坂東悠汰 インタビュー/第105回日本陸上競技選手権大会

【日本陸上競技選手権大会】坂東悠汰インタビューコラム
「連覇を目指して力を出し切ります」

――いよいよ日本選手権が迫ってきました。今はどんな気持ちですか。

5月のREADY STEADY TOKYOでは、準備不足で力を出し切ることができませんでした。ただ、怪我をして十分な練習ができていない中、今の自分の状況は把握できました。日本選手権へ向けて、しっかりと勝負できるような状態に上げていきたい。自分でも「どれくらい走れるか」期待が持てるようにしていきたいです。

――現在のコンディションはいかがですか。

良い時の状態に、だいぶ戻ってきています。練習では、これまでよりも速い設定タイムをクリアしているので、残りの時間もこの調子で取り組みたいです。昨年12月の日本選手権では、最高のパフォーマンスが出せました。同じ5000mに出場する選手と切磋琢磨しながら、そこに近づけたいと思っています。

――日本選手権に向けて取り組んできたことはありますか?

世界的にも、また国内の選手を見ても5000mの競技レベルが上がっていると肌で感じています。ですから、今までよりも速いペースを想定した練習を行っています。練習を重ねる中で、自分にも力がついていることを実感。最終的な目標は「日本記録の更新」で、そこに向けて少しずつ近づけるように取り組んでいます。

――レースでポイントになりそうなことは?

ペースに上手く乗って、中盤までに余裕を持って、良いポジションで行けるかどうかが重要だと思っています。ラスト勝負になれば、自分の力は劣っているとは思いません、どうやってそこにつなげるかがポイントです。3000m、4000m走って、どんなポジションで、どれだけ力を残せているか。ラスト勝負になれば、気持ちも大切です。特にラスト一周、残り400mには自信があります。同じようにラストを得意としている選手もいるので、そこで良いポジションにいること。具体的には先頭か、先頭のピタリ後ろにつけているのが理想です。

ディフェンディングチャンピオンとして迎える日本選手権に、プレッシャーはありますか?

自分ではあまり考えていませんが、周りからはそう見られるので、今までとは少し違った日本選手権になるかもしれません。こればっかりは当日になってみないとわからないのですが、今までのスタイルを崩すことなく、自分の走りをすることに集中したいです。


――大会の先には日本代表があり、周囲からはその期待も大きいです。

学生時代から「トラック種目で日本代表になりたい」と思っていたので、今回だけじゃなく、この先もその力をつけていたいと思っています。高校時代からトラック種目には魅了されてきました。スピード感やラストの競り合い、序盤から中盤はポジションの取り合いなど、自分が走るのも世界のトップ選手の走る姿を見るのも好きな種目です。その舞台に立って世界の選手と戦ってみたいですね。

――改めて日本選手権への意気込み、ファンへのメッセージをお願いします。

目標は優勝です。出場する選手全員が照準をあわせてくるこの大会で、しっかりと勝ち切るところをお見せしたいです。そして優勝すればタイムもついてくると思っています。序盤から積極的に、前に出てレースをしたい。昨年12月の日本選手権のようなハイペースのレースは、足が詰まったり、踏まれたりすることがないので好きな展開。連覇を目指して力を出し切ります。

坂東 悠汰
YUTA BANDO

1996年11月21日生まれ。兵庫県出身。
法政大学を卒業し、富士通に入社。2018年のクロスカントリー世界選手権日本代表、2020年の日本選手権5000m優勝、2020年の東日本実業団駅伝4区 区間賞。自身の自己記録は5000m 13分18秒49、10000m 28分20秒72。