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二宮清純×FUJITSU SPORTS


二宮清純インタビュー 富士通陸上競技部(前編)

2009年3月26日

多種目を育てるミッション

左 コーチ 高橋健一、中 監督 福嶋正、右 コーチ 今村文男 左 高橋コーチ、中 福嶋監督、右 今村コーチ

伊東浩司、苅部俊二、藤田敦史…1990年の創部以来、数々のトップ選手を輩出し続けてきた富士通陸上競技部。昨年の北京五輪では6名の代表選手を輩出し、塚原直貴、高平慎士の両選手が4×100メートルリレーで男子トラック種目では史上初の銅メダルに輝いた。さらに今シーズンは、長距離チームが元日恒例の全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)で9年ぶりの優勝を果たした。富士通陸上競技部は他の企業スポーツとはどこがどう違うのか? そして目指しているものとは? 福嶋正監督、高橋健一長距離コーチ、今村文男競歩コーチにスポーツジャーナリスト二宮清純が直撃した。

二宮:昨年の北京五輪では塚原直貴選手と高平慎士選手が、銅メダルを獲得した4×100メートルリレーのメンバーでしたね。これは会社にとってもビッグニュースだったのでは?
福嶋:そうですね。オリンピックには1992年のバルセロナから代表選手を送り出していますが、今まで以上の盛り上がりがありました。
二宮:メダル獲得の最大の要因はバトンパス(アンダー)と言われていますよね。
福嶋:そうですね。先人たちの経験と何年もかけて精度を磨いてきたことが、引き継がれているんです。同じくOBの土江寛裕が北京五輪の時にコーチとして指導にあたっていたのですが、どうすれば効率よくバトンを渡せるか、データを駆使しながらいろいろと工夫を凝らして、あの北京で見せた完璧なバトンパスが生み出されたわけです。
二宮:アンカーを担った朝原宣治さんに訊いたところ、「(バトンゾーンの中で)17メートルくらいの時にパスをするのが理想」だと。
福嶋:スピードがMAXの状態で渡すことは不可能ですから、走ってきた選手のスピードがまだそれほど落ちず、逆に渡される方の選手がある程度加速した状態でパスされるのが一番いいんですね。北京五輪では20メートルあるバトンゾーンでのスピードは日本チームが一番速かったそうですよ。

監督 福嶋正

二宮:チーム力は群を抜いていましたよね。
福嶋:今回のメンバーは2007年に大阪で行われた世界選手権の時からずっと固定されていたので、それがよかったのかもしれませんね。
二宮:短距離でメダリストを一度に2人も輩出するというのは快挙です。富士通は駅伝だけでなく、短距離や一般種目にまで力を入れています。
福嶋:富士通陸上競技部は創部から長距離だけではなく、短距離や跳躍などの一般種目や競歩にも力を注いできました。そういう中でオリンピックのリレーメンバーに伊東や苅部、土江、佐藤光浩と毎回代表者を出してきました。今回の塚原と高平の快挙は、創設以来引き継がれてきたことの結果だと思っています。

若手選手のマラソンへの挑戦に期待

二宮:北京五輪の快挙に続いて、今年元日のニューイヤー駅伝では9年ぶりの優勝を果たしました。塚原選手、高平選手の活躍に長距離の選手たちも刺激されたのではないでしょうか。
福嶋:それはあると思いますね。報告会などで会社から表彰された選手たちを見て、「自分たちもやらなきゃダメだ」と思ったはずです。そういった相乗効果が優勝という最高のかたちであらわれたのでしょう。