【社内報特別企画第二弾 最年長選手対談】富士通レッドウェーブ 篠原選手×川崎フロンターレ 中村選手(後編)


2007年以来のWリーグ制覇に挑むレッドウェーブは10月4日のシーズン開幕に向け調整中。一方、3連覇を目指しリーグ4位、ルヴァンカップは準決勝戦へと勝負の終盤戦を迎える川崎フロンターレ。(9月27日現在)。

その両チーム最年長選手の対談として、前編ではフロンターレで17年目を迎えた中村憲剛選手に、レッドウェーブの篠原恵選手が最年長としての振る舞いやトップアスリートとして走り続ける秘訣などを聞きました。後編ではコートネームやマイブーム、ルーティンなどのプライベートについて語り合いました。

🔗 前編はコチラ

——中村選手はチームメートから「憲剛(けんご)」と呼ばれていますが、篠原選手は「リー」というコートネームが付いています

中村:なんて呼べば良い? 篠原ちゃん? 篠原さん? 恵ちゃん? 恵さん? リーさん?

篠原:何でもどうぞ(笑)。

中村:なんで「リー」なんですか?

篠原:英語で「leave it」、「私に任せて」という意味の頭文字をとり、コーチが「リー」と付けてくれました。

中村:いきなり「リー」と呼ばれて、「わたし?」みたいになったことはないのかな?

篠原:最近はありません。女子バスケ界ではコートネームで呼び合うことがとても多いので。フロンターレの選手は名前で呼び合っていますか?

中村:人それぞれですが、ガンバ大阪に移籍した鈴木雄斗選手と武岡優斗選手(現ヴァンフォーレ甲府)が同じ「ゆうと」だったので、チーム内で公募して「ラルフ」に決定したというエピソードはあります(笑)。

——篠原選手が聞きたいという「17年もの間、最前線で活躍を続けられた秘訣」を教えてください

中村:まず大きな怪我をしないこと、体のケアが大事だと思います。レギュラーに定着した20代当初からやるべきことをやり、プライベートの時間が削られたとしても、それを優先していました。一時は食事にも気を遣っていましたが途中からは気にしなくなり・・・色々経験した今だから言えるのはストレスを抱えるほうが良くないということ。リーさんは甘いものは好き?

篠原:好きです。

中村:体重が気になって食べないという人もいるけど、食べた分動けば良いと僕は思います。パフォーマンスに影響しない程度ならば、お菓子も食べるし、オフはお酒も飲みます。以前、ストイックになりすぎて失敗した経験があるので。

篠原:私も、オフには自分の好きなものを食べてストレス発散しています!

中村:そういう面でのメリハリをつけないとやっていけないよね。もちろん、ストイックに取り組んで成功する人もいるので否定はしませんけど。

——中村選手は試合前のルーティンがたくさんあるようで?

中村:今は違います。ルーティンを作り過ぎた時期があり、それに縛られて気にし過ぎた結果、神経質になり過ぎる必要はないという結論に達してしまった。勝つときも負けるときもあり、結局は自分次第。ルーティンはおまじないみたいなものという考えに変わった今は左足からピッチに入ることくらいかな。

篠原:試合前のロッカーではどのように過ごしていますか?

中村:ストレッチ。それと、みんなを見ている(笑)。じろじろ見るのでなく、様子を伺うような感じ。音楽を聞いていると自分だけの世界に入ってしまい、のりすぎて疲れることもあって30代前半でやめました。やめたら試合への気持ちの高め方も変わり、ロッカーでの視野が広がった。リーさんはルーティンありますか?

篠原:試合前にチームメイトの様子を伺うという考えは持っていなかったです。今シーズンから、ちょっと見てみようかな。ルーティンを強いて言えば、オロナミンCを飲むくらいです(笑)。

中村:オロナミンC! リーさんは音楽を聴く?

篠原:聴きます!

中村:気分が高まるでしょ?

篠原:はい。試合前は若い選手たちがわいわい楽しそうに話し、上の世代は音楽を聴いて集中しているという感じで人それぞれですね。

中村:時代だね。わいわいしても集中して臨んでも、アスリートは結果が全て。あくまでも勝つための雰囲気と空気感は先輩がつくるものだと思っています。それを若い世代に感じさせるのも先輩の役割。リーさんが30リバウンド、30得点すれば、みんなは話を聞くでしょ。「どうすれば、そんなパフォーマンスができるんですか」って。リーさんがチームの中心でプレーできるように準備し、年齢的にも周りを育てないといけない。

——お二人の最近のマイブームは?

中村:いまさらながらネットフリックスで「テラスハウス」を見ています。まだハワイ編ですが、リーさんは見ていましたか?

篠原:私も「テラスハウス」は好きで全部見ています。何がきっかけで見始めたのですか?

中村:クラブハウスで一度見たらおもしろかった(笑)。家ではほとんどテレビを見ないので、アウェー試合の移動時間に見ています。子供が3人いると、お稽古に連れて行ったり、勉強を手伝ったりしてなかなか時間がとれません。リーさんのマイブームは?

篠原:お子さんとの時間は羨ましいです。私の最近のマイブームは岩盤浴です。

中村:汗を流すのは良いけど、疲れない?

篠原:リラックスできるので疲れませんね。水風呂も好きで、スーパー銭湯にも行きます。

中村:流行りの「サウナー」ですね(笑)。

篠原:競技によって練習スタイルが違うと思いますが、サッカーはどんな感じですか? 私達はほぼ一日練習しています。

中村:基本は午前中で練習が終わり、午後3から4時には家に帰るかな。しかし、一日練習しているリーさん達はすごいね。何とか報われたいし、優勝したいよね。他チームもそうなの?

篠原:ほぼそうだと思います。バスケットボールはこういう環境なので、選手寿命が短い理由の一つなのかもしれません。

中村:なるほどね。寮ではメンバーと一緒ですか?

篠原:私のようにひとり暮らしをしている選手もいます。フロンターレは何歳まで寮に住めるのですか?

中村:高卒3年目くらい、今の入寮者は3人~4人しかいないかな。その後はひとり暮らしをしたりで、自由な時間を自分でコントロールしないといけない。

篠原:私も一人暮らしを始めて、自由な時間をコントロールすることが大変だと感じました。初めは苦労しましたが、今は自然にコントロールできています。

中村:どれだけ自分に時間をかけられるかで、結果は違ってくるから。

——時間をかけるというところで、中村選手はお肌のケアにも余念がないのでしょうか?

篠原:室外競技なのに、顔にシミがないのはなぜですか?

中村:そこまで考えたこともないよ(笑)。洗顔後は化粧水と乳液で潤す程度。練習前は日焼け止めを塗り、夏場は長袖を着て日焼けを避ける。ここ数年の異常な暑さはやけどして夜眠れなくなってしまうから。よく汗をかくので新陳代謝は良いと思うよ。

篠原:サッカーは屋外で天気にも左右されますが、暑さと涼しさではどちらが良いですか?

中村:涼しいほうがやりやすいよね。体育館は冷房が効いていますか?

篠原:はい。たまに寒いくらいです(笑)。

中村:それなら、午前と午後の2部練習できちゃうね(笑)。

——これまでに競技をやめたくなったことはありますか?

中村:ありません! 厳しい練習後に「もう無理」みたいなことは何度もあるけど(苦笑)。辞めた後を考えたことは一度もないし、考えるときは本当に辞めるとき。リーさんも、好きなように動ける時期を大事にしてほしいし、今こそ伸びるときだと思う。最年長になって何年ですか?

篠原:2年です。

中村:まだ最年長とはなんぞや、という境地に立っていないだろうし、3年目でチームが勝てなかったら自分からアクションを起こさないといけない気がする。それはプレー面なのか生活面なのか、はたまたロッカールームでの振る舞いなのかはわからないけど。最年長は愚痴をこぼせる相手がいないので、誰かひとり相談できる人がいるといいよね。自分にとっては嫁さんだけど。

篠原:最年長の自覚と責任を感じながら日々取り組んでいます。試合に勝ちきれないということは何かを変えなければならないし、結果にもこだわっていきたい。今はバスケ中心の生活なので。

中村:毎日完全燃焼して自問自答しながらできるのか。自分はこの年齢になっても上手くなりたいと思って毎日サッカーをしている。自分次第でいくらでも上手くなれるんだよね。チームのことを考えすぎて伸びていないと感じたら、自分の成長にフォーカスするのも良い。100本、200本打てとは言わないけど、自分が伸びることで周りも伸びると理解してほしい。何度も言うけど、最年長は誰からも言われないので、自分で自分のお尻をたたかないといけない。今シーズンのリーさんが楽しみ、注目してます!

篠原:またぜひ試合観戦にいらしてください!

中村:そうだね、2015年12月の代々木(*)以来なので行きたいね。試合日程を見ると土日ばかりだけど、行けるようにします!
(*)2015年12月11日 第17回Wリーグ レギュラーシーズン 1次ラウンド JX-ENEOSサンフラワーズ戦(国立代々木競技場第二体育館)

——最後に、FUJITSU SPORTSへメッセージをお願いします

中村:企業がスポーツを支援するのはスポーツにしかない魅力と可能性があるからで、自分たちは成果、結果を出す義務があります。雇う雇われでなく、自分たちが発信することで富士通が盛り上がる関係性を築いていきたいですし、フロンターレとして可能な限り携わっていたいです。強化運動部だけでなく、どの運動部も応援しているので結果も気になりますし、ニューイヤー駅伝で富士通という文字を見ると注目します。フロンターレのサポーターも「今回の対談をきっかけに篠原選手を応援に行こう」という行動につながると思います。

篠原:ありがとうございます! 憲剛さんの話を聞いて、今年こそ変わった姿を見せられるように頑張らねばと痛感しました。スケジュール的に難しいとは思いますが、会場にいらしてチームを後押ししていただけたら嬉しいです。

中村:これからもこういう選手対談など含めて、もっとコラボしていきましょう! そして、富士通社内報を読んでくれる人が仲間を募って、レッドウェーブ、フロンターレを応援してくれたら良いよね。お互いに頑張りましょう!

ベテランとして自身の経験を踏まえながら真摯に助言する中村憲剛選手。発言の全てが胸に刺さり勉強になったと刺激を受けた篠原選手。インタビューにおいて、中村憲剛選手の「最年長は相談できる人や愚痴をこぼせる人がいない」が印象的でした。

フロンターレはJ1第28節として、10月6日(日曜日)19時からShonan BMW スタジアム平塚にて、湘南ベルマーレと対戦します。
レッドウェーブは10月4日(金曜日)19時から大田区総合体育館にて、JX-ENEOSサンフラワーズとの開幕戦です。

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【社内報特別企画 第二弾 最年長選手対談】富士通レッドウェーブ 篠原選手×川崎フロンターレ 中村選手(前編)


昨年11月に反響いただいた富士通フロンティアーズと川崎フロンターレのキャプテン対談に続き、リーグにおいて「日本一奪還を誓うレッドウェーブ」と「3連覇を目指すフロンターレ」の最年長選手の対談を実施しました。

フロンターレで17年目を迎えた今シーズン、史上10人目となるJ1通算450試合出場を達成した中村憲剛選手に、2007年以来のWリーグ制覇に挑むレッドウェーブの篠原恵選手がチーム最年長としての振る舞いや悲願の初優勝への思い、トップアスリートとして走り続ける秘訣などを聞きました。なお、本企画は後編の掲載も予定しています。

——両チームの現状を教えてください

中村:リーグ3連覇を目指す中、対戦相手も対策を立てホームゲームで勝ち点1を取ることができれば御の字という戦い方をしてくるので包囲網のようなものもあり、チーム全体でここからもう一段階上の力を出して乗り越えないと達成できないと感じています。

篠原:一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(以下、Wリーグ)のシーズンは毎年10月頃から約半年間で、今年は10月4日に開幕します。チームは4月から始動し、ファイナルへの出場、そして優勝を目指して取り組んでいます。

——シーズン前に毎回心掛けていることは?

中村:毎年メンバーが入れ替わり、加えて監督も代わることもあるチーム編成において、チームと個人それぞれの目標にどうやって向かっていくかを日々考え、その作業を17年間繰り返してきました。自分が試合に出て成長することを大前提に行動してきましたし、
それはこれからも変わりません。しかし、バスケの運動量はすごい、ずっと走っているよね。

篠原:いやー、フロンターレの試合は時間が合えば応援に行っていますが、サッカーの方が見ていて苦しそうで大変だと思います。

中村:サッカーはバスケほどの狭いコートでダッシュを繰り返しません(笑)。バスケはスピード感と迫力感がものすごい!! ずっとボールを持っていられないし、反則も細かいので大変ですよね。

篠原:力の出し抜きの差は大きいですか?

中村:そこらへんのメリハリは、もう少し年齢を重ねると見えてくるものがあると思います。

——年長者として、チームへのアプローチ方法のコツはありますか?

中村:篠原選手は27歳で最年長?リーグ全体で30歳以上の選手はどのくらいいるのですか?

篠原:近年、どのチームも若返り、リーグ全体を見渡しても最年長は30歳前後です。年長者として心掛けていることを教えてください。

中村:僕はサッカーが好きで上手くなりたいし、メンバー間の競争の中でどうやってチームに結果をもたらせるかを考える作業が楽しいから続けている。必要とされないとやり甲斐がないので必要とされるための努力はし続けないといけない。年齢でなく、みんな同じ気持ちだと思うけどね。篠原選手はバスケ好きでしょ?

篠原:好きです‼

中村:上手くなりたいよね?そのために練習して試合に出て勝ちたい。勝ち負けは仕方がないけど、その過程でどこまでやり尽くしたかということ。負けて泣くのは、やり切れていないという後悔の涙。鬼さん(鬼木監督)が監督になり、後悔がないようにという方針から優勝を手繰り寄せることができた。負けた歴史もある意味で学びだと思う。チーム全体で「自分たちが優勝する」という空気を本気で持てるかはとても大事。それを作り、引っ張るのはヘッドコーチであり、キャプテンであり、周囲への気配りが必要な最年長選手の役割じゃないかな。​篠原選手は真ん中で立って攻守するプレーから全体が見えるよね。コート内では「ああしたらいい、こうしたらいい」と言い、コート外では若手選手への声掛けをする。23、24歳の選手が周りに声を掛けるのとは違い、ひと言の意味が大きいので、何でもかんでも言えばいいわけじゃない。

——そのあたりのタイミングや意識する部分は?

中村:ロッカールームではチームメイトであり、競争相手なので独特な空気感。その中で試合に出る選手、若手、中堅など色々な選手を見ている。タイミングはそのときの思いであったり、熟考する場合もある。なりふり構わず声を掛ければいいものでもなく、選手の性格、個性、年齢に合わせてアプローチを変えている。向き合い方が変化したのは30歳を過ぎてからかな。篠原選手は?

篠原:自分から積極的に雰囲気を作るのは得意ではないので、いつも悩ましく思っています。

中村:男女ではコミュニケーションが違うので一つ言えるのは、そのアドバイスはチームと選手が良くなるためのものなのかどうか。
チームが強くなるために最年長が熟考し信念を持って考えた結果の言動に悪いことはないと思う。「ご飯行こう」でもいいし、コートの隅で話すのでもいい。ただ、そういう振る舞いは仲間が見ているのでタイミングと場所がとても大事。僕は基本的にクラブハウス以外でそこまでのコミュニケーションはとらないなぁ。家族がいるし、クラブハウス内で片付けられることは片付けたいタイプです(笑)。

——篠原選手と同じ27歳の頃はどうでしたか?

中村:自分が一番という若者特有のプライドもあり、結構ピリピリしていたかもしれません。年齢を重ねてだいぶ穏やかになったかな。
当時は日本代表にも入り先頭に立って話す機会からメディアの露出が増え、何を書かれるかわからないという恐怖感もあった。自分の
言葉から、色々な感じ方や受け方をされるのでオブラートに包めば良かったなぁということもありました。レッドウェーブには厳しいことを言い合える空気感はある?

篠原:意見交換という感じで、強く言うことはありませんね。

中村:若いときは先輩たちに言われたのでは?それともずっと変わらない?

篠原:言われたこともありますが、基本はコーチ陣が指摘します。

——レッドウェーブの新シーズンの目標は?


篠原:まずはファイナルに出ることです。プレーオフの制度が変わってから勝てていません。以前はベスト4からセミファイナルでしたが、
昨シーズンから4位のチームは5位と8位の勝者と対戦し、勝ってセミファイナル進出となります。昨シーズンは、レギュラーシーズン
5位でしたが、プレーオフで8位のチーム(東京羽田ヴィッキーズ)に負けてセミファイナルに行けませんでした。

中村:下位チームにジャイアントキリング(番狂わせ)を食らっちゃたんだ。

篠原:レギュラーシーズンは4強に入るのですが、近年、移籍制度の緩和などから他チームも強化してきているので、確実に力をつけて
いかないとどうなるかわからない状況です。

中村:フロンターレはクラブが強くなる過程で最初はトップ10を狙い、トップ5、ACL圏内、優勝と目標が変わっていった。優勝したら連覇、今は3連覇と目標だけでなくチーム、サポーター、スタジアムの空気も変わった。結果を出したチームが期待されるのは当然で、今は勝って当たり前の空気が流れ「なぜ勝てないんだ」と言われてしまう。篠原選手自身の目標は?

篠原:チーム同様、ファイナルに出場することです。

中村:そこだよね。直近の成績は?

篠原:2016年シーズンは全日本総合選手権大会で準優勝しましたが、Wリーグは2015年シーズン以降、ファイナルに出場できず悔しい
思いをしています。

中村:3年連続でプレーオフ敗退は悔しいね。自分も15年の歴史で8回優勝できなかったので、もう勝てないのかな?と思ったけど、
その末に優勝できた。

篠原:悔しい思いを繰り返して優勝されましたが、どんなことが変わったのでしょうか?

中村:勝っていくことで目標が変わる。数年は風間監督の指揮のもと、チームに特色がついて土台ができあがり評価されても勝てない時期が続いた。その風間監督の下にいた鬼さんがコーチで自分はキャプテンとして「あれが足りない、これが足りない」という話をしてきて
2017年に鬼さんが監督になり、自分はキャプテンを外れた。攻撃に加えて守備という課題が共有され、失点してはいけない時間帯に失点しないチームを作ろうと。鬼木監督になり「それをやらないとダメでしょ」という声が選手間で出始め、試合で勝てるようになり自信もついてきた。攻撃面に守備面も向上し失点も少なく、攻守のバランスを高次元に保つチームに優勝が転がり込んできた。

篠原:レッドウェーブは昨シーズン、連戦の初戦で勝利するも、翌日の2戦目に勝ちきれない状況が続きました。

中村:「なんでこうなるのか」とヘッドコーチやキャプテン、最年長の篠原選手がチームの問題点を挙げ、リレーションを構築し、若い選手たちに伝えて勝つチームをつくっていく。1戦目に勝ち、2戦目に負けることが多いのは客観的にアクションがないのではないかな?
フロンターレは優勝するまで詰め切れていなかった。8度の銀メダルは偶然ではなく必ず理由がある。8回も優勝を逃しているのは自分
しかいないので、理由の一つは自分の存在だと思うこともあった。プレーを見ると硬く、空回りし、周りも気負ったりしていた。一昨年の
リーグ戦優勝を逃したら終わりだと思っていた。タイトルを獲るためには自分が辞めるしかない、邪魔をしているのかもしれないとまで考えた。でも、そうじゃなかった。みんなで勝つ空気を作ったことで優勝でき、今はその呪縛から抜けて楽になった。

——今シーズンは、その抜けた後の苦しみも・・・


中村:これはしょうがない。スポーツに勝ち負けはあるしサイクルもある。個人もチームも年を重ねて流れが変わっていく。レッドウェーブは今のメンバーでファイナルまで出場するために1戦目勝って、2戦目勝つという空気をつくれる立場に篠原選手はいると思う。3年連続で負けているなら、自分たちで何かを変えていかないとね。

篠原:頑張ります‼

中村:ここまでずーっと自分がしゃべっているけど、大丈夫だったのかな?(笑)

フロンターレはJ1第26節として、9月14日(土曜日)19時からホーム等々力陸上競技場にて、ジュビロ磐田と対戦します。
レッドウェーブは10月4日(金曜日)19時から大田区総合体育館にて、JX-ENEOSサンフラワーズとの開幕戦です。
両チームに大きな声援を届けましょう!

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角一哲児S&Cアドバイザー、世界基準のチーム強化。「レッドウェーブの選手たちは伸びしろがたくさんある」


今シーズンからレッドウェーブに、強力な助っ人(?)が加入した。試合中、ベンチから少し離れたところでジッとゲームを見入っているスキンヘッドの男性。彼こそが今シーズンからレッドウェーブのストレングスコーチ(正確にはストレングス&コンディショニング「S&C」アドバイザー)となった角一哲児(かくいち・てつじ)さんだ。

現在は、株式会社ニシ・スポーツからの派遣という形でチームを見ているが、レッドウェーブ以外にもテコンドーの日本代表も担当。レスリングにおいては日本代表のストレングスコーチとして2016年の世界大会にも帯同している。

今回は笑顔がステキで、食べることが大好きという角一S&Cアドバイザーを直撃した。

――角一S&Cアドバイザーは、どういう経緯でS&Cコーチになられたのですか?

私の経歴はなかなか面白くて、広島県で高校野球の名門と呼ばれる高校に推薦で入ったんです。しかし高校2年生の終わりごろ、あと8か月くらいで引退というときにトラックに轢かれる交通事故に遭って、バットを振ることさえできなくなったんです。大学に進学したいと思っていたので、学校の先生や顧問に相談して、そこからアメフト部に転部して、大学もそのままアメフトの推薦で入ることができました。大学卒業後はXリーグの五洋建設パイレーツ(現在の明治安田PentaOceanパイレーツ)に入って、プレーしていました。

――Xリーグでプレーしていたんですか? 富士通とは浅からぬ縁ですね

そうですね。そして、現役を引退した後は地元の広島に戻って、おまわりさんになったんです。もともとはトレーニングの仕事をしたかったのですが、当時はまだS&Cコーチはお金にならないと言われている時代だったので、生活をするためにおまわりさんになったんです。でも30歳手前で「これからの人生をどうするかな?」と考えたときに、一念発起して、学校にもう一度通い直し、この道に進もうと決めました。
周囲からは反対されましたが、「必ず世界で活躍できるようなストレングスコーチになる」と言って、警察を辞めたんです。そして2016年に、レスリング日本代表のストレングスコーチとしてリオデジャネイロに行くことができました。

――それがどうしてレッドウェーブに?

私が今所属するニシ・スポーツから声をかけていただいたんですね。その業務提携先として、今シーズンからレッドウェーブを見させていただいています。

――トレーニングの仕方や取り組み方はプレーに表れるものですか?

はい。女性は元々抑制のかかる生き物なんですね。女性アスリートがなぜトレーニングをするかといえば、その抑制を取り払うためなんです。つまりはリミッター(限界値)を外して初めて、女性アスリートは力を発揮できるんです。レッドウェーブを見始めた当初は選手たちのなかにリミッターがあって、そのなかでしか力を発揮していませんでした。ですからそこは間違いなくプレーにも影響します。トレーニングで力を発揮できずに、バスケットだけ力を発揮するなんてことは簡単にできるものではありません。万が一それでも成績が上がるのであれば、よほどの経験とバスケットの技術で補っているだけです。選手たちがリミッターを外すことができれば、今以上に強くなれるということです。

――S&Cコーチの視点から、今後のレッドウェーブの課題は何でしょう?

下半身の強さでしょう。ジャンプ力もダッシュも横方向の動きもすべて下半身から生まれるものですが、その下半身の力を出すときの感覚がまだ少し弱いかなと。でも継続してトレーニングを徹底していけば、来年・再来年あたりにはもっといいチームになっているだろうなという実感はあります。彼女たちには、まだまだ伸びしろがたくさんあります。

――リオデジャネイロでのレスリング選手の活躍を思えば、その言葉が頼もしく感じます

メダルを獲った女子選手を見ているからこそ、レッドウェーブの選手たちにもトレーニングに対する意識を高めてほしいと思うわけです。自己紹介で「レスリングの日本代表を見ていました」と言ったとき、選手たちはたぶん「バスケットとレスリングでは競技が違うでしょ」という感覚があったと思うんです。でも私は以前、日本体育大学のバスケット部に携わっていましたし、私がやっていたアメリカンフットボールとバスケットでは動きが似ているところもある。その視点で言えば、レスリングとバスケットは同じなんです。

――競技特性は違いますが、レスリングもバスケットもフィジカルコンタクトのあるスポーツですし、ストレングスのベースは同じということですか

そうです。もちろん試合時間は異なりますし、体の動かし方も違う部分はあるのですが、基本的な動き、たとえば股関節の使い方だとか、肩の使い方などはすべて同じです。まずはそこができて、そのうえで競技に特化した動きができるか、という話になるんです。

――つまりは現時点のレッドウェーブは、すべてのスポーツに通じるベースの部分もまだ改善点があると

そういうことです。たぶん、そこが彼女たちには抜け落ちているんです。競技に特化した動きについてはスムーズに身につけられると思いますが、それ以前のベースの部分が今はまだ理解できていないと思います。それでも、だいぶん変わってきたと思います。だからこそ絶対に伸びしろがあると思っているんです。もちろんシーズン中の今は、即効性のあるトレーニングに取り組んでいます。ただそれは即効性こそありますが、伸びしろのないものなんです。やがて頭打ちになるので、結局はベースになる部分を伸ばしていかないといけません。もちろんベースになる部分のトレーニングにも取り組んでいますが、それが結果として出てくるのは来年、再来年あたりだろうと思います。本当にこれからが楽しみな選手たちですね。

――最後に少しだけパーソナルなお話を聞かせてください。普段から明るく、チームでも「カクさん」と呼ばれるなど、早くも「いじられ役」という印象があります

基本的に笑顔を絶やさないよう、意識的にしています。体格的にも風貌的にも見てのとおりですから(写真参照)、表情までいかつくなってしまうと、周りからもバリアを張られてしまうんです。人といるときはなるべく笑顔でいることで、周りの人たちも心を開いて話してくれるかなと。

――いい笑顔です。以前、遠征先で小滝ヘッドコーチと食べ物のことで盛り上がっていましたね。食べることは好きですか?

大好きですね。仕事柄、自分の体が名刺代わりみたいなところがあるので、しっかり食べて、空いている時間は自分のトレーニングをしっかりすることは欠かさずやっています。ですから食べることを怠ると体が小さくなるので、食べることも好きになっている、といったほうがいいかもしれませんね。

普段は笑顔で接してくれる角一S&Cアドバイザーだが、トレーニングの話になるとやはりプロの厳しい目になる。話を聞いていて、レッドウェーブにはまだまだ伸びしろがあるのかとワクワクしてきた。

バスケットで求められるフィジカルは一朝一夕でできあがるものではない。選手たちはこれまでも厳しいトレーニングに励んできたが、世界基準を知る角一S&Cアドバイザーを得たことで、彼女たちの身体はさらに世界基準へと近づいていく。それはつまり日本の頂点に近づくということでもある。
頼むぞ、カクさん!

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#16 栗林未和:クゥ「(小さな声で)新人王目指してなんとかがんばります…」/2017-2018シーズン新人特集


#16 栗林未和 コートネーム:クゥ
#16 栗林未和 コートネーム:クゥ

昨年まで札幌山の手のエースとして、高校バスケット界で注目を集めてきたセンターがレッドウェーブ入り。188センチの長身は、#14マリ(橋詰)の183センチ、#12リー(篠原)の185センチを超えるチーム最高身長。今シーズンから手薄になったインサイドの中心として、チームの未来も託される。個人では国際大会も経験。シュートやリバウンドなど基礎に加えて、将来的にはシュートレンジの拡大、俊敏性・持久力アップなどにも期待!

――チームに入って半年以上が経ちましたが、Wリーグや生活には慣れましたか

先輩たちに引っ張っていただいて、何とかついていっている状態です。「今できることを精一杯やればいい」と言われているので、がむしゃらにやっているところですね。試合では自分のところでうまくいかない時があるので、まだまだ未熟だなと感じていますが、その分どこかで補えるように少しでもできることを増やしたいと思っています。

――北海道からやってきて感じていることはありますか?

思っていたより寒い……。「(関東は)全然寒くないでしょ」って言われるんですけど、全然寒いです。雪とか降ったら明らかに寒いじゃないですか。言うなれば、こっちは“ずっとそのまま寒い”みたいな、“わけもなく寒い”みたいな。
(※意味が通じるかどうかはさておき、本人談)

――バスケットボール以外の趣味はありますか?

最近はボーリングにけっこう行きますね。特にスコアとかを目指しているわけじゃないですが、もともと札幌にいる時は行っていて、しばらく行けなかったので再開した感じです。

――好きなミュージシャンは誰ですか?

星野源さんが好きです。恋ダンスは…踊れません。

――試合前によく聞く曲などあったら教えてください

その時々なのであまり決まっていません。テンションが上がるような曲ですね。WANIMAさんとか、“アガる系”かな。

――ジンクスやゲン担ぎで必ずやっていることがありますか?

そこまでこだわりは無いですが、なんとなくテープを巻くのも靴を履くのも、左足からやります。こだわりを作らないのがこだわりです。

――初任給は何に使いましたか?

パソコンを買いました。それをお母さんにLINEのメッセージで相談しようとしたら、間違ってレッドウェーブのグループに「パソコン買おうと思うんだけどいいかな?」って送ってしまい、みんなに見られて後でめちゃくちゃいじられました。

――お休みの日はどんなことをして過ごしていますか?

映画を見に行ったり、買い物したり、寮からなるべく出るように心がけています。映画は月に2~3回程度見ますね。最近見た中では、『湯を沸かすほどの熱い愛』は、すごく感動して泣きました。あとは『チアダン』も、最後めっちゃ泣きましたね。

――1年目の目標を最後に

(小さめの声で)新人王、目指してがんばります…。何とかがんばりたいです。

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#3 梶原理奈:アス「謙虚に、ひたむきに、コツコツと」を忘れずに/2017-2018シーズン新人特集


#3 梶原理奈 コートネーム:アス

177センチのサイズがありながらも、高確率の3Pシュートを武器とするフォワード。インサイドもアウトサイドもこなすプレーは、チームが目指すスタイルにもマッチしており、ハマれば大きな活躍が期待できる。ひとまず1年目は、与えられた出場機会の中で積極的にシュートを放ち、得点に絡む動きをするのが当面の目標。シュート力とディフェンスを強化し、ポジション獲得に向かって先輩たちに負けないだけの力をつけたい。

――コートネームは「アス」ですが由来は?

『向上心』という意味の英語『aspiration(アスピレーション)』から取りました。私はウィルさん(#15山本)に昔から憧れていて、その話を小滝ヘッドコーチにしたら、ウィルさん(#15山本)本人がつけてくださったんです。

――何か趣味はありますか?

写真を撮るのと散歩するのが好きなので、散歩しながら携帯や一眼レフで写真をよく撮ります。一眼レフは高校生の時に、「どうしても欲しい」と親にお願いして、ひとつ買ってもらいました。もともと空を見るのが好きだったので、高校の時は部活前後に夕日の写真を撮ったりしていました。

――社会人になって変化を感じるのはどんなところですか

「やっぱりプロだな」と思うことがたくさんありますね。バスケの練習でも切り替えが速かったり、すべての切り替えが速い。最初はそこになれるの大変でした。練習量も多くなって大変ですね。

高校時代は、体のケアも全然やっていませんでしたが、社会人では基本的な体のケアは自分でやるものだと、トレーナーさんに教えてもらいました。最初はなかなか継続できませんでしたが、筋トレの後など筋肉痛を残さないようにマッサージして、次の日の練習に向けて良い準備をするように心がけています。

――現在取り組んでいる課題は何ですか?

自分はシュートが得意なのでスリーポイントを決められるように、今は頑張っています。それから、ディフェンスも少しずつ頑張るようにしています。少しずつ、ですね。

――初任給は何に使いましたか?

恩師に枕を買ったのと、出身校である埼玉栄高校のバスケ部にトレーニング器具を寄付することになって、その購入費用の一部の負担するのに使いしました。それで給料がなくなっちゃって、ちょっと大変だったんですけどね…。器具は今でも使ってもらっているので良かったかなと思っています。在校生は、トレーニングが大変になって嫌がってるかもしれないんですけど…。

――1年目の選手としての意気込み、どんなプレーをしたいと思っているか教えてください

私は今まで「謙虚に、ひたむきに、コツコツと」という言葉を大切にしてきました。それを常に心に置いてプレーしてきたので、それを社会人でも忘れないように継続して、頑張っていきたいと思います。

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