャンスに再びオービックが、ロングパスを成功させタッチダウン(第3Q・05:24、14-15)。一瞬の隙をつかれ、逆転を許してしまう。それでも、フロンティアーズは気落ちすることなく再逆転を目指しドライブを開始すると、QB#3キャメロンがテンポ良くWR(ワイドレシーバー)#81中村、WR#1強へパスを通しチャンスを演出。最後は、RB#29ゴードンが押し込んで、フロンティアーズが再びリードを手にした(第3Q・11:33、21-15)。
第 4 クォーター
迎えた最終クォーター。開始直後にパスプレーでタッチダウンを許したフロンティアーズは、ここにきて1点のビハインドを背負うものの(第4Q・01:32、21-22)、徐々にタイミングが合ってきたパスプレーを中心に、攻め続ける。すると、エンドゾーン残り10ヤードの地点でQB#3キャメロンはWR#1強を狙ったタッチダウンパスを選択。これを相手ディフェンスに囲まれながらも、WR#1強が確実に捕球し、タッチダウン(第4Q・06:09、28-22)。フロンティアーズベンチは歓喜に包まれた。しかし、昨年のXリーグ覇者、オービックも最後まで諦めることなく、ロングパスを中心にした決死のドライブ。残り時間ぎりぎりまで、フロンティアーズディフェンスはオービックを追い詰めたが、ラストワンプレーでオービックにタッチダウンパスを許してしまう。それでも、決まれば勝ち越しとなるTFPをチーム一丸となって止めたフロンティアーズ。この結果、スコアは28-28の同点となり、勝負の行方は延長戦へと持ち越されることとなった(第4Q・15:00、28-28)。
TB1
お互い25ヤードの地点から攻撃を繰り返し、点差がつくまで行われる延長戦。まず、最初に攻撃するのはオービック。ゴールまで残り1ヤードの地点まで攻め込まれたフロンティアーズだったが、ここはディフェンスが凌ぎ切り、フィールドゴールの3点に抑えることに成功した。その裏の攻撃、フロンティアーズはQB#3キャメロンからのロングパスで1発タッチダウンを狙うものの、レシーバーへのマークが厳しく得点ならず。K#11西村のフィールドゴールでスコアをタイに戻し、ここでも決着はつかず延長戦は2順目へと突入する。
TB2
2順目最初の攻撃はフロンティアーズ。ここでもQB#3キャメロンのパスに望みをかけ、タッチダウンを狙うが、あと一歩が届かない。結局、この攻撃もフロンティアーズの得点はフィールドゴールの3点に留まった。対するオービックはパスとランを織り交ぜ、徐々にボールを前へと運んでいく。すると、QBが空いたスペースを見逃さずランプレーを選択。自らエンドゾーンへと目がけて突進すると、これをフロンティアーズディフェンスが捕まえることができずタッチダウン。これで最終スコア34-37と点差がつき試合終了。オービックが、このシーソーゲームを制しパールボウル王者に輝いた。

またしても王者に一歩届かず涙を呑む結果となってしまったが、最後までどちらに転ぶか分からない好ゲームを演じたフロンティアーズ。QB#3キャメロンを中心とした新生オフェンス陣など、秋シーズンの日本一に期待を抱かせる姿を見せてくれた。

文・写真 / FUJITSU SPORTS
Comments コメント

藤田 智ヘッドコーチ/オフェンスコーディネーター
藤田 智
勝てるチャンスのあった試合だったと思います。追加点を奪えるチャンスは多々、ありましたが自らのミスでそれを逃してしまいました。それは選手たちだけではなく、ベンチサイドも、もう少し何かできたのでは、と思っています。他の試合では、1つ逃したとしても、またチャンスは貰えますが、上のレベルでは、そこで決めてしまわないと勝つことは難しい。(QB#3キャメロンに関して)今日のようなプレッシャーのかかる試合は初めて。強力なディフェンスにプレッシャーをかけられても、投げられるようなレシーバーとの信頼関係とコンビネーションを構築していくことが秋に向けての課題になると思います。
今井 善教#21
今井 善教
オービックシーガルズが強かったというのは、結果が全てだと思うので認めたいです。フロンティアーズとしてはミスもありましたし、ブレも出ましたが、そこも含めて自分たちのフットボールだと思っているので、全てを出して戦えたと思っています。今日の試合でいろいろ学ばせてもらったので、前を見て進むだけですね。このチームで戦えるのは今シーズンだけなので、秋に向けて精一杯みんなでチームを作っていきたいと思います。全員で戦わないとオービックシーガルズの壁は越えられないと思うので、明日からまた締めていきたいです。
コービー キャメロン#3
コービー キャメロン
今日は試合を通して、ディフェンスがすごく良かったですね。延長戦は、私がしっかり指示を出して得点しなければならなかったので責任を感じています。今大会が日本で初めてのプレーでしたが、ディフェンスもオフェンスもいい選手が多く、日本でプレーできることを幸せに思っています。みんなと一緒にプレーできて嬉しいです。フロンティアーズは若いチームですがトップチームと優勝を争う力があるので、これからもやれることはたくさんある。これからもっと成長していけると思います。春は秋に向けての準備なので、本番に向けてしっかりと調整していきたいです。
鈴木 將一郎#45
鈴木 將一郎
まだオービックシーガルズの方が一枚上手だったという結果だと思います。自分はいろいろ試しながらプレーして、結構うまく行った部分もありました。もちろん改善点もあったので、秋季リーグに向けての個人的な課題にしたいです。チームとしての課題は、ディフェンスが最後の場面で止めきることですね。今は具体的に何が必要かわかりませんが、必ずそれが見えてくると思います。昨年の秋にオービックシーガルズに敗れた時よりも絶対に強くなっていると思うので、この試合は悲観的に捉えずに、秋に向けてのステップとしていきたいです。