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二宮清純×FUJITSU SPORTS


二宮清純インタビュー フロンティアーズ(後編)

2009年4月22日

アメリカンフットボールの普及・浸透を

ヘッドコーチ 藤田智 藤田ヘッドコーチ

二宮:日本でアメフトを人気のあるスポーツとして、どの試合でも2、3万人を集めるためには何が必要でしょうか?
藤田:学生の場合は近い状況を作れるんじゃないかと思います。それはライバルの存在があるからです。学校を応援するというOB・OGもたくさんいますから、潜在的なファンの数はいますよね。関西学院大学と立命館大学や、日本大学と法政大学の試合でもかなりの人数を集めますし、学生王座決定戦の甲子園ボウルも万単位でお客さんを集めます。ただ、それ以外の試合では、かなり力の差があいてしまうことをみなさんご存知なので、全体のレベルが底上げされて力が拮抗してこないと厳しいのかなと思います。
二宮:フロンティアーズは全員が社員選手です。これはXリーグの中では富士通と鹿島、パナソニック電工の3チームのみ。仕事もありますから、選手たちはフルタイムで練習ができるというわけではない。時間の使い方を工夫しながら、という練習になりますね。
藤田:練習日は水曜日と週末の週3回です。ただ、ずっと練習と仕事だけでは、体力的に落ちてきてしまう。どうやって休養を取るかが重要です。また、平日は業務の関係で選手全員が揃わないこともあるので、そのへんのやりくりも大切ですね。
二宮:休養も大事だし、食事とかも大事ですよね。
藤田:トレーナーが選手たちに色々と教えてくれているので、各個人で管理するようにしています。
二宮:ヘッドコーチとしては、勝利の場合の選手へのインセンティブがあったほうがいいと考えますか?
藤田:いや、そこまであったら恵まれ過ぎです。仕事をしながらアメリカンフットボールもやらせてもらっているという環境だけで、本当に凄いこと。与えられた環境を十二分に使って結果を出すことが最初だと思います。
二宮:立場上、ヘッドコーチということですから、チームを勝利に導くということが第一の仕事。その一方で企業スポーツが冬の時代に入ったと言われています。かつて企業スポーツは社内に目を向けてはいたけれど、地域には目を向けていないことがあった。今後はもっと底辺拡大に力を入れなければいけません。
藤田:私は企業への視線と地域への視線、両面が大切だと思っています。たとえば企業にばかり目を向けてきたといっても、それでは各選手たちの周りで自分を応援してくれている人がどのくらいいるのか。その人たちから、またさらに知り合いの人へとファンの輪が段々と広がっていくように思うんです。特に富士通にはグループ17万人も社員のいる会社ですから、ひとつの街と変わらないわけです。その中に自分たちの場所があるのですから、まず、そこでより多くの方に応援していただけるようになることが大切です。そしてもうひとつ、地域の面で言えば、川崎市は今、アメリカンフットボールの普及に力を入れています。選手たちもイベントに参加させていただいていますし、OBの方を中心にフラッグフットボールのチームを作って、地元の小学生と交流しています。また授業のプログラムとしてフラッグフットボールを入れてもらっています。そこで興味を持ってくれた小学生が練習に来てくれて、試合にも来てくれるということもあります。富士通のフラッグフットボールチームの子供たちは、同じユニフォームでいつも応援に来てくれます。

学生レベルの環境整備が必須

二宮清純 二宮清純

二宮:サッカー部はもちろん全国にたくさんあります。ラグビー部もある程度、部があると思うんですが、高校のアメリカンフットボール部というのは少ないですね。
藤田:日本アメリカンフットボール協会からの発表によると、高校生の競技人口は4000人程度といいます。経済的負担や危険が伴うというハンデがあるかもしれませんが、それでもやりましょうと言ってくださる先生がいないと、なかなか難しいと思います。