【14年目の至宝はさらなる高みを目指す~#10町田瑠唯~】

これまでにない感覚を味わった今夏の国際大会

――まずはパリで開催された国際大会、お疲れ様でした。町田選手にとっては3度目の大会出場となりましたが、いかがでしたか?

町田 今までとは少し違う感覚の大会になったと思います。というのも、やはり世界のチームはどのチームもレベルアップをしてきているなと感じましたし、完成度の高さを感じました。悔しいけれども、今大会は日本らしいバスケットをうまく出し切れなかった感覚があるんです。

 

――町田選手は東京大会後、初めての国際大会でした。新しい女子日本代表のバスケットを理解・体現する難しさもあったのではありませんか?

町田 難しさはありました。自分としてもこの大会に向けて、迷いがないように臨まなければいけないと思っていたのですが、そうした迷いが試合の中でも出てしまったし、クリアにできないまま大会を終えてしまったところは残念でなりません。リオデジャネイロ大会、東京大会と2大会から経験を積ませていただいている以上、そうした経験を生かしつつ、より強い覚悟を持って臨むべきでした。

 

――帰国後、少しは休めましたか?

町田 帰国後は心身ともにリフレッシュする時間をいただきました。今回は地元・旭川には帰らず、関東近郊の自然がたくさんあるところで、ゆっくりとリフレッシュしていました。ただレッドウェーブの練習に合流する日が決まっていたので、しっかりと休んだのは1週間くらいで、合流の2週間前くらいからはガッツリ体を動かしていました。

質の高さにこだわって、これまで以上のチーム力を

――16年ぶりのWリーグ優勝を果たして臨む新しいシーズンは、どうしてもリーグ連覇や、皇后杯の優勝が期待されます。もちろん選手たちもその気持ちがあると思いますが、それを実現させるためには何が必要だと考えますか?

町田 やはり昨シーズンと同じことをしても勝てないと思います。もちろんレッドウェーブのバスケットそのものが大きく変わることはないのですが、だからこそ一人ひとりがしっかりレベルアップすることと、目の前の細かい課題も、もっともっと徹底してチームとしてできるようにならないと2連覇は難しいと思います。そこは昨シーズン以上にみんなでコミュニケーションを取って、質を高める必要があると思っています。

 

――高める質とは具体的にどのようなものがありますか?

町田 レッドウェーブはチームディフェンスが持ち味なので、それについてはどの選手がコートに出ても、同じぐらいの質でできるようになりたいと思います。また昨シーズン中に課題として挙がっていたことが、まだクリアになっていないところもあります。メンバー構成が大きく変わっていない分、選手間の理解は得やすいですし、修正もしやすくなると思うので、そこをまずは徹底したいです。あとは例年の課題でもあるリバウンドも、やはり大事になってくると思います。

 

――今シーズンはWリーグが2部制になります。「Wリーグ・プレミア」に属するレッドウェーブとしては、より強固なディフェンス、より密なコミュニケーションが求められそうです。

町田 そうですね。昨シーズンの上位チームと対戦し続けることになりますし、各チームとの試合数も増えます。その分、私たちもそうですが、相手チームも試合ごとにアジャストしたり、戦術を変えてくることが考えられます。そうした変化への対応も大事になりますし、おそらく試合の中でのアジャストが増えてくると思うので、より密なコミュニケーションを取りながら、試合中に修正していける力をつけていきたいところです。

 

――もちろんアジャストは必要ですし、そのためのコミュニケーションも必要です。一方で若手のステップアップも求められると思いますが、レッドウェーブ一筋14年目になる町田選手は若手のステップアップをどう見ていますか?

町田 オリンピックから帰ってきて、若手のステップアップ、成長を感じています。昨シーズンよりも迷いなくプレーしている選手や、積極的にプレーしている選手が多いと感じるので、シーズンが始まってもそれを継続してほしいですね。それこそ2部制になって、いわゆる主力メンバーだけで勝ち上がれるリーグではなくなるので、本当にみんなの力が必要になります。今シーズンもこれまで以上のチーム力で戦いたいと思います。

 


タフなゲームが続くだろうが、最後までチームで戦い抜く

――町田選手自身は今シーズン、どんなことに取り組もうと考えていますか?

町田 私は自分に満足していないところが多いので、今シーズンも同じような課題になってしまうのですが、やはりシュートへの取り組みは継続したいと思います。昨シーズンはシュートを打つ本数が増えたので、今年はその本数に加えて、確率も上げていけるようにしていきたいです。あとはターンオーバーが少し多かったので、判断を含めてターンオーバーについてはしっかり修正していきたいと思っています。

 

――では最後に今シーズンの意気込みをお願いします。

町田 はい。今シーズンはチームとしてWリーグの優勝、つまり2連覇と、皇后杯の優勝を目指しています。本当にタフな試合が多くなると思うんですけど、一戦一戦を大事にして、チームで戦っていけるように頑張っていきたいと思います。私自身も昨シーズンよりさらにステップアップして、チームを引っ張っていけるようにしていきたいと思いますので、今シーズンも温かいご声援をよろしくお願いいたします。