2024年7月 退部選手のお知らせ・コメント(競歩ブロック)

2024年7月末日をもちまして、競歩ブロックの鈴木雄介が競技を引退し、退部することとなりました。在籍中は温かい声援をいただきありがとうございました。

引退・退社
鈴木 雄介(すずき ゆうすけ)

生年月日 1988年1月2日
出身地   石川県
出身校   順天堂大学

自己記録 
5000m競歩 18分37秒22 (日本歴代5位)
10000m競歩 38分10秒23 (日本歴代5位)
20km競歩 1時間16分36秒 (世界記録)
50km競歩 3時間39分07秒 (日本歴代3位)<
注)自己記録・日本記録は2024年7月5日現在の情報です。

主な戦績
2010年 アジア大会(広州)20km競歩 5位
2011年 世界選手権(テグ)20km競歩 4位
2012年 ロンドン2012オリンピック 20km競歩 日本代表
2013年 世界選手権(モスクワ)20km競歩 日本代表
2014年 アジア大会(仁川)20km競歩 2位
2015年 世界選手権(北京)20km競歩 日本代表
2019年 世界選手権(ドーハ)50km競歩 金メダル
2022年 世界選手権(オレゴン)50km競歩 辞退


鈴木雄介より、退部のご挨拶

このたび、富士通株式会社および富士通陸上競技部を退職・退部することといたしました。
次のキャリアに向けた準備期間が必要となったため、急なご報告となりました。

長年お世話になったチーム、会社を離れることはとても寂しく、いつまでも競技を続け、富士通陸上競技部に残りたいという気持ちも強くありました。一方で以前から、引退後は指導者になりたい、お世話になった陸上界や競歩界へ自分の経験を還元したいと考えており、2月の日本代表選考競技会にも出場できなかった現実を鑑み、引退して次の道に進むことを決意しました。

私は2010年に入社し今年で15年目となります。本当に長く競技をさせていただいたという思いとともに、富士通に入社できたこと、そして今村文男コーチ(競歩ブロック長)にご指導いただいたことは、競技人生の中で一番の幸運であったと感じています。私の入社時、競歩ブロックには森岡紘一朗さん(現競歩ブロックコーチ)、川﨑真裕美さん、大利久美さんなど日本を代表する方々が在籍しており、先輩方と練習することで、自分自身の競技力を各段に向上させることができました。その後も森岡さんに届くように、そして超えられるようにと背中を追いかけてきたことが、後年の飛躍につながったと考えています。

また、競歩ブロックはもちろんのこと、多くの種目で世界に活躍する選手がいる環境で、切磋琢磨しながら活動できたことは、とても刺激的で幸せな経験でした。世界大会では、競歩だけでなく他ブロックの先輩方ともご一緒することができ、とても心強かったことを今でも覚えています。

競技人生を振り返ると、国際大会も含め数多く出場し、どのレースにもそれぞれ思い出はありますが、やはり2015年の全日本競歩能美大会20km競歩で世界記録を樹立できたことと、2019年のドーハ世界陸上50km競歩で金メダルを獲得できたことに対しては深い思い入れがあります。特にドーハ世界陸上では、世界記録樹立後の故障により2年以上競技ができなかった期間があり、復帰に向けてご尽力いただいた方々、中でも大会に向けて練習や合宿でサポートをしてくださった高野善輝コーチ(現長距離ブロックコーチ)と多くの苦楽を共有し、そのうえで金メダルという最高の成績を収めることができたことが、数年経った今でも良い思い出として残っています。

一方で、良い思い出ばかりではなく、恥骨の故障やオーバートレーニング症候群といった長引く苦難の時期もあり、波乱万丈な競技人生だったとも思います。ただ、そんな状況でも、周りの方々からは「いつも応援しているから頑張って」というお言葉をいただき、大きな活力となりました。富士通社員の皆様や、地元の方々からのご支援・ご声援のお陰で、ここまで諦めずに、世界一になりたいという夢を追いかけることができたと思っています。そして、ずっと支えていただいた今村文男コーチをはじめ、スタッフの皆様には、感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。

できれば節目となるレースに出場し、引退のご報告をと考えておりましたが、そこまでの状態にはなく、このコメントをもって代えさせていただきます。今後は新潟アルビレックスランニングクラブに所属し、新たに競歩選手の育成・強化をスタートする新潟食料農業大学でコーチとして活動していく予定です。お世話になった方々へ直接お礼をお伝えする機会が持てず、申し訳ない気持ちもありますが、またどこかでお会いした際には、選手時代にいただいた多くのご支援を、次世代の選手に還元していく姿をお見せできればと思います。

長い間ご支援・ご声援をいただき本当にありがとうございました。

鈴木 雄介