浦野雄平インタビュー/第104回日本陸上競技選手権大会

準備万端!スピードレースで力を出し切りたい

――現在のコンディションはいかがですか

予定していたメニューをこなしながら、順調に少し余裕を持ってできています。今季は多くの5000mのレースに出場し、ベースを上げることや、スピード強化中心に取り組んできました。それも日本選手権の10000mを視野に入れてのこと。「12月の日本選手権はスピードレースになる」と思っていたので、5000mのタイムを持っていれば余裕が出せると考えたんです。9月の全日本実業団選手権で自己記録を出すことができ順調にきていると実感しています。故障なく練習を継続できているのも大きいですね。チームでは、常にトレーナーがみてくれるので、自分の体の状況を把握しながら、その時々に応じた良い練習が出来ています。

――どんなレース展開をイメージしていますか?

レースを引っ張ると思われる海外の選手についていき、粘って粘って最後にスパートのイメージをしています。やっぱり、日本代表を狙うにはタイムと順位が必要ですから。このレースに向けて一年間練習してきたので、その成果を出したい。やるからには1番になりたいですね。いまは世界陸連のポイントが少なく、他の選手からは遅れている状況ですが、少ないチャンスをものにしたいと思っています。

――今年はクロスカントリーの日本選手権で優勝されています。

ひとつタイトルが獲れたというのは、自信になっています。その後のレースも堂々と走れるというか、メンタル面でも余裕が生まれているように感じます。これまでは格上の選手と一緒になると、1歩下がるというか、気後れすることがありましたが、タイトルを獲ったことで少し意識が変わりました。また「浦野はクロカンが強い」と周りから言われるような、自分のストロングポイントができたのも大きいです。

――チーム内には同じ10000mに出場する鈴木健吾選手がいます。意識はしますか?

強い選手がチーム内にいるのはすごく大きいですね。互いに高め合いながら、質の高い練習ができています。日頃から良い緊張感を持って取り組めています。同時に、「負けたくない」という思いも強くなっています。


――改めて日本選手権へ向けての意気込み、抱負をお聞かせください初の日本選手権です。

まずは元気な状態でスタートラインに立てるようにしたいですね。残り2週間、まだまだこれからハードワークを入れながらの調整が続きますが、とにかくベストコンディションで挑みたいと思っています。レースでの目標は、3位以内に入り、27分台のタイムを確実に出すことです。今年強化してきたスピードが、ラストに活かせれば、どちらも達成できると思っています。まずは先頭集団についていき、集団のリズムに乗って無駄な動きをしないようにするのが序盤のポイント。後半の勝負どころでは、状況次第で残り1000mだろうが、400m、200mでもスパートしたいと思っています。そうした状況に対応する練習も積んできているので、自分がどこまでできるのか楽しみにしています。

浦野 雄平
YUHEI URANO

1997年11月1日生まれ。富山県出身。
國學院大学を卒業し、富士通に入社。2019年の箱根駅伝では5区で区間賞と区間新記録、2020年の箱根駅伝では5区で区間3位、2020年日本選手権クロスカントリー 優勝。自身の自己記録は、5000m 13分30秒41、10000m 28分25秒45。