内尾聡菜「このメンバーでオータムカップを戦い抜けたことに意味がある」シーズン開幕直前インタビュー

――シーズン開幕が数週間後に控えています。率直な心境を教えてください

チームとしては、WNBAに参戦していたルイさん(町田瑠唯)、日本代表に参加していたアースさん(宮澤夕貴)が10月頭に合流し、これから開幕に向けてメンバー全員で仕上げていく段階です。ルイさんが帰ってくると、1~2テンポバスケットが速くなるので、私ももっと走って、トランジション(攻守の切り替え)の速いバスケットを展開したいです。

 

――チーム内でもベテランと呼ばれる存在になりました。プレシーズンでも何か変化がありましたか。

実年齢では下から3番目ですが、チーム在籍年数で見ると2番目に長くなりました。大きな変化としては、副キャプテンになったことですね。高校生のときに一度経験はあるのですが、富士通に来てからは初めてです。

 

――副キャプテンとしての理想像、お手本にしたいロールモデルなどありますか?

参考にしたのは、やはり昨シーズン副キャプテンを務めていたシィさん(篠崎澪)です。先輩方が引退してから、私が率先してチームを引っ張っていかなければならないと、痛感しています。そんな時に、自分が大変な状況でも声を出してチームを支えてくれていた、シィさんの偉大さを思い出しますね。私も、自分ができることを精一杯やって、チームに貢献したいと思っています。

 

――副キャプテンになって、BTテーブスHCと話す機会も増えましたか?立場が変わって、話の内容に変化はありましたか?

「今日の試合はどうだった」「私はこう考えています」とか、そんな話をするようになりました。今までしていなかったような会話も増えて、自分ももっと考えてプレーしなければならないと思っています。

 

――プレシーズン中は主力が数人抜けた状態でしたが、どんな想いで過ごしましたか。

初めはとにかく負けられないというか、「チームをまとめなければいけない」「富士通のバスケットをやらなければいけない」という想いでいっぱいでした。時には、選手一人ひとりの考えを一つにするにはどうしたらよいのか、考え込むこともありましたね。でも、周りとたくさん話し合った結果、“今の自分たちにできることをやろう”と気持ちを切り替えられました。メンバーが変わったら、バスケットも変わる。今までのメンバーと現在のメンバーでバスケットが違うのは、いわば当然。その違いを受け入れて、「今のメンバーだからこそできること」を考えはじめたら、自然とうまくいくようになりました。

 

――そういう風に考え方が変わったきっかけは、何だったのでしょう。

昨シーズンと今シーズンのビデオを見比べて細かい部分を確認したのもありますが、一番大きいのは、コミュニケーションが増えたことですかね。自分からも、話し合いの場を積極的に設けたのが、良かったのかなと思います。

 

――努力の甲斐もあって、「Wリーグオータムカップ2022 in高崎」では無事優勝を飾りました。自分ではどう評価していますか?

このメンバーで勝てたことに、意味があったと思います。このメンバーで、3試合戦い抜けたことが大きかった。各々が不安など、いろいろな想いを抱える中での大会だったので、優勝できたことは素直に嬉しかったです。開幕に向けて、良い準備ができたと思っています。

 

――同時に、足りない部分も見えてきたかと思います。

特に2回戦のアイシン戦で感じましたね。富士通の強みはディフェンスからのブレイク。それなのに、ディフェンスがボロボロで…。一度崩れたときに立て直せなかったのは、大きな反省点だと受け止めています。

 

――今シーズンも目標はまずファイナル進出になると思いますが、そのためにチームに必要なことは何でしょう。

主軸となる得点源。あとは精神的支柱になれる人物、ですかね。今みんなができること、プラスアルファ、各々で成長すべき課題があるかなと思います。個人としては、引き続きディフェンスの部分でチームに貢献しつつ、得点にも絡める存在になりたいです。コンタクトを強くして、どんな選手でも守れるように、強化していきたいと思います。

 

――最後に、意気込みとファンの方へのメッセージをお願いします。

いつも暖かいご声援ありがとうございます。昨シーズンに引き続き、まずはファイナルに進出できるようにチーム一丸となって頑張っていきます。ファンのみなさんの前でプレーする日がとても待ち遠しいです。会場でお会いできる日を、お待ちしています!