町田瑠唯 2019-2020シーズン終了インタビュー

町田瑠唯 2019-2020シーズン終了インタビュー
「今はできることを前向きに、精一杯やるだけ」

—新型コロナウィルスの世界的な感染拡大でシーズンが途中で終わりました。そのことを率直にどう思っていますか?

率直に言って、とても残念な気持ちです。もちろん新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を考えれば仕方のないことだと理解しています。それでも最後まで戦い抜きたかったし、それを楽しみにしてくださっていたファンのみなさんにも申し訳ない思いがあります。

—そのような形で終わってしまった今シーズンですが、振り返ってどんな印象をお持ちですか?

開幕戦でJX-ENEOSサンフラワーズに勝って、良いスタートが切れました。チームも昨シーズンよりもいい状態に仕上がっていただけに、本当にもったいなかったなと感じています。途中、国際大会の世界最終予選のアジア予選がおこなわれたことでリーグが中断し、そこで気の緩みが出てしまい、皇后杯セカンドラウンドでの敗退につながったのは本当に悔しいです。ただそれさえもプラスに捉えて、その負けを今シーズンの底と考え、気持ちを引き締め直して、シーズンの後半およびプレーオフを戦うための発奮材料にしようと考えていました。

 

—全体を通してみれば、チームディフェンスを中心に内容的にレベルアップしました。

はい、レッドウェーブのベースともいうべきディフェンスで大きく崩れなかったことが今シーズンの手応えです。課題と言われていたリバウンドやルーズボールも少しは改善できたのではないかと感じています。もちろんリーグで優勝するためにはまだまだ全然足りないし、シーズン中もそこを相手に突かれてしまうと自分たちの強みを発揮できないなど課題は残りましたが、みんなでそれを改めて明確に感じ取ることができたと思います。
一方でシーズン後半に入って、チームの3ポイントシュートの確率が落ちたことは新たな課題といえます。精度を上げるのはもちろんですが、入らないときにどういうオフェンスを展開すべきか、またディフェンスでいかに我慢するかが、来シーズンの課題になると思います。

 

—個人的には3年連続4度目のアシスト王に輝き、リーグが選ぶベスト5にも選出されました。

アシスト王については本当にうれしいのですが、毎年言っているように、アシストは自分の力だけで取れるものではありません。周りのチームメイトがしっかりと動いてくれて、スクリーンをかけてくれて、シュートを決めてくれる。だからアシストの記録がつくんです。みんなに感謝しかありません。ベスト5についても、私が受賞していいんだろうか? という気持ちはあります。それでも関係者の方々が選んでくれたことは素直にうれしいですし、期待してくださっているのだと思うので、足りないところだらけですが、期待に応えるためにもしっかりレベルアップしていきたいと、受賞して改めて気の引き締まる思いです。

 

—このシーズンオフに5人の選手が退団しました。2人の新人が加わりましたが、来シーズンを今、どう展望しますか?

これまでチームを引っ張ってくれていたウィル(山本千夏)さんとリー(篠原恵)さんが抜けたことでチームは大きく変わると思います。ただ私とシィ(篠崎澪)さん、リツ(内野智香英)の3人で引っ張っていくことで、若い選手たちも自覚や責任をもってくれると信じています。
新人の2人もWリーグの経験こそありませんが、大学で多くの経験を積んできている選手ですし、期待したいです。そうした若い選手がのびのびプレーできるよう、来シーズンは雰囲気作りをしっかり考えたいと思っています。私自身も変わらなければいけませんが、中堅、特に試合に出ている若い選手たちが積極的に発言できるような雰囲気を作りたいです。いつでも、だれでも、何でも話せる雰囲気を作って、みんなで様々な意見を出し合って、それをチームで共有していきたいです。

 

—町田選手自身は今、どのように過ごしているのですか?

もっぱら外を走って、チューブを使ったトレーニングをおこなっています。ボールを使った練習はドリブルくらいで、シュートは打てていないので、正直に言えば焦りはあります。オフシーズンこそが自分をレベルアップさせる期間だと考えているので。ただ、それでも今は自分にできることを前向きに、精一杯やるだけだと思っています。

 

—では最後に今シーズンもレッドウェーブを応援してくださったファンおよび富士通社員、関係者のみなさんへメッセージをお願いします。

いつもレッドウェーブを応援してくださってありがとうございます。今シーズンは新型コロナウィルスの影響でみなさんと最後まで一緒に戦えなかったことが何よりも残念で、悔しいです。現状を見れば、来シーズンがどのような形になるか、私たちにもまだわかりません。それでもレッドウェーブの目標は変わりません。チームとしても、私個人としてももっとレベルアップして、みなさんとまた一緒に頂点を目指したいと思います。来シーズンも全国各地の会場で、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。今シーズンも応援ありがとうございました。来シーズンも一緒に戦いましょう! これからもレッドウェーブをよろしくお願いいたします。みなさん、お体には十分気を付けてください。

 

 

町田 瑠唯(まちだ るい)

北海道旭川市出身、1993年3月8日生まれ。コートネームはルイ、ポジションはガード。8歳からバスケットボールを始める。札幌山の手高校時代にはキャプテンを務め、高校三冠の大きな原動力となる。162センチと小柄ながら、世界レベルでも通用するスピードと得点力の高さが武器。卓越したゲームメイク能力と、無尽蔵のスタミナでコートを走り回る。