豊田将樹 インタビュー/第105回日本陸上競技選手権大会

【日本陸上競技選手権大会】豊田将樹インタビューコラム
「本番になったら、自分を信じて走るのみ」

――いよいよ日本選手権が迫ってきました。今はどんな気持ちですか。

日本代表が決まる勝負のレース、その時が来ると思うと落ち着かないですね。400mHは、自分も含めて日本代表になるための参加標準記録を突破している選手が4名いて、日本選手権で3位以内に入らなければ、日本代表にはなれません。会場となるヤンマースタジアム長居は条件が整えば記録が出やすいこともあり、さらに混戦となることも予想されます。

――現在のコンディションはいかがですか。

今年は記録が安定していないのが課題です。試合後は、レースで出た課題に取り組みますが、今のところそれが上手く噛み合っていないんです。得意な後半を伸ばす練習をすれば前半がもたつき、前半を意識すれば後半スピードに乗れずと、今季4試合の記録がバラバラな理由です。日本選手権に向けて上手くピークをあわせたい、しっかり準備ができれば結果が出せると思っています。

――今季、取り組んでいることはどんな点ですか。

2つあって、一つは単純にハードリングです。タイミングが悪いのか、利き足を何台かハードルにぶつけてしまうんです。1、2年前にはなかったことで、ここ最近の課題で基本の部分から立て直していきたいです。2つ目は、前半の走りです。今季は後半を強化していますが、トップの選手は前半から強いんです。そこで差を付けられると走りのペースが乱されます。ついていけなくてもいい、なるべく離されないように、得意じゃない前半区間のレベルアップに取り組んでいます。

――レースでポイントになりそうなことは?

安部選手(ヤマダホールディングス)や黒川選手(法政大学)が、前半から攻めてくると思いますが、前半は意識し過ぎないように自分のペースで、自分の走りをしたいです。そして200m過ぎたあたりから、いい位置で気持ち良く走れるように。得意な後半で、自分の持ち味が発揮できるようにしたいです。周りに流されずに、自分の良い部分を出したいですね。

――日本選手権、そしてその先へ向けてはどんな思いがありますか。

大事な試合になると人が変わったように良い走りができたらいいですね(笑)。本番になったら、自分を信じて走るのみ。そのためには、日々の練習だったり、生活だったり、どれだけレースにかけてやってきたかが大事になります。ヤンマースタジアム長居との相性も悪くないので、良い準備をしたいです。国際大会は、とてもワクワクするイベント。自分より体格が良くて、手足の長い選手が揃っていて、そういう選手に勝てると「日本人でもできる」と自信にもなり楽しみ。それ以上に、大きな課題をもらうことも多いですが(笑)。


――ファンへのメッセージをお願いします。

いつも応援いただきありがとうございます。皆さんからいただく声援やコメントは、モチベーションが高まる要素、とても感謝しています。日本選手権では、自分のためだけじゃなく、応援してくださる方々に恩返しの気持ちを持って走りたいと思っています。また富士通陸上競技部は、一人でも多く世界大会へ選手を送り出し戦うことを目標としています。僕もその一人となって、高いレベルで互いを高めあうチームの一員になりたいと思っています。今年は強い新人選手も入ってきたので、負けないように頑張りたいです。

 


豊田 将樹
MASAKI TOYODA

1998年1月17日生まれ。鹿児島県出身。
法政大学を卒業し、富士通に入社。2019年のドーハ世界選手権 400mH 日本代表(準決勝進出)、
2019年のユニバーシアード競技大会 400mH 4位、
2019年の日本インカレ 400mH 優勝。自身の自己記録は400mH 48秒87。