潰滝大記インタビュー/第104回日本陸上競技選手権大会

残り1000m、ラスト2周が勝負

――現在のコンディションはいかがですか

今季は障害の間のジョグの質を高めて体力をつけようと、練習に取り組んできました。その成果が出て、だんだん疲れにくい体ができてきていると実感しています。ただ、ちょっと前に練習中に軽く足首を捻って練習を変更したときもありましたが、休養だとポジティブに考えて、できることをしていこうと思っています。

――日本選手権では、どのようなレース展開をイメージしていますか

2000mまでは体力を温存して一定のペースで走り、残りの1000mでどれだけ上げられるかが勝負になると思っています。最後の1000mは積極的に行きたいと思っていますが、的確な状況判断も必要です。自分がいけると思った距離で出られるのが理想ですが、速い選手が揃っているので、そこに対応できる力があるかどうか、やってみないとわからない部分もあります。

――最後はすごい競り合いがみられそうですね

レースは速いペースで進むと思うので、ある程度選手はふるい落とされると思っています。その中で、スムーズにハードルを跳べた選手が、足も残っていると思うので、最後に力を出すと思います。どこで出るかは、集団に誰が残っているかでも変わりますし、頭ではわかっていても体が動かなければダメ。もともと僕は当日のフィーリングで決めることが多いので、今はいろいろな展開を想定しています。

――3連覇している日本選手権。今年はどんな大会になりそうですか

今はオリンピック出場へのポイントが、まだ全然取れていない状況です。そういった意味でも12月からポイントレースが再開するので、とても重要な大会になると思っています。十分、意識してやっていこうと思っています。今季は、駅伝に向けた練習をメインにしていたので、10、11月はトラック練習をほとんどしていません。ただ、チームのレベルが高いので、質の高い練習ができていて、不安はありません。良い形で駅伝を終えることができたのも、日本選手権へ向けて集中できている要素です。

――競技のレベルも上がっていて、レースを楽しみにしているファンも多いです

誰がオリンピック参加標準記録を切るのか、出場する選手は皆そこを狙っていると思います。僕自身も狙えない数字ではないと思っています。そこを目指して、最後にどれだけ上げられるかで、タイムも決まるんじゃないでしょうか。本当に楽しみなレースです。


――改めて大会への意気込みをお願いします

レースはラスト2周くらいで大きく動くと思います。タイムも着順も大切になってくる大会ですから、最後の競り合いが醍醐味。注目してほしいと思います。個人的にも目標にしてきた大会ですから、レースが近づくにつれ緊張感が高まってくると思います。あまり気負わずに、楽しんで走れれば結果もついてくるはず。残された時間で、しっかりと準備し、自信を持ってスタートラインに立ちたいと思います。

潰滝 大記
HIRONORI TSUETAKI

1993年5月8日生まれ。和歌山県出身。
中央学院大学を卒業し、富士通に入社。2016年全日本実業団選手権3000mSC優勝、2017年世界陸上(ロンドン)日本代表。自身の自己記録は、3000mSC8分29秒05、5000m13分42秒16、10000m28分16秒49。