第69回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝 in ぐんま) |
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開催日時 | 2025年01月01日(水曜日) |
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開催地 | 群馬県庁スタート、フィニッシュ(7区間 100km) |
1位 | 旭化成 | 4時間47分32秒 |
2位 | Honda | 4時間47分40秒 |
3位 | トヨタ自動車 | 4時間48分36秒 |
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8位 | 富士通 | 4時間52分24秒 |
4年ぶりの優勝を目指し挑んだ「ニューイヤー駅伝」。東日本実業団対抗駅伝では連覇が途絶えたものの、「ニューイヤー駅伝優勝を目指し、例年以上にチーム一丸となって練習をしてきた」と語る高橋健一監督は、23年に続き1区には塩澤稀夕を起用。2区に鈴木健吾、3区は塩尻和也と、2人の日本記録保持者が襷リレー。インターナショナル区間は、べナード ・キメリに託し、後半は東日本実業団対抗駅伝で好走を見せた横手健と浦野雄平、そしてアンカーに松枝博輝を据え「今のベストメンバーが組めた」と自信を持って選手を送り出した。
スタートの号砲と共に、ひらまつ病院・荻久保寛也選手が飛び出すと、レースはハイペースで進んだ。縦長の集団の中、塩澤は前方に位置取り、トップが5キロを13分57秒で通過する。中盤はペースが落ち着く場面も見られたが、10キロを通過するとGMO・吉田祐也選手、ラスト1キロでは旭化成・長嶋幸宝選手がスパート。塩澤も最後まで粘りをみせ、トップと3秒差の6位で襷を繋いだ。
10秒以内に11チームが襷リレーをした第1中継所。2区に入ると、序盤は7人がトップ集団を形成する。鈴木も、集団の中でリズムの良い走りをみせる。その後、7キロ過ぎにはトップ集団は鈴木を含む5人に、13キロを過ぎると鈴木を含む3人と、徐々にトップ集団の人数が絞られていく。だが、15キロを前に鈴木は先頭集団から離されてしまう。表情が険しくなり苦しい展開となるが、最後まで粘りをみせたが、トップと1分11秒差の9位での中継となった。
「終盤に失速した昨年のリベンジを果たしたい」と、事前に話していた3区塩尻。序盤に5秒前のSUBARUに追い付くと、その先頭に立って前を追った。10キロ手前では、6位のSGホールディングスに並び3人の集団となる。だが11キロを過ぎ、追い上げてきた住友電工に抜かれると、徐々に動きが重くなり、一気にペースダウン。本来の走りはできず、苦しんだが、なんとか踏ん張り後続へと襷を繋いだ。
トップと2分30秒差、14位で襷を受けたべナード ・キメリ。7.9キロ、スピード勝負のインターナショナル区間は、4.3キロ地点で高林交差点を左に曲がり北上する名物区間。この日も北寄りの風が吹きつけ、高林交差点を過ぎると向かい風に。キメリは、思ったよりペースが上がらず中国電力のコスマス・ムワンギと共に前を追いつつも順位を1つ落として、15位で5区横手へのリレーとなった。
トップと3分4秒差の15位で襷を受けた5区横手。昨年、区間3位の成績を残した5区で、「区間賞を獲りチームを浮上させたい」と意気込んだ。序盤で、前を走っていた中国電力、ひらまつ病院の2チームに追い付くと、その先頭に立ち前を追う。中盤以降に安川電機にも追い付き、最後は9位黒崎播磨を含む4チームがほぼ同時に襷渡し。区間4位の好走で、チーム順位を11位へと押し上げた。
4チームがほぼ同時で襷渡しとなった第5中継所をスタートすると、安川電機、黒崎播磨と共に9位集団を形成した浦野。その先頭で向かい風のなか積極的にレースを進める。中盤以降も快調なペースを刻む浦野は、9キロ過ぎに、スタート時点では57秒の差があったKaoを抜き8位へ浮上。区間5位の走りで、アンカー松枝に襷を託した。
7位SUBARUとは10秒差、9位Kaoとは僅か5秒の8位でスタートしたアンカー松枝。8位入賞を意識したアンカー勝負で、序盤にKaoのキャプテン平和真選手が松枝に追い付き、その後マッチレースに。並走となり、10キロを前にKao・平選手が前に出るシーンも見られたが、直後に松枝がスパート。向かい風にも負けない力強い走りで順位を守り切り、8位入賞のゴールテープを切った。
昨年9位の結果を受けて、一丸となって日本一を目指してきたチームにとって、8位は悔しい結果となった。「駅伝の怖さ、難しさを改めて思い知らされた」と振り返るのは高橋健一監督だ。「今年は『みんなで勝ちにいこう』と、トラック組、マラソン組と一緒になって練習をしてきました。チームの雰囲気も、状態も良かっただけに残念な結果になった」と悔しさを口にする。
1区塩沢はトップと3秒差の6位でつないだが、2区鈴木、3区塩尻、4区キメリと「力のある選手が実力を発揮することができなかった」。
それでも後半の選手達が踏ん張った。「駅伝男、襷を持つと何かやってくれる」と評価する5区横手が15位から9位グループへと順位を押し上げると、6区浦野も入賞圏内の8位でアンカー松枝へとつないだ。「スパート勝負になった時に競り勝てるように」と、アンカーに配置した松枝の力強い走りもあって8位入賞を果たし、高橋監督は「本当によく走ってくれた」と選手たちを労った。
8位に入ったことで、3月16日に開催される「大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025」への推薦(出場)が決まった。実業団と大学生のトップチームが激突する大会。今日の悔しさをバネに、次につながる駅伝にすることができるか。また、今年は東京で世界陸上が開催される。再び日本一をつかみ取るには、個々のレベルアップも欠かせない。「個々の目標に全力で向かっていって欲しい。そこで得た自信を来年のニューイヤー駅伝につなげられれば」と高橋監督。選手たちのさらなる成長に期待したい。
トップと秒差で襷を渡せて、最低限の仕事はできたと思います。強い選手が揃う1区で、いつ誰が出ても対応できるようなポジションをキープできたこと。また駆け引きの中で、着いていくかどうか、状況に応じて冷静な判断ができたのも収穫です。ラスト1キロでスパート合戦になることは十分に想定していましたが、旭化成・長嶋選手が出た時には、それまでのハイペースもあって足が残っていませんでした。悔しいですし、課題だと思っています。今後は、まずはトラックで世界と戦える選手になることが目標です。そうした経験を積み強くなり、またニューイヤー駅伝に帰ってきたいです。
この1年、ニューイヤー駅伝優勝を目指してチーム一丸となって取り組んできました。今日のレースでは、最長区間を任せてもらいましたが、力を出すことができず、悔しい気持ちでいっぱいです。スタート直後は比較的余裕があり、中盤も手応えがありましたが、後半に差し込みがあり粘り切ることができませんでした。大会前まで痛いところもなく、まずまずの調整ができていたので、本当に悔しいです。今後は気持ちを切り替えて、もう一度良い時の自分に戻れるように、復活できるように取り組んでいきたいです。東京か大阪でのマラソンを予定しており、しっかりと準備していきたいです。
昨年は後半に失速してしまった3区で、リベンジを果たしたいと思っていましたが、上手く走ることができませんでした。中盤までは、しっかりと前を追って走ることができていましたが、終盤は粘り切ることができませんでした。ニューイヤー駅伝では、上手く走れないことが重なり、今年こそはと準備してきましたが、結果を出すことができず、悔しさが残ります。今年は東京で2025世界陸上が開催されます。トラックシーズンに向けて、世界陸上の出場権を獲得できるように、準備をしていきたいです。
14位でタスキをもらい、チームの勝利のため全力で先頭を追いかけました。 走っていると2km過ぎに腰回りに痛みが出てしまい、自分のイメージ通りに走ることができなかったです。また、後半の向かい風によるペースダウンもあり、力を出し切れませんでした。 みんなで優勝を目指していたので、悔しい思いでいっぱいです。必ず、来期にリベンジしたいと思います。 応援ありがとうございました。
向かい風が気になるタフなコンディションでしたが、沿道の応援も力となって結果を残すことができました。1つでも順位を上げたいと思って、前の選手に追いついても後ろに付かずに、前に出て攻めていくことを意識して走りました。最後は向かい風と、自分の力不足もあって競り負けてしまったのは、今後の課題にしたいです。昨年はマラソンに向けた練習の中で怪我をしてしまい、個人のレースを走ることができませんでした。2月の大阪マラソンでは「今年こそ」という思いが強くなっています。しっかりと結果を残せるように、また次の駅伝につなげられるような走りがしたいです。
優勝を目指していたので、この結果には悔しさが残ります。襷を受けた時は、「入賞まで1分程度の差がある、攻めて行こう」と言われていたので、なんとしてでも自分のところで決めたいと思っていました。8位の選手の前に出た時は、さらに前の選手が見えていたので、もう一つ前に出たかったです。今年は東京2025世界陸上が行われます。次は東京か大阪でのマラソンへ出場を考えており、代表になれる結果を残し、日の丸を背負って世界と戦うことを目標にしています。今日走った感じでは状態も上がってきているので、良い状態でマラソンに挑めるように準備したいです。
前半良い形で入れたので、もう一つ前を追うならと、残り距離も考えて前に出る走りをしました。ただ単独走となってからは、思うようにペースを上げることができず課題が残りました。一方で今日のタイムで走れたことは個人的には順調にきていると感じています。日本一を目指したチームにとっては、8位に終わり悔しい気持ちです。今日まで充実した練習ができていましたし、チームの雰囲気も良く、全員が自信を持っていたと思います。力を出しきれなかった仲間の姿を見るのも、本当に悔しい。僕らは8位入賞で満足するチームではない、駅伝では1番、個人でも世界を目指す集団でなければならないと改めて感じています。今年は東京2025世界陸上への出場が大きな目標。成長して、力を付けて、また駅伝に帰ってきたいと思います。