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女子バスケットボール 富士通レッドウェーブ


FIELD EYE 中畑 恵里(#51 G)
「Sky High」より強くより信頼を

未来を切り開く日本屈指のドライブ

最も自分が活きるチーム

「ドライブはリーグトップクラスの力がある」。岡里明美ヘッドコーチは中畑の実力をそう評価した。チーム内では#21有明葵衣と並び165cmと最も小柄。21歳の中畑は、みんなから妹のように可愛がられている。

「RedWaveは大きい選手がいないので、センター陣も走ります。自分のスピードが最も活かせるチームだと思います」と中畑。実際、中畑が入った時のチームはプレースピードが一段と速くなる。その意味では、RedWaveが掲げる“走るバスケット”に最もマッチする選手と言えるのではないだろうか。そう伝えると本人は、素直に「嬉しいです(笑)」と無邪気な笑顔を見せた。

「アケさん(岡里明美ヘッドコーチ)にも、ドライブで切り込んでいくプレーは信頼してもらっているので、『どんどん仕掛けていけ』と良く言われます」。周りからの評価が、今の中畑に自信を与えている。ドライブは彼女にとって、最大のアイデンティティだ。「今季の目標は、相手を引きつけてからのパスを正確にして、ミスをなくしていくこと。そして、もっとチームの力になりたい。私、それ以外できないんで(笑)」。

世代交代を終えたチームの中で

相手ディフェンスを切り裂くスピードに、労を惜しまない走りは、『王座奪還』を掲げる新生RedWaveにとって必要不可欠な武器となりつつある。この貴重な才能をチームに引き入れたのは、岡里明美ヘッドコーチだった。金沢総合高校時代、大学進学を望む家族に対し、中畑は企業チーム入部も含め進路を決めかねていた。そんな時に背中を押してくれたのが、それまで合宿などで交流のあった岡里だった。

「最終的に入部を決めたのはアケさん(岡里明美ヘッドコーチ)の存在が大きかったですね。進路問題の際も、悩んでいる時に電話をくれたり、親の説得に協力してくれたりして、すごく良い人だなって思いました。やっぱり、私を必要としてくれたのが嬉しかった」。高校卒業後、富士通へ入社した中畑は、RedWave入部1年目から22試合に出場し2冠達成(Wリーグ、オールジャパン)に貢献。その選択が間違いでなかったことを証明する。

中畑は入部初年度をこう振り返る。「スピードの面は、そんなに苦労はしませんでした。でも、体の強さが全然違うと感じましたね。ドライブで切り込んでも、いつもなら軽くシュートまで持って行けたところが、『重たい』みたいな。まるで満員電車の中みたいな感覚でした」。しかし、入部から3年が経った今は「筋肉もついて、徐々に対抗できるようになっています」と、トレーニングによるレベルアップを体で感じとっている。

昨シーズンの主力が抜けて、世代交代を迎えた今季のRedWave。中畑の責任はより重くなるはずだ。彼女に与えられた使命は、得意のドライブでチームの未来を切り開くこと。そして、それが自分自身の未来にもつながる。

「スタートから出してもらえるということで、今までよりも責任を持ってプレーしなければとは思っています。日本代表にも選んでいただいていますが、まずは『王座奪還』がチームの目標。だから、RedWaveで勝ちたい。もし今季勝てなければ、昨シーズンより弱くなったと周りから言われてしまう。それはもう、勝つことでしか証明できない。だから、しっかり結果を出したい」。


より信頼されるガードになりたい

芽生えた自覚

その恵まれた運動能力で、各年代においてトッププレーヤーとして活躍してきた中畑。最初は「近くにチームがあったから」と始めたバスケットボールだが、ミニバス時代に全国大会を経験、中学時代は神奈川県選抜に選ばれるなど、早くからその才能は注目されていた。

そして、バスケットボールの名門である金沢総合高校に入学。中畑はいきなり1年時から、チームのエースナンバーである“7番”を渡される。しかし、当時の中畑はその番号の責任を、そこまで感じてはいなかった。「あまり、重みがわかってなかったんですよね。1年生で最初に7番をもらった時は『あれ?数字が小さいな』って思ったぐらいのもので(笑)」。

だが、この番号が中畑を大きく成長させた。「オフェンスでも1対1での勝負を任されたり、最後のプレーは絶対自分が攻めきらなければいけなかったんです。このナンバーを背負っていたからこその苦労は、すべての面においてありましたね」。

本当のポイントガード

中畑は、自分が一番というエゴイストタイプではない。高校時代のエースの座に関しても、3年間で1度だけ下級生に7番を明け渡した事があった。だが、「自分はあまり背番号とか気にしていなかったんですが、その時も周りから『頑張らないと』って言われて、1試合で取り返しました。悔しさは・・・一応あったのかな(笑)」と、マイペースだ。

中畑はそうやって、自然体でエースナンバーと、バスケットボールと向き合ってきた。そして、周りの期待に応え、自分なりに大きな力としてきた。今になって中畑は思う。「でも、7番をつけられて良かったなと思います。自覚が芽生えましたし、自分がやらなければという気持ちになったので」。これからも中畑は、気負うことなく着実に成長していくことだろう。

「スカイ」というコートネームは、高校時代に「もっと上を目指すように」とつけられた名前。大空のように無限大に、中畑の可能性は広がっている。「今は年下なのもあって周りの方が気を遣ってくれたりするんですけど、本当のガードというのは、何でも任せられて仲間から信頼されるものだと思うんです。そして、ここぞという時に決められる勝負強さを持った選手になりたい」。より強く、より信頼されるプレーヤーに。中畑はさらなる高みを目指している。


プロフィール

中畑 恵里

中畑 恵里
(なかはた・えり)
ポジション
G(ガード)
背番号
51

プロフィール詳細はこちら

中畑選手あれこれ

  • バスケットボールを始めた当初、ミニバスの先生から「この子本当に右利きですか?」と言われたぐらい、左手のレイアップシュートがうまかった中畑選手。その後、高校でも右脳を働かせるトレーニングの一環から、左手でご飯を食べなければならなかったというエピソードも。おかげで、「今もご飯は左手で食べる方が楽」なのだとか。
  • 好きな食べ物は?「(即答で)アイス! どんな味でも好きです(笑)。毎日は食べないですが、気が向いたら食べます。まぁ、常に気が向いているんですけどね」。食べ過ぎないようにご注意を!
  • 時間があまりない中でも、読書をするのが好き。「高校の時に『頑張っている人の本や、新聞を読みなさい』と言われていたので、今でもそういうのを手に取っている自分がいますね。主に他のスポーツをしている方の本を読んだりします」と。実は勉強家?
  • チームでは一番小さい中畑選手ですが、背番号は51と一番大きい数字。珍しい番号をつけている理由は「中学1年生の時に初めてもらった番号だったんです。1年生はあまりユニフォームをもらえない状況の中で頂けたので、今も気に入ってつけています」。

取材・文/NANO Association

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観客席から観ただけでは決して感じとる事のできない選手ひとりひとりのストーリー。

バスケットボールへの想い、悩みや葛藤、そして素顔の部分など、選手自身の言葉で語っています。

今後もFIELD EYEでは選手に密着取材し、富士通レッドウェーブの選手を紹介していきます。