宮澤夕貴「新しいバスケットを構築し、試合を重ねながら良いチームになっていきたい」シーズン開幕直前インタビュー
――日本代表の遠征から帰国し、チームに合流して感じたことはありますか?
楽しいですね。すごくホーム感が強いというか、移籍して2年目ですが、温かさを感じています。バスケットをしていても楽しいですし、メンバーが変わって新鮮な気持ちもあります。
――今シーズンからキャプテンを務めますが、どんな姿勢を示したいですか
言葉でもプレーでも、両面で引っ張っていきたいなと思います。まずは、プレーや振る舞いでその姿勢を見せたいのが一番。富士通はコミュニケーション面も課題だと思っているので、たまに“あまり言いたくないような厳しいこと”も言わなければいけないなと感じています。
――加入2年目でのキャプテン就任ですが、周囲からそこまで信頼を得られたのは個人的にも嬉しいですか?
周りのファンや会社の方々から信頼をいただいくのも嬉しいですが、やはり同じチームで戦っているヘッドコーチやチームイトから信頼してもらえるのは特に嬉しいですね。
――昨シーズン、レッドウェーブは6年ぶりにWリーグ ファイナルまで勝ち進みました。宮澤選手にとってはどんなシーズンになりましたか。
悔しかったですね、優勝できると信じていたので。でも、すごく楽しかったです。最初はプレーが噛み合わず苦しい時もありましたが、リーグ終盤に入るにつれて、だんだんチームが出来上がっていったのを、自分自身でもすごく感じました。引退する選手もわかっていたので、もっとこのメンバーで多くの時間を過ごしたかった。だからこそ、最後は最高の形で終わりたかったのですが、勝ち切れなくて悔しかったです。
――宮澤選手自身、加入してからフィットするまで大変そうだったと聞きました
大変でしたね。優勝するためにチームに何が必要かわかっていたのですが、それを伝えるとなると、自分がプレーできていなかったら言葉にしても説得力がない。そんな中でも、言うべきことを言い続なければならないことが、結構大変でした。
――バスケットスタイルへの適応よりも、気持ちのジレンマの方がきつかったですか?
どちらかというと、そっちの方がきつかったですね。バスケットに適応するのは“慣れ”なので、時間が経つにつれてマッチしていくのは自分でも感じていました。しかし、自分自身が嚙み合っていない時でも、周りに対して言わなければならなかったのが苦しかったですね。
――でも、宮澤選手の気持ちやアドバイスはみんな受け入れてくれたと思います
引っ張ってくれたとか言葉で示してくれたとか、記事で見たりしますが、あまりそういう話は直接しないですね(笑)。でも、チームみんなで喋っていて「本当にアース(宮澤)がいてくれて良かった」など聞いた時には、良かったなと感じました。
――今シーズン、どういうチームにしていきたいと考えていますか?
メンバーが変わったので、新しいバスケットを構築しなければいけません。得点源だった選手はいなくなりましたが、ディフェンスから速い展開のバスケットは変わらず継続していくつもりです。今年は若手が育って頼もしく感じているので、彼女たちの活躍や成長を見たいですし、その力がなければ勝てないと思っています。
――チームとしての今シーズンの目標を教えてください
自分たちでも明確な目標を話し合っているところですが、個人的にはこのメンバーで優勝できるチームを作りたいと思っていて、ただ今のままではまだそれはできないかなと。なので、開幕の東京羽田戦からしっかりプレーして、試合を重ねながら良いチームになっていければと思っています。 また、今シーズンは得点を獲るために全員が積極的に攻めなければならないですし、ディフェンスとリバウンドも崩れてはいけないので、インサイドの負担は大きくなるなと思っています。
――宮澤選手自身、今シーズンの目指すプレーを教えてください
やはり得点の面で、点数を稼がなければいけないなと感じています。シュートもスリーポイントとゴール下が中心でしたが、フリースローライン付近からのミドルショットも増やしながら、得点を取っていけたらと思っています。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします
本当にいつも応援ありがとうございます。 先日のワールドカップで良い結果が出なかった時も、ファンの方々から前向きな言葉ばかりかけていただいて、また富士通で頑張りたいという気持ちになりました。応援してくださる方々に恩返しする意味でも頑張りたいので、これからも応援よろしくお願いします。新しい富士通のバスケットを見て、楽しんでもらえたら嬉しいです。