髙橋健一駅伝監督 インタビュー/第62回 東日本実業団対抗駅伝競走大会

【東日本実業団対抗駅伝競走大会】髙橋健一駅伝監督インタビューコラム
スピードのある選手が多く、周回コースはアドバンテージになる!

――現在のチームの仕上がりはいかがですか。

悪くはありませんが、ベストかと言われれば、まだ足りません。チームとしては80%くらいだと思っています。今季は夏に国際大会東京2020オリンピックがあり、出場した選手は難しい調整を強いられています。またエントリーには入れましたが、シカゴマラソンを走ったばかりの鈴木健吾も出場は難しいと思っています。

――もうメンバーは決まりましたか。

大枠は決まっていますが、まだ最終決定ではありません。直近の記録会でも思ったようなタイムが出せていない選手もおり、ギリギリまで選手の状態をみて決めたいと思っています。一方で、順調にきている選手も多く、昨年の優勝メンバーがかけても遜色ないチーム力を出せると思っています。力を持った選手は揃っているので、その力を本番で発揮できるかどうか、これからの時間の過ごし方が大切になります。

――今大会で期待している選手は?

横手と潰滝、6年目の同期の2人です。
横手は2020年シーズンから長距離ブロックのキャプテンを務めていますが、怪我の影響で昨年はメンバーにも入れていませんでした。今年の夏合宿では今までにないくらいの練習をこなし、「今年こそ」という気持ちが伝わってきます。全日本実業団対抗陸上では、合宿の疲れが残っていて思うような記録が出せませんでしたが、ロードで力を発揮するタイプ。今年はやってくれると思っています。
潰滝は昨年の東日本とニューイヤー、2つの駅伝でメンバーには入っていましたが、走れていません。今季は3000mSCで日本代表選手として国際大会の出場は叶いませんでしたが、10000mで自己記録を更新。もう少しで27分台というところまで迫っています。同期の松枝、またチームのメンバーにも負けたくないという強い気持ちがうかがえます。経験を積んだ元気な2人に期待しています。

ロードで力を発揮するタイプの横手選手

10000mで自己記録を更新した潰滝選手

――昨年同様、大会は周回コースで行われます。ポイントはどの辺りでしょうか。

1周回ってくるうちに、大きな上り下りが2つあります。駆け引きがあるなら、そこがポイントになると思っています。チームにはスピードのある選手が多く、8.4キロと距離の短い区間が4つあるのは、アドバンテージ。スタートから先頭に食らいつき、3区まで上手くつなげれば上位が狙えると思っています。

――連覇を目指すシーズン。どんな取り組みをしてきましたか。

優勝した2020シーズンをなぞるように、大きく変えたことはありません。コロナ禍となった2020シーズンは、練習や合宿の形態を変えざるを得ない状況でした。それまでは、朝練をして出社し午後から練習がルーティンでしたが、今は朝練習に集合しない日も作り、より選手の自主性に任せた形を取っています。長い目で見れば接点が少なくなっているのが不安材料ですが、今は結果が出ているので効率のいい練習ができていると考えています。

――最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

中村匠吾をはじめ、昨年の優勝メンバーの何人かは出場できませんが、総合力では同等のチームだと思っています。昨年同様の周回コースは、スピードのある選手の多い我々には有利になる部分も少なくないでしょう。チーム一丸となって上位フィニッシュを目指して頑張りたい。その先には、もちろんニューイヤー駅伝の連覇も見据えています。大きな目標を実現するために、しっかりと準備していきたいです。

 


髙橋 健一
KENICHI TAKAHASHI

1973年1月16日生まれ。秋田県出身。
世界陸上選手権エドモントン大会男子マラソン日本代表
ハーフマラソン元日本記録保持者で2001年第22回東京国際マラソン優勝者