【優勝キャプテンが思い描く新シーズン~#52宮澤夕貴~】

2部制に移行し、全員のステップアップが必要になる

――まずはオフシーズンにパリで開催された国際大会について聞かせてください。宮澤選手にとっては3度目の出場でしたが、いかがでしたか?

宮澤 とてもいい経験になりました。うまくいかないところもありましたが、そういうときにどのように頑張るのか、どのようにして殻を破るかといった“もがく”経験ができたことはよかったと思います。また恩塚亨ヘッドコーチのバスケットがすごく勉強になって、私自身のこれからのバスケット人生にとっても、いい経験になりました。

 

――帰国後、オフはあったのですか?

宮澤 ありました。ただ私は8月21日からレッドウェーブの一部の練習に合流することにしたので、結局のところ体を動かしながらのオフになりましたけど。それでもハワイに行くことができて、そこでリフレッシュをしてきました。

 

――昨シーズンのレッドウェーブは16年ぶりにリーグ優勝を果たしたわけですが、新しいシーズンに向けて、チームはどのようなことを取り組んでいるのでしょうか?

宮澤 今シーズンからWリーグが2部制になります。それを考えたときに、全員のよりステップアップが必要になります。今はそこに力を入れているところです。チームとしてやることは大きく変わりません。ディフェンスは固めつつ、チームとしても、個としても、昨シーズンよりもステップアップをしようと努力しているところです。

 

――2部制の上位リーグ「Wリーグ・プレミア」に入ったことでの難しさをどのようなものだと考えていますか?

宮澤 これまでのレッドウェーブは、どちらかといえば、一定の選手が長くコートに立つことが多かったように思います。しかし「Wリーグ・プレミア」で高いレベルの試合が毎週のように続く中で、これまでと同じような戦い方をすると怪我のリスクも高まります。みんなが常に交代できて、それでいてチームとしてのパフォーマンスを落とさないことがチーム的な強さだと思うので、そういう意味でみんながステップアップしなければいけないです。そういったチームになれれば、昨シーズン以上に強くて、いいチームになれるのかなと思っています。

 

 

短期決戦を制するには何よりも気持ちが大事になる

――チームとして目指すべきところはWリーグの連覇と、皇后杯での優勝でしょうか?

宮澤 はい、Wリーグと皇后杯との2冠です。ただ、直近の目標としては皇后杯での優勝を掲げていて、そこにフォーカスしています。

 

――皇后杯は近年、悔しい思いをし続けている大会です。前所属チームでもその優勝を経験している宮澤選手は、皇后杯優勝を達成するためのカギは何だと考えますか?

宮澤 やはり気持ちの部分です。皇后杯は短期決戦のトーナメント形式なので、気持ちの面は非常に大きな要素になります。一発勝負で何が起こるかわからないという試合の中でパフォーマンスを発揮しなければいけないので、だからこそ緊張感のある日々の練習もそうですし、一つひとつのプレーにもこだわらなければいけません。ただその点についてはBTテーブスヘッドコーチも、今の時点で選手たちに話してくれています。

 

――同じポジションになるのか、宮下希保選手が移籍加入してきました。彼女はいかがですか?

宮澤 キホ(宮下)はいいですね。めちゃくちゃいい。本当にありがたい存在だし、チームにとってとても大きな補強です。しかも、すでにレッドウェーブっぽい動きをしていて、チームにマッチしています。もちろん完全に慣れているわけではなく、どこか迷いながらプレーしているところもあります。そこは練習でマッチアップしている私が、「今のところはもうちょっと自分が攻める意識を持ったほうがいいよ」などと、気づいたところを話しています。シーズン開幕に向けて、どんどん吸収してほしいなって思います。

 

よりよい判断をして、チームとしてのベストを追い求めたい

――宮澤選手自身は今シーズン、どんなことに取り組もうとしていますか?

宮澤 今シーズンから新たに、というよりも、昨シーズンの延長線上というか、昨シーズンよりレベルアップしたいから、昨シーズンと同じことをしつつ、そのパフォーマンスをステップアップさせるためにスキル練習に取り組んでいます。ディフェンス練習も継続しています。

 

――昨シーズンは3ポイントシュート以外、たとえばポストアップからの攻撃や、リバウンドでも大きく貢献しました。今シーズンもそうしたオールラウンドなプレーでスキルアップを目指しているわけですね。

宮澤 はい。ただ昨シーズンの終盤は判断の悪い場面があったので、オフェンスの引き出しが増えたからこそ、そこでの判断をよりよくしたいとは思っています。自分がシュートを打つべきなのか、パスなのか、ドライブなのか――それらを瞬時に判断して、チームとして何がベストなのかを追求していきたいです。

 

――最後に今シーズンへの意気込み、キャプテンとしての意気込みを教えてください。

宮澤 今シーズンはWリーグの2連覇と皇后杯との2冠を目指しているので、昨シーズン以上の強い気持ちを私自身が持たなければいけないし、持つべきだと思っています。そのうえでチームを引っ張っていくことを第一に考えながら、これまで以上に楽しんでプレーしたいと思っています。ファンのみなさんとは今シーズンも一緒に高みを目指していきたいと思うので、引き続き、温かいご声援をよろしくお願いいたします。