国立競技場アクセスマップ制作へ向けて 車いす・ベビーカーでの街歩きを実施
富士通では2023年度の共生社会の実現に向けた取り組みの一つとして、国立競技場(東京都新宿区)へのアクセスマップを制作します。準備の一環として2023年5月28日、国立競技場周辺の街歩きイベントを富士通社員向けに実施。富士通陸上競技部の鈴木雄介選手と兎澤朋美選手と共に、車いすやベビーカーでの移動を体験し、アクセスしやすいルートを検証しました。
誰もが安心してスポーツに親しめる社会を目指して
アクセスマップとは、障がい当事者だけでなく、高齢者、妊婦、乳幼児連れ、外国人観光客など多様なニーズを有する人々がアクセスしやすいルートを示す地図のこと。誰もが安心してスポーツに親しめる社会の実現が制作の目的です。
こうした取り組みはこれが初めてではありません。富士通では2016年度から街中のバリアフリー化を進めるハード面と、多様性・違いを踏まえて理解促進を目指すソフト面の「心のバリアフリー」へ積極的に取り組んできました。現在、Fujitsu Sportsを管轄する富士通株式会社Employee Success本部企業スポーツ推進室では、Fujitsu Sports の選手・サポーター・自治体・ボランティア等と協力しながらバリアフリーマップを作成・配布する取り組みを行っています。2021年度には川崎フロンターレと協力して等々力陸上競技場(神奈川県川崎市中原区)へのバリアフリーマップを、2022年度には富士通フロンティアーズと協力して富士通スタジアム川崎(川崎市川崎区)、富士通レッドウェーブと連携してとどろきアリーナ(川崎市中原区)へのバリアフリーマップを制作しています。
こうした取り組みはこれが初めてではありません。富士通では2016年度から街中のバリアフリー化を進めるハード面と、多様性・違いを踏まえて理解促進を目指すソフト面の「心のバリアフリー」へ積極的に取り組んできました。現在、Fujitsu Sportsを管轄する富士通株式会社Employee Success本部企業スポーツ推進室では、Fujitsu Sports の選手・サポーター・自治体・ボランティア等と協力しながらバリアフリーマップを作成・配布する取り組みを行っています。2021年度には川崎フロンターレと協力して等々力陸上競技場(神奈川県川崎市中原区)へのバリアフリーマップを、2022年度には富士通フロンティアーズと協力して富士通スタジアム川崎(川崎市川崎区)、富士通レッドウェーブと連携してとどろきアリーナ(川崎市中原区)へのバリアフリーマップを制作しています。
街歩きでバリアフリーをチェック
今回の街歩きは、パラ陸上で国立競技場の試合に出場したことのある兎澤選手と、競歩の試合で周辺コースを周回したり、ランニングしたりすることもある鈴木選手というアスリート当事者の視点に加え、障がい当事者・子育て当事者からの目線を共有することで、誰もが暮らしやすく、スポーツに親しめる社会の実現に向けた意識向上が目的です。街歩きのルートは、東京メトロ外苑前駅から国立競技場を経由してJR信濃町駅を目指すルートと、東京メトロ青山一丁目駅から国立競技場を経由してJR千駄ヶ谷駅を目指すルートを用意。2班にわかれ、交代でベビーカーを押したり、車いすに乗ったりして、アクセスルートを点検しました。
国立競技場は国際的なスポーツ大会の舞台でもあり、周辺の道路は比較的よく整備されています。それでも参加者からは「フラットに感じる道路でも、車いすに乗っていると、ちょっとした傾斜や段差が敏感にカラダに伝わる」「わずかでも傾斜があると、車いすをまっすぐ押すのが大変」「車いすに乗ると目線が低く、人やカバンにぶつかりそうで怖い」といった声が上がりました。
ルートの途中には明治神宮外苑の銀杏並木、国立競技場内の聖火台や炬火台といった見どころもあり、参加者たちは楽しみながら、新たな発見や気づきを得ていました。
参加者の一人で車いすユーザーの伊藤早紀さんは「移動の際の不便さについて、今日は積極的に自分の意見を発信できる良い機会でした」と話します。また、アクセスマップ制作の取り組みについては「事前に情報を得られるだけでなく、アクセスしやすい、バリアフリーへの配慮がある場所だとわかることで、出かけるときの心理的な安心感も生まれます」と笑顔を見せました。
自分ごと化することが共生社会への第一歩
鈴木選手と兎澤選手もスポーツ選手という立場からそれぞれ新たな視点を持ったようです
鈴木選手はプライベートでは一児の父で、日頃ベビーカーも使います。「ベビーカーで出かけるようになって初めて感じた不便さも多く、当事者にならないと気づけないことを実感しています。今日は車いすでの移動を通して、社会課題を自分ごと化する良い機会になりました」と振り返りました。
国立競技場周辺は道幅こそ広めですが、人通りが多く、なかには歩道いっぱいに横並びで歩く人もいます。「ランナーは走りにくさを感じることがあるかと思いますが、ベビーカーや車いすの方も歩きにくいでしょう。今日改めて感じたのは、常に周りに目を向けることの大切さ。それができれば道幅が狭い場所では一列で歩くとか、ランナーとして急なコース変更をしないといった行動がとれるようになるはず。バリアフリーへの配慮というだけでなく、街の安全にもつながると思います」と力を込めました。
国立競技場周辺は道幅こそ広めですが、人通りが多く、なかには歩道いっぱいに横並びで歩く人もいます。「ランナーは走りにくさを感じることがあるかと思いますが、ベビーカーや車いすの方も歩きにくいでしょう。今日改めて感じたのは、常に周りに目を向けることの大切さ。それができれば道幅が狭い場所では一列で歩くとか、ランナーとして急なコース変更をしないといった行動がとれるようになるはず。バリアフリーへの配慮というだけでなく、街の安全にもつながると思います」と力を込めました。
兎澤選手は「自分が義足になり、バリアフリーを意識する機会は増えました。遠征へ行くと車いすや麻痺などさまざまな障がいのある選手がいます。そこで思うのは、全員にとってベストな環境整備は難しいということ。たとえば視覚障がい者に必要な点字ブロックも、車いすでは通りにくさにつながることもあります」と言い、「まずは知ることが第一歩。こうしたイベントをきっかけに日常での気づきや困っている人に声をかけることが増えていって、将来的には誰もが生きやすい社会になるといいなと思います」と、より良い未来の実現へ期待を込めました。
アクセスマップの完成は今秋を予定しており、完成後は、国立競技場や近隣のスポーツ施設、駅などで配布予定です。富士通はスポーツを通じて感動を分かち合うと同時に、スポーツの力で社会課題を解決し、世界を持続可能としていくことも目指していきます。