富士通フロンティアーズ×川崎フロンターレ特別企画 キャプテン対談(前編)富士通フロンティアーズ 宜本×川崎フロンターレ 小林


アメリカンフットボールのXリーグで3連覇を目指す富士通フロンティアーズ(以下、フロンティアーズ)。サッカーのJリーグで史上5クラブ目となる連覇を目前とする川崎フロンターレ(以下、フロンターレ)。

シーズンもいよいよ佳境に入った両チームでそれぞれキャプテンを務める宜本潤平選手小林悠選手

今回、富士通社内報企画にて、2人のトップアスリートが競技の枠を超え、リーダー論からチームを背負う覚悟などを語り合いました。2018年10月末に実施。

――これまでの振り返りを・・・

宜本:Xリーグでは強いチームとの接戦が続いていますが、粘り強く戦えた結果として6戦6勝でプレーオフに進出することができました。
小林:シーズン序盤はなかなか勝ち点を積み重ねられませんでしたが、中盤以降は負けの試合は少なく、チームとしての攻撃も明確になり、強いフロンターレを見せられています。

――フロンターレは序盤苦戦し、初制覇をもくろんだアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)では3分け3敗で1次リーグ敗退。キャプテンとしてはどのように受け止めたのでしょうか?

小林:勝てないときこそ下を向いている時間はないと負け試合は忘れて、負けた後の次の練習でどのようにチームの雰囲気を明るくもっていけるかと切り替えることを特に意識していました。

――キャプテンはそれぞれ2年目、宜本選手は立候補されたそうで?

宜本:フロンティアーズでキャプテンを決めるときはまず立候補を募り、いなければ投票で決まります。1年目から練習中に「もっとこうした方がええんちゃうか」と口に出して提案するタイプでした。2017年は在籍5年目のシーズンで、ちょうど上下の世代が各30人いて、自分は真ん中の年代。今まではベテランの選手がキャプテンをやっていましたが、それではチームが変わらないので、思いきってやってしまおうと立候補しました。
小林:立候補って・・・すごいですね。ほんとすごいとしか言えません。

――小林選手は、どうでしたか?

小林:僕は鬼木監督から「やってもらえるか?」と言われまして。
宜本:指名制なのですね。
小林:自分でもやりたいと思っていました。チームがタイトルを取れない中、自分ならばチームにタイトルを取らせることができるかもしれない、と最初は少し軽い気持ちでした。実際、キャプテンをやると苦労が多くて大変ですね。

――その苦労は想像通りでしたか?

小林:自分のポジションが得点を取るFWなので「自分が、自分が」というところを出さないといけませんし、キャプテンとしてはみんなとの調和を考えねばならない。自分のゴールとチームの間に挟まれているところがキャプテンとしての難しさでもありました。そして、負けた試合で誰よりも先に先頭に立って歩かないといけないという重みを(中村)憲剛さんがずっとやってきたのかと思いをはせると、すごく苦労していたんだなと感じました。
宜本:キャプテンをやり始めたときは怪我によりプレーできず、みんなの前で話をしてもフィールドの熱はわかりませんし、練習終わりに話をしても自分の気持ちも乗らず、きれいごとばかり並べていたので当然、選手たちには響かなかった。その状況が続いていたときに、ベテランで前キャプテンの鈴木將一郎選手から「このままではまずいぞ。おまえがキャプテンをやっている意味がないぞ」とアドバイスをもらい、歴代のキャプテンたちと食事に行き相談に乗ってもらいました。その後、練習を再開し、言葉に思いを乗せることができるようになると、少しみんなと違う考えを言っても何かしら響くものがあり、「それはちゃうやろ」という返答も聞けるようになりました。怪我をしていたときは、きれいごとを言っていたので、返ってくる言葉などなく苦労しました。

――先輩との食事の話が出ましたが、小林選手は?

小林:憲剛さんとは家族ぐるみの付き合いをしていて仲も良いので行きます。辛いことがあったときはキャプテンとしての全てを相談していました。

――あらためてキャプテンとして意識していたことは?

宜本:キャプテンだからこうしようと意識することはやめようと、思ったことをそのままストレートに言い、それをフィールド上で体現するだけでした。みんなの前で話すのがうまくないので、副キャプテンたちにフォローしてもらっていました。
小林:フロンターレはうまい選手がそろっていて、自分はキャプテンだから一番うまいというわけじゃない。キャプテンというのは、どれだけ勝ちたいかという気持ちをチームに見せられるか。球際で激しく戦うところ、勝つことへの執念を誰よりも見せることを意識していました。

――最近はリーダータイプのキャプテンより、ボトムアップ型のまとめ役が求められていると聞きます

宜本:1年目、2年目の若い選手の意見はよく聞くようにしています。意見を聞かず、考えに隙間ができると気持ちが落ちていくだけでチームとしても士気が下がりマイナスになります。キャプテンを希望した理由はベテランや若手両方の意見を聞けるからで、そこは意識的にしています。
小林:引っ張るという意識は強いですが、自覚ある選手が多いので、自分が引っ張るというよりゴールを決めることに専念した方がチームとしてうまく回ると感じました。(2017年シーズンは23得点を決め、初の得点王。最優秀選手にも輝く)それでキャプテンとして優勝に導けたことだと思いますし、他は副キャプテンがまとめてくれたのが大きかったのではないですかね。

――理想のキャプテン像とは?

小林:ポジション柄、ゴン中山(中山雅史、現 アスルクラロ沼津)さん、佐藤寿人(現 名古屋グランパスエイト)さんのようなストライカーです。FWの選手が得点を取るとチームが勢いづきますし、強い気持ちをもってゴールに向かっていく姿勢がみんなを動かすと思っています。
宜本:具体的にはないですね。自分にないものを伸ばしていけたら理想のキャプテン像になるのではないかという考えなので、プレーでみせて、みんなについてきてほしいです。自分ができない、冷静にチームを見て「いま、こうするべきだ」といえるキャプテンはすごいですね。そういうことができるようになれば、自分のキャプテンの幅が広がると思います。

――年齢差で言い方を変えたりもしますか?

小林:それはありますね。アメフトは60人もいるんですか?
宜本:70人強ですね。
小林:すごい。それでキャプテンは大変ですね。
宜本:サッカーは何人くらいですか?
小林:30人くらい。
宜本:じゃあ、ほぼ倍ですね。年齢層は? 一番上は何歳くらいですか?
小林:38歳、憲剛さんが・・・一人だけ長老なので。
宜本:下は何歳から入ってくるんですか?
小林:18、19歳・・・
宜本:そこは全然違いますね。僕らは大学を卒業した22、23歳・・・上は、39歳。ずば抜けた長老がいますけど。若い選手が多いじゃないですか、フロンターレさんの方が。19歳とか。そうなると、ちょっと話し方が分からないですね。
小林:同じ、同じ。全然違いますよ、僕らが若いときとは。

――どう違いますか?

小林:18歳の若者が30歳のベテランとロッカールームで2人きりになったら、鼻歌を歌ったりはできなかったですよね。静かに時が経つのを待つような緊張感で。でも、ジェフ(タビナス・ジェファーソン)っていう選手は一人で大きな声をだして歌うんですよ。
宜本:フレンドリーそうですね。
小林:ジェフをみていると、すごいって思いますね。
宜本:19歳には何も言えないですね。苦笑

――選手の性格をどのように把握しますか?

小林:選手たちは仲が良いので食事に行ったときに話をします。厳しく言ったほうが良いのか、まじめなタイプの選手には考え込ませないように楽な感じで言うべきか、年齢というよりも選手それぞれの性格に合わせています。

――アスリートとして勝つ喜びは何ものにも代え難いものですか

宜本:東京ドームでの決勝は観客が2~3万人集まります。そんな中で勝ったときの歓声はどんなものにも代えられないのでアメフトを続けています。アメフトの世界は学生で辞める人が多いですが、続けないのはもったいないなぁと。社会人になって、こんなに喜べることは少ない。2~3万人の歓声を聞かずして辞められないですね。寂しくなるのでまだまだ引退したくありません。笑
小林:優勝したくてずっとプレーしてきましたが、昨年リーグを制して、みんなで祝えたときは「死ぬまで、この感覚を忘れないのだろうな」というくらい感動しました。本当にサッカーをやってきて良かったと思いますし、いろんな人への感謝の気持ちが沸いてきました。

――優勝して燃え尽きることは?

小林:ないですね。そうは言ってもまだタイトルは一つだけですし、悔しさもあるので満足することは絶対にありません。
宜本:はい、燃え尽きることはないですね。ただ、社員として働いているので引退しても今の生活が崩れるわけではなく、優勝して終わろうと引退を選ぶ人もいます。

――3万人の大観衆に囲まれてプレーするのは、どんな気持ちですか?

宜本:すごいです。フィールドに立っていると30センチ離れた距離の会話も通らない。あの歓声は本当にすごいですね。

――フロンターレも、チケットが毎試合完売になるほどの大声援を受けてますよね?

小林:ここまで人気が出たのは僕たちの力ではなく、スタッフの人たちが集客のためにいろんなイベントをしてくれるので、選手だけでなく他の努力も実ってサポーターが増え、その結果、熱い声援を受け、チームも勝つという好循環で、チームとして大きくなっていることを感じますね。

――大きな声援で背中を押される感覚でしょうか?

小林:はい。辛くてきつくても、チャンスになって沸き立つ声援や得点後の盛り上がりは体を突き動かします。引退したら感じられなくなるので、何をしてこの興奮を感じればいいのかと思うこともあります。
宜本:しんどい試合ほど声援が力になりますね。しんどいときの声援はもっとできる、やらないといけないと心を奮い立たせてくれます。サッカーも流れがあると思いますが、良いプレーをして観客が盛り上がると、相手がやられてしまったと気落ちするところがありますよね。流れを持ってこられますから。
小林:わかります!!

――フロンティアーズはこれから一発勝負のトーナメントに舞台を移します。心がけていることはありますか?

宜本:勝っても負けても、良くも悪くもプレーがすぐに切れるので、その1プレーに集中する。藤田ヘッドコーチがよく言うのが「その1プレーの、最初の一歩、一歩目に集中しろ」と。先のことを考えると、その一歩がおろそかになり負けてしまうので意味がない。結果的に「今に集中したほうが勝つ」、と思います。

――残り試合も少なくなったフロンターレも心境としては一発勝負の気持ちですか?

小林:一歩目じゃないですけど、その試合のスタートにしっかり集中することで自分たちの力も出せると思います。(3日のホーム柏戦では3―0で勝利を収め、連覇に王手をかけた)

両チーム共に、次の試合は10日午後2時開始。社会人の頂点を目指すXリーグ・クォーターファイナルで、フロンティアーズは横浜スタジアムでオール三菱ライオンズと対戦。フロンターレはヤンマースタジアムでのセレッソ大阪戦で勝利を収めると、2試合を残してリーグ連覇が決まります。
貴重な瞬間を見逃さないように是非、試合会場で応援をお願いします!!

来週掲載予定の後編も、お楽しみに!!

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