第35回パールボウルトーナメント 決勝
オービックシーガルズ戦

開催日時 2012年06月25日(月曜日) 19:00〜
試合場所 東京ドーム
天気 晴れ
観客動員数 13,125人
Results 試合結果

Q1Q2Q3Q4TOTAL
富士通フロンティアーズ富士通フロンティアーズ037010
オービックシーガルズオービックシーガルズ7371431
TEAM Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TFP PLAYER(S) G / NG
オービック 1 8:46 PASS #6菅原→#10森 18 KICK #1金親 G
富士通 2 2:22 FG #11西村 43
オービック 2 14:34 FG #1金親 37
富士通 3 4:48 RUSH #28進士 7 KICK #11西村 G
オービック 3 12:37 RUSH #18木下 61 KICK #1金親 G
オービック 4 0:09 PASS #83清水→#20古谷 40 KICK #1金親 G
オービック 4 11:46 RUSH #21中西 8 KICK #1金親 G
Report 試合レポート

第 1 クォーター
2012年6月25日(月)、パールボウル2012決勝。2大会連続で決勝に駒を進めた富士通フロンティアーズ(以下、フロンティアーズ)は、5大会ぶり4度目の優勝を目指すオービックシーガルズ(以下、シーガルズ)と対戦。この日、試合会場となった東京ドームには1万3,125人の観衆が集まった。

試合はフロンティアーズのキック、シーガルズのレシーブで試合開始。まずシーガルズはショットガンフォーメーションからのパスプレーでドライブを開始。最初の攻撃シリーズこそDB(ディフェンスバック)#14三木のパスカットなどでパントに追い込むも、続くフロンティアーズの攻撃でパントのキックミス。シーガルズに敵陣45ヤードと絶好のフィールドポジションからの攻撃を許してしまう。このチャンスをシーガルズは見逃さず、WR(ワイドレシーバー)#10森がTD(タッチダウン)。その後のTFP(トライフォーポイント)も決められフロンティアーズは7点を先制されてしまった(第1Q・8:46)。局面の打開を狙ったロングパスもWR#17秋山が触りはするもののキャッチするには至らず、第1クォーターは7-0のまま終了した。
第 2 クォーター
ここまで、なかなか思うようにボールを前に運ぶことができないフロンティアーズだったが、このクォーターに入って最初のプレーでRB(ランニングバック)#30金が28ヤードランプレー。この試合、フロンティアーズとって最初の得点チャンスを作り出す。その後、RB#6神山のランプレー、QB(クォーターバック)#19吉田のキープランで1stダウンを更新しつつ前進。TDを奪うことはできなかったが、K(キッカー)#11西村が43ヤードFG(フィールドゴール)を蹴り込んでフロンティアーズが3点を返した(第2Q・2:22、3-7)。しかし、シーガルズのランプレーには、LB(ラインバッカー)陣が素早い対応を見せる一方でパスプレーに関しては、フリーの選手に上手くパスを通され止めることができない。前半終了間際には、そのパスプレーで1stダウンを続けて更新されると37ヤードFGをK#11金親に決められ3失点(第2Q・14:34)。合計スコア3-10とシーガルズの7点リードで前半を折り返すこととなった。
第 3 クォーター
フロンティアーズの7点ビハインドで迎えた後半戦。流れを変えたいフロンティアーズは、RB#6神山が敵陣40ヤード付近までリターンし反撃の狼煙をあげる。このシリーズはTD、FGトライともに失敗し攻守交代となったが、徐々に試合のペースはフロンティアーズに傾いていった。ディフェンス陣もこの勢いに呼応するかのように、シーガルズオフェンスに果敢にチャレンジし1stダウンの更新を許さない。最後はDL(ディフェンスライン)#94木村がQBをサックで仕留めオフェンスに繋いだ。すると、WR#82強が2本連続でパスキャッチに成功。さらにTE(タイトエンド)#38大橋がランプレーで前進。ゴールラインまで7ヤードの地点まで攻め込むと、最後はRB#28進士が同点に追いつくTD(第3Q・4:48、10-10)。試合を振り出しに戻した。しかし、ここからフロンティアーズペースで試合が進むかに思われたが、この同点に動揺することなくパスプレーで、勝ち越しを狙うシーガルズ。1度は、LB#5青木がタッチダウンパスをカットする好プレーを見せたものの、WR#18木下がQBからボールを受け取ると61ヤードを駆け抜けるビッグプレーでTD(第3Q・12:37)。17-10とシーガルズに勝ち越されてしまう。
第 4 クォーター
勝ち越しに成功したシーガルズは、第4クォーター開始早々にもビッグプレーを見せる。QBからボールを受けたWR#83清水は、そこから意表を突いたロングパス。これがノーマークとなっていたRB#20古谷にパスが通りTD(第4Q・11:46、24-10)。最終クォーターで逆転を目指すフロンティアーズだが、開始わずか9秒でシーガルズに点差をさらに広げられてしまった。ここからフロンティアーズはパスを中心にオフェンスを展開するもTDには至らず。終了間際にもシーガルズがTDによる7点を加え試合終了。最終スコア31-10でシーガルズがパールボウル優勝を飾った。 先制を許すも一時は同点に追いつくなど粘りは見せたフロンティアーズだったが、最後は及ばず悔しさが残る敗戦。ランプレーに差は無かったが、パスによる獲得ヤードが、シーガルズの219ヤードに対しフロンティアーズはわずか87ヤード。パスプレーの精度の差が勝敗に繋がった。秋シーズンは、今日見えた課題を克服し悲願の日本一を掴み取りたい。

文・写真 / FUJITSU SPORTS
Comments コメント

藤田 智ヘッドコーチ/オフェンスコーディネーター
藤田 智
相手は勝負どころの一本一本で決めてきたので、一枚上手だったと感じる。我々はレシーバーが落としたシーンも多く、そういった集中力が勝つチームと負けるチームの差だと思う。チャンスは多くあったが、決め切るだけの力が無かった。それでも実力が大きく違うとは思わない。秋までには技術やフィジカルを鍛えることに加えて、勝負が決まる一本の重みを認識させないといけない。今日もたくさんのファンから素晴らしい声援をいただいたが、負けてしまって申し訳ない。秋にはリベンジできるようもう一度頑張りたい。
伊藤 乃普彦#37
伊藤 乃普彦
本当に悔しい。率直に、自分たちより相手が強かったと思う。一つ一つのプレーでどれだけ切り替えをして次に繋げられるかが大切だと思うが、やられた時に尾を引いてしまった印象がある。去年のJAPAN X BOWL決勝と全く同じような展開で、一矢報いたかったが、それができず残念に思う。また一から練習をして、シーガルズと良い試合ができるよう頑張りたい。平日の夜にも関わらず応援に来てくださった方々に御礼を言いたい。秋も必ず決勝の舞台に戻ってきて、その時は皆さんに喜んでいただきたいと思う。
青木 悠二#5
青木 悠二
同じ相手に何度も負けることが本当に嫌なので、シーガルズに勝つという気持ちだけでこれまで練習に取り組んできた。今は他の言葉が見当たらないくらいに、悔しいとしか言えない。相手は取るべき点を取り、我々は逆に取れる得点を取ることができなかった。それが実力の差なのだと思う。ディフェンスとしては、第4Qだけでタッチダウン2本は取られ過ぎなので、秋までに必ず修正したい。大声援に後押しされてどうしても勝ちたかったが、結果に繋げることができず大変申し訳なく思う。秋シーズンも、ご声援よろしくお願いします。
三木 慎也#14
三木 慎也
ここまで点差を付けられるとは想像もしていなかった。本当に悔しい。ディフェンスで流れを持って来ることができず、相手のペースで進められてしまったと思う。シーガルズは強かったが、自分たちが今以上に強くなれば勝負できるレベルだと感じる。秋に向けて、個人ではマンツーマンの能力や駆け引き、テクニックを磨きたい。また、チームでは一発でのタッチダウンを2回許してしまったので、それを全員で止められるようなディフェンスを作りたい。課題も見えたと思うので、夏はがむしゃらに練習をして、秋には絶対に日本一になります。
進士 祐介#28
進士 祐介
実力がそのまま結果に出た。完敗だったと思う。ランプレーなど、一対一の技量や個人の強さで大きな差があるとは思わなかったが、シチュエーション的に絶対に決めなければいけない場面で決めることができなかったり、全体で見ると負けてしまった。オフェンスとしては、もっと点は取れたと思う。プレーを広げるためにパスも使わないといけないが、それを失敗して逆に流れを止めてしまい、悪循環に陥っていた。実力は上がってきていると思うので、練習から一つ一つのプレーを大切にして、秋はシーガルズに勝って全勝で日本一を取りたい。
大橋 智明#88
大橋 智明
オフェンスは自滅した面があったので、それが無ければもっと良い試合ができたと思う。前半からもう少し点が取れると思っていたが、上手くいかなかった。ずっと練習をしてきたが、相手と違ってビッグプレーを取ることができなかった。コミュニケーションに大きな問題は無かったが、一人ひとりが及ばなかったと感じる。ミスも多かったので、これからの練習で基礎的なスキルを詰めたい。負けはしたが、圧倒されたとは思わない。秋はシーガルズと1stシリーズから対戦するので、まずそこで勝ち、さらに決勝で彼らを制して優勝したい。
強 盛#1
強 盛
我々はロングパスを落としたり、3rdDownで取れるところを取れなかった。そういったことが積み重なった結果、勝敗が分かれたと思う。実力の差がはっきり出た試合だった。組み立て方は自分たちのイメージと大きくずれてはいなかったが、最後の部分で決め切ることができなかったので、自滅してしまったという印象。相手は本当に勝負強かった。最後のワンプレーの差かもしれないが、追いつくまでは本当に厳しい道のりだと思う。ただ、それを突破しないことには日本一になれないので、夏は死に物狂いで練習し、秋は日本一を取りたい。
木村 篤允#94
木村 篤允
自分のプレーにもシーガルズに対しても、今は腹立たしく煮え切らない思い。点を取られることはわかっていたので、ディフェンスは我慢をしようとプレーをしてきたが、集中力が切れてしまったのか終盤一気に取られてしまった。自分のプレーも納得できるものではなかった。相手のセンターを止めることができなかったと思うし、まだまだ力不足を感じる。今日の試合を終え、チームプレーも大切だが個人個人の力が足りていないと感じるので、まずは一対一で勝てるよう、突き詰めて練習に取り組みたいと思う。秋は、絶対に日本一になります。