潰滝大記 インタビュー/第62回 東日本実業団対抗駅伝競走大会
【東日本実業団対抗駅伝競走大会】潰滝大記インタビューコラム
スピードを活かして、チームに貢献する走りがしたい
――現在のコンディションはいかがですか。
全日本実業団対抗陸上の時よりは、状態は上がってきています。合宿の疲労も抜け、質の高い練習ができていて、練習で外したところもありません。調整が順調にきています。
――7月のホクレン・ディスタンスで、10000mの自己記録を更新されています。今季、ここまでを振り返って、どんな年でしたか。
去年は怪我もあって試合数が少なかったので、質の高い走りをすること、レース勘を取り戻すことを念頭に、今季はいろいろな種目に出場しました。レースを重ねていくうちに、しっかりと追い込むことができてきて、良い循環になってきました。特にREADY STEADY TOKYOあたりからはペースを落とさずに走れるようになってきて、それまでよりも楽にスピードが出せるようになりました。10000mの練習はしていませんでしたが、思ったよりも走れたのが7月のホクレン・ディスタンス。いろいろ挑戦した結果が自己記録更新につながったと思っています。
――具体的に変えたことはありますか。
結果的にですが、肩甲骨のストレッチを取り入れたことで、腕の振りが変わりスピードが出せるようになったというのはありますね。以前は肩を揺らすように腕を振っていましたが、いまは肩甲骨が動くので腕を引くことができています。すぐに硬くなるので、ストレッチは継続的に取り組んでいくつもりです。
――昨年は、東日本実業団駅伝とニューイヤー駅伝、ともにメンバーから外れました。どんな気持ちでしたか?
その時のベストメンバーを考えれば、私がメンバーから外れるのは仕方がない、自分には力がないと受け入れていました。怪我をして走れない時期もあったので、私がメンバーを決めろと言われても同じ結果になっていたと思います。「来年はここに加わりたい」、優勝するチームメイトを見て感じた率直な想いです。
――昨年同様、周回コースでの開催です。コースについての印象は?
コースがわかりやすいので、個人的には周回コースは好きですね。カーブがきついのも3000mSCの経験が活き、有利かもしれません。勝負どころ、駆け引きがしやすいのは2つあるアップダウン。自分の持ち味が発揮できるのは、8.4キロの区間。スピードを活かして、チームに貢献する走りがしたいです。
――優勝するために大事だと思うことは?
メンバー全員が100%の力を出せれば、自ずとそこが見えてくると思います。そのために、私は練習の時から本番以上に緊張感を持って取り組むようにしています。調整してベストな状態で挑むレース本番より、疲れている中で不安が大きい練習時の方が「上手くいかなかったらどうしよう」と緊張感は高まります。そういった練習を重ねていくうちに、自信が付き、本番で力が発揮しやすくなると思っています。
――改めて東日本実業団駅伝への意気込みとファンの皆様へメッセージをお願いします。
チームの総合力が問われる駅伝は、団体戦としての面白さがあります。時には一気に逆転することもある目の離せないレース。思い入れのある選手に注目してもいいし、贔屓のチームを応援してもいい、楽しんで見てほしいです。昨年は走ることができませんでしたが、今年は少しでもチームに貢献する走りがしたい。任された区間を全力で駆け抜けたいです。
潰滝 大記
HIRONORI TSUETAKI
1993年5月8日生まれ。和歌山県出身。
中央学院大学を卒業し、富士通に入社。2016年 全日本実業団選手権3000mSC 優勝、2017年 世界陸上(ロンドン)日本代表。自身の自己記録は 3000mSC 8分25秒49、5000m 13分39秒00、10000m 28分11秒09。