【レッドウェーブの一員になったからには~#81宮下希保~】

アースさんとはバチバチやらせてもらっています

――移籍して数か月が経ちました。川崎での生活には慣れましたか?

宮下 だいぶん慣れましたけど、あまりにも暑くて、あまり出歩いていないんです。横浜に買い物に行ったことと、あとは美容院やネイルサロンに行くくらいで……オフの日は家でしっかり休んだり、近所のスーパーで買い出しをして、自炊をするくらいです。徐々にですが、生活の基盤はできてきています。

 

――本題です。新シーズン開幕に向けて、チームとしてもさまざまな取り組みをしていると思います。サマーキャンプ以降、チームとして、どのようなことをやってきたのか教えてください。

宮下 サマーキャンプではチームディフェンスが徹底できていないことが課題に挙げられていました。コミュニケーションを含め、チームの中で徹底すべきところをもう1度しっかり明確にしているところです。個人的にはレッドウェーブの攻守におけるルールを覚えることに必死です。頭には入っているのですが、試合が白熱してくると忘れてしまうところがまだまだあります。そうしたことがないよう、自分の中にしっかりと落とし込むことを課題としてやっています。

 

――手応えはいかがですか?

宮下 オリンピック組がチームに合流して、練習の空気がガラリと変わったんです。そのなかで焦りがまったくないと言えばウソになりますが、それでも自分の中でいろいろなことに挑戦させてもらっていて、すごく楽しいです。毎回の練習でミスをしたり、うまくいかないことがあると落ち込むのですが、それさえも楽しくやれています。

 

――練習では宮澤選手とマッチアップすることが多くて、バチバチやっているそうですね。

宮下 はい。私としてはアースさん(宮澤)と同じチームでプレーできることが本当に嬉しいんです。でも練習ではマッチアップになるので、そのときは強度を上げて対峙しないと、お互いの練習になりません。アースさんから学ぶところもたくさんありますけど、だからといって引くのは違うかなと思って、思い切りやらせてもらっています。

 

 

昨シーズンにはなかった流れをもたらしたい

――今シーズンからWリーグは2部制になります。昨シーズンの上位8チームによる「Wリーグ・プレミア」でプレーするなかで、チームはWリーグの連覇と皇后杯の優勝を目標に掲げていますが、その実現のためには何が必要になってくると考えますか?

宮下 やはり気持ちが一番大事だなと思っています。もちろん戦術も大事ですが、やはり最後は細かいところ、たとえばリバウンドやルーズボールを取り切ったチームが勝つと思っています。それらに対して気持ちを出せるか。それとシーズンに入れば、レッドウェーブも他のチームに対策されると思うんです。そのときに私が昨シーズンのレッドウェーブにはなかった動きをするプレーヤーとして、流れを変えられるような選手になれれば、チームとしてもプレーの選択肢が増えるかなと思っています。みんなと息を合わせながら、コンビネーションが高まれば、2冠を達成できると思うので、今はそれを目指しています。

 

――目標達成ために宮下選手が今シーズン、取り組んでいることはありますか?

宮下 これまではスクリーンをかけて、ディフェンスとの間にずれを作ることが自分の中でも強みだったんです。でも今シーズンはそれにプラスして、自分がボール持っている状態、つまり1対1から何らかのアクションを起こす個人技に挑戦するようにしています。

 

――そちらの手応えはいかがですか?

宮下 まだまだですね。スクリーンからずれを作ることが好きなので、つい人を探してしまうんです。コーチ陣からもよく「フェイスアップして」と言われるし、「ドライブ」と言われなければ反応できないなど、まだまだリングを見ることが体に染みついていません。とりあえずリングを見ることを今は大事にしています。

 

――フェイスアップはバスケットの基本でもあるけど、チームバスケットに意識を向けすぎると、つい忘れてしまうところがありますよね。

宮下 そうなんです。レッドウェーブのバスケットは流れるようなバスケットだと感じているのですが、そのなかにもチームのルールがあって、それを自分の中で本当に落とし込もうと意識しすぎると、自分の目の前のプレーを忘れてしまいがちです。流れるチームプレーの中で自分のプレーを出すことは難しいと感じますが、しっかりと習得して、シーズンを戦いたいと思います。

 

 

目標達成にむけて、日々を無駄なく積み重ねていく

――では移籍1年目の宮下選手の今シーズンの意気込みを聞かせてください。

宮下 年齢もそれほど若くないですし、以前の2チームで経験していることも多々あるので、下の子たちに伝えるべきことを伝えていかなければいけない立場でもあると思っています。そのうえでチームの掲げている「2冠達成」を意識して、ひとつの練習も、ひとつの試合も無駄にすることなく、新しいシーズンに向けてやっていきたいと思っています。

 

――最後にレッドウェーブファンのみなさんにも一言お願いします。レッドウェーブファンのみなさんは熱狂的なんです。

宮下 めちゃくちゃ、わかります。レッドウェーブの選手たちは本当に楽しそうにバスケットをやっていますし、オフコートもみんなが仲良くて、楽しくて、明るい雰囲気なので、ファンの方もそこに元気をもらえているのではないかと思うんです。試合でのプレーもそうですが、選手それぞれの人柄にも惹かれて、そういう熱狂的なファンがついてくれていると思うので、私もレッドウェーブの一員になったからには、試合でのプレーもそうですけど、明るく、楽しく、富士通レッドウェーブに馴染めるように頑張っていきたいと思っています。チームへの温かいご声援を引き続きお願いしつつ、今シーズンからお世話になります宮下希保への温かいご声援もよろしくお願いいたします。