富士通陸上競技部 新体制の発表と川崎市移転について

2026年5月1日に富士通陸上競技部は、三代直樹を新監督として、新たなスタッフ体制となりましたことをお知らせします。また、同日、活動拠点をこれまでの千葉県千葉市から神奈川県川崎市に移転いたします。
富士通陸上競技部は三代直樹監督を中心にチーム一丸となって、さらに強いチーム作りに邁進していく所存です。今後も変わらぬご指導ご鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。
■ 2026年度 富士通陸上競技部スタッフ
役職
氏名
総監督
髙橋 健一(たかはし けんいち)
監督(兼長距離ブロック長)
三代 直樹(みしろ なおき)
事務局長
吉川 三男(よしかわ みつお)
事務局
高野 善輝(たかの よしてる)
事務局
土井 友里永(どい ゆりえ)
マネージャー
並木 大介(なみき だいすけ)
■長距離ブロック
長距離ブロック長
三代 直樹(みしろ なおき)
長距離ブロックコーチ
井野 洋(いの ひろし)
長距離ブロックコーチ
尾﨑 貴宏(おざき たかひろ)
長距離ブロックコーチ
兼エグゼクティブアドバイザー
福嶋 正(ふくしま ただし)
■競歩ブロック
競歩ブロック長
今村 文男(いまむら ふみお)
競歩ブロックコーチ
森岡 紘一朗(もりおか こういちろう)
■一般種目ブロック
一般種目ブロック長
髙平 慎士(たかひら しんじ)
一般種目ブロック長補佐
田野中 輔(たのなか たすく)

監督 兼 長距離ブロック長 三代 直樹 インタビュー
川崎に移転する今季、より求める“富士通らしさ” 


■アマチュアではあるが陸上競技に向かう姿勢はプロ

——2025年度シーズンまで務めた長距離ブロック長からこの春、監督に就任されました。陸上競技部全体を統括する立場となりましたが、どんなチームを目指しますか。
「多くの企業が陸上チームを持っていますが、駅伝、マラソンだけでなく、一般種目や競歩まで陸上競技のすべての種目に取り組んでいることが私たちの一番の特徴です。それぞれのブロックに分かれて活動するなかでも、1つのチームという意識を持ち、他種目の活躍から刺激を受け、相互リスペクトを自分の活力に変えていけるチームにしたいと考えています。また私たちはアマチュアではありますが、陸上競技に向かう姿勢はプロであるべきです。明るく楽しく競技に取り組みつつも、妥協なく自分自身を高め、戦う集団にしたいとも考えています」

——その2つのチーム作りのビジョン実現に対し、具体的にはどんな施策を考えていますか。
「今も陸上競技部全体として月に1回、オンラインミーティングをしていますが、全員が1カ所に集まってトレーニングする機会を1年に1回でもいいので作りたいと考えています。そこで対面のミーティングをしたり、同じチームの仲間の練習を間近で見たりすれば、コミュニケーションも深まり、チームへの帰属意識や一体感もより強くなるでしょう。また私自身、今後も引き続き、長距離ブロックの指導がメインにはなりますが、一般種目や競歩の選手の練習や大会の場に足を運ぶことも、監督として全体を統括するために必要だと考えています。一般種目の高平慎士ブロック長や競歩の今村文男ブロック長と連携しながら、ブロックの垣根を越えた交流をしていくつもりです。また選手はそれぞれに目標を立て、競技に取り組んでいます。しかしその目標をずっと意識し続けることは難しく、ときには取り組みに甘さが出ることもあります。そんなときに目標を思い出させ、そこへの向かい方をアドバイスしていくことで、選手の意識を維高いレベルで維持していければと考えています」

——髙橋健一前監督や福島正前総監督から引き継ぐべき部分はありますか? また三代直樹監督は立場が変わったことで、今後どのように指導のスタンスを変えていきますか。
「髙橋も福島もコミュニケーションを積極的に取る指導者でしたので、その部分は踏襲していきます。そして私自身はこれまで以上に選手との距離感を近づけていきます。選手との距離感をどのように取るかは、選手によって変わりますので、正解はありません。しかし私がこれまで以上に熱意や熱量を持って接していくことで、2つめのビジョンで示した競技へのプロ意識を徹底していくつもりです。そのためには私自身がアンテナを高く張って、最新の練習メソッドや世界のトレンドを学び、指導者として成長し続ける必要があります。そうした情報やスタンスを持つことで、選手とのコミュニケーションもより活性化するはずです」

——三代監督が考える“富士通らしさ”とはどんな点になりますか。またそれを今後、どのように伸長させていきますか。
「日本一になるだけで満足せず、世界で戦うことを目指しながら競技を行うところが、我々らしさであり、創部以来の伝統です。今の時点で、世界で戦うことが明確な目標となっている選手もいれば、まだそのレベルにない選手もいます。後者の選手たちにも一歩ずつ成長を図っていき、チーム全員がそうした目標が現実的なものになることを目指します。ですので、チームの底上げを進めることが、我々らしさにつながると考えています」

——2025年は東京で世界選手権が開催され、富士通からは7名が日本代表に選出されました。なかでも中島佑気ジョセフ選手は男子400m予選で日本記録を樹立し、決勝でも6位に入りました。「世界で戦う」という富士通のモットーを体現したのではないでしょうか。
「はい。どの種目でも世界のレベルは上がっていますが、それでも日本代表になることがゴールになってはいけません。世界の舞台に立ち、そこで自分の最高の力を発揮し、ラウンドを重ねて決勝で競い合うという姿を中島は東京の地で見せました。これはまさにFujitsu Sportsのモットーを体現するものであり、他の選手もその姿に大きな刺激を受けました。今後はこうした選手が1人でも多く出てくることを目指していきます」

■フロンティアーズやレッドウェーブと協働することで生まれるシナジー

——有望な新人選手も4名が入部しました。彼らに期待することは何でしょうか。
「数ある企業のなかから富士通を選んだのですから、やはり富士通らしく世界を目指してほしいですし、それができる選手たちです。どの選手も高い意識と志を持っていますので、入社時の初心を忘れず、ここで競技人生を完全燃焼してもらえたらと思います」

——今年度から陸上競技部は拠点を千葉市から川崎市に移しました。地域や社員とどのように関わっていきますか。
「強化3クラブのなかで、陸上競技部だけが、これまで千葉市に拠点を置いていましたが、今後はフロンティアーズやレッドウェーブと協働することで、Fujitsu Sportsとしてのシナジーを生むことができます。川崎市とはかわさきスポーツパートナーシップを結んでいますし、今後は様々な切り口で地域貢献ができることが楽しみです。そして陸上競技部単体としては富士通の名を冠にした大会イベントや、青少年育成のアカデミーなども将来的には実現したいです。また寮も本店Fujitsu Technology Park近くに移転しましたので、社員の皆さんと接する機会もより増していくことでしょう。個人的には陸上競技部のOB・OGにどんどん寮に来ていただき、競技を優先にするなかで取り組むべき事引退後の働き方などを選手に伝えてほしいと考えています」

——最後に2026年度シーズンの目標を教えて下さい。
今年は9月に愛知県名古屋市でアジア競技大会開催されます。『世界で戦う』というモットーを掲げている以上、私たちはここでも結果を求め、来年の世界選手権やその翌年にロサンゼルスで行われる大会へつなげていきますそのため、アジア競技大会には最低5名は代表に送り込み、メダルを争う姿を見せてほしいと考えています。またニューイヤー駅伝では5大会、優勝から遠ざかっています。私自身が長距離出身ですので、この優勝奪還は何としても実現したいところです。創部36年目を迎えた今季は、新しい体制と川崎への移転を契機に新たな気持ちを持ってより富士通らしさを発揮していきたいと考えています 

取材・文/加藤康博