新加入選手インタビュー
#7 林咲希 SG

「キキが移籍してくれてよかった」といってもらえるように 

 

――まずは自己紹介からお願いします。 

 ENEOSサンフラワーズから移籍してきました林咲希です。コートネームはキキです。キキは大学のときに先輩がつけてくれたものですが、実は「林」という名字は「木が2つ並んでいるから」という理由でついたんですよ(笑)。ただENEOSに入ったときに、それではさすがに安直すぎるだろうということで、「“危機”を救う選手になる」というコートネームの由来に自分で変えました(笑)。もちろん名付け親の先輩にも伝えています。 

 

 

――プレーヤーとしての強みは何ですか? 

 プレー面でいうと、3ポイントシュートはもちろんですが、カッティングや、ファストブレイクの走り出しは得意にしています。そうした細かい部分を徹底してやることで、いいプレーが出せているのだと信じています。また泥臭いことも得意で、周りの選手がつい見落としがちなところをしっかりやることで自分の良さを出すイメージです。 また、何事もポジティブに考えるタイプなので、声を出すことなどで周りにプラスの影響を与える存在ではあるかなと自負しています。もちろん自分がうまくいっていないときは気持ちが沈むこともありますが、そこまで大きな波はなくて、近年は特に安定した状態でいられていると思います。 

 

――林選手といえば女子日本代表でもキャプテンを務めるなど、今の女子バスケット界のリーダーのひとりです。なぜレッドウェーブに移籍することになったのか、経緯を教えてください。 

 実のところ、昨シーズンを戦っているときには移籍するとは考えていませんでした。昨シーズンのファイナルが終わって、5日後ぐらいに次のシーズンのことを考え始めたんです。そこで、これまでのことを振り返ったとき、昨シーズンはケガもあって、バスケット選手としても、人間としても、あまり成長できなかったと感じました。でもチームとしては優勝という結果を出すことができた。その「優勝はしたけど、私自身が成長できなかった」ことがすごく悔しくて。6年間を振り返ったときに、多くの人に支えられて最後は優勝を取り返したけど、この先どのように成長していこうかと考えたとき、このまま同じ環境で、同じ刺激を受けてプレーするよりは、環境を変えて、新しいバスケットに挑戦して、新しいことを吸収したいと思って移籍を考え始めました。 後輩たちのことを考えるとすごく迷いましたが、自分のことを考えたときに、1年後に自分がどこまで動けているかわからないし、そうなればWリーグの強豪チームに移籍することはできないかもしれないと。そうした経緯の元、今年しかないと思って移籍リストを出したら、いくつかのチームから声がかかって、自分のプレースタイルに合うレッドウェーブに決めました。プレースタイルだけでなく、優勝を狙っているチームで今の自分ができることをしっかり出し切って、人間性を含めて、私がこれまで学んだことをしっかりと若い選手たちにも伝えていきたいと思い決断しました。 なのでめちゃくちゃ急だったんです(笑)。引っ越しも全然考えていなかったし、女子日本代表の合宿もあったから、家財道具一式を部屋に投げ入れて……代表活動が落ち着いた今、片づけをしている最中です。 

 

――ルイ(町田瑠唯)やアース(宮澤夕貴)とは2021に開催した世界大会日本代表として戦った時のチームメイトです。 

 早く2人と一緒にプレーしたいですね。実際に試合をやってみないと、レッドウェーブでどのようなコンビネーションを見せられるかわかりませんから。お互いのプレースタイルについてはわかっていますが、当時は海外の選手を相手にやっていたので、私がノーマークになるシーンがあったのかなと思っているんです。ファンのみなさんもそれを期待していると思うんですけど、Wリーグのチームは絶対に私の3ポイントシュートを止めてくる。そのときに私は裏を突く動きをしたいし、ルイさんならそこにパスも出してくれるはずです。あの大会のときとは異なる連携を見せられたらいいなと思っています。 

 

――移籍1年目のシーズンはけっして簡単ではないと思います。 

 そう思います。昨シーズン、ENEOSに長岡(萌映子)選手が移籍して来てくれたときに、誰かの穴を埋めるというよりも、長岡選手のプレーをいい形で出してくれていました。私も3ポイントシュートやカッティングなど、自分が得意とするプレーをしっかり出していきたいと思っています。しかし今はまだレッドウェーブのプレースタイルをしっかり理解できている状況ではないので、チームのバスケットを理解しながら、自分のプレースタイルをどのように出していくか、しっかり考えていきたいと思います。 でもまずは怪我をしないこと。焦って、すべてをやろうとするのではなく、客観的に見て、今ここが足りないとか、今こうした方がいいなという的確なアドバイスができたらいいなと思っていますし、もちろん試合に出たら自分のエネルギーをしっかり出しきりたいなと思っています。 

 

――最後のレッドウェーブファンおよび富士通関係者へのメッセ―ジをお願いします。 

 移籍してきて、会社にもすぐご挨拶に伺いました。会社の方々と関わる頻度がすごく多いので、もっともっと関わりを増やして、バスケットの面白さを伝えていきたいなと思っています。もちろん会場にもレッドウェーブファンの方々はとてもたくさん来てくださるので、ファンのみなさんも喜ばせたいですし、「キキが移籍してくれてよかった」といってもらえるような、私自身のプレーはもちろんのこと、チーム作りにもいい影響を与えていきたいです。いつもポジティブでいる私を見てほしいなと思いますし、「レッドウェーブって前にも増して、いいチームになったな」と思ってもらえるようなシーズンにしていきたいと思いますので、たくさん応援してくれたら嬉しいです。頑張ります!