角一哲児S&Cアドバイザー、世界基準のチーム強化。「レッドウェーブの選手たちは伸びしろがたくさんある」


今シーズンからレッドウェーブに、強力な助っ人(?)が加入した。試合中、ベンチから少し離れたところでジッとゲームを見入っているスキンヘッドの男性。彼こそが今シーズンからレッドウェーブのストレングスコーチ(正確にはストレングス&コンディショニング「S&C」アドバイザー)となった角一哲児(かくいち・てつじ)さんだ。

現在は、株式会社ニシ・スポーツからの派遣という形でチームを見ているが、レッドウェーブ以外にもテコンドーの日本代表も担当。レスリングにおいては日本代表のストレングスコーチとして2016年の世界大会にも帯同している。

今回は笑顔がステキで、食べることが大好きという角一S&Cアドバイザーを直撃した。

――角一S&Cアドバイザーは、どういう経緯でS&Cコーチになられたのですか?

私の経歴はなかなか面白くて、広島県で高校野球の名門と呼ばれる高校に推薦で入ったんです。しかし高校2年生の終わりごろ、あと8か月くらいで引退というときにトラックに轢かれる交通事故に遭って、バットを振ることさえできなくなったんです。大学に進学したいと思っていたので、学校の先生や顧問に相談して、そこからアメフト部に転部して、大学もそのままアメフトの推薦で入ることができました。大学卒業後はXリーグの五洋建設パイレーツ(現在の明治安田PentaOceanパイレーツ)に入って、プレーしていました。

――Xリーグでプレーしていたんですか? 富士通とは浅からぬ縁ですね

そうですね。そして、現役を引退した後は地元の広島に戻って、おまわりさんになったんです。もともとはトレーニングの仕事をしたかったのですが、当時はまだS&Cコーチはお金にならないと言われている時代だったので、生活をするためにおまわりさんになったんです。でも30歳手前で「これからの人生をどうするかな?」と考えたときに、一念発起して、学校にもう一度通い直し、この道に進もうと決めました。
周囲からは反対されましたが、「必ず世界で活躍できるようなストレングスコーチになる」と言って、警察を辞めたんです。そして2016年に、レスリング日本代表のストレングスコーチとしてリオデジャネイロに行くことができました。

――それがどうしてレッドウェーブに?

私が今所属するニシ・スポーツから声をかけていただいたんですね。その業務提携先として、今シーズンからレッドウェーブを見させていただいています。

――トレーニングの仕方や取り組み方はプレーに表れるものですか?

はい。女性は元々抑制のかかる生き物なんですね。女性アスリートがなぜトレーニングをするかといえば、その抑制を取り払うためなんです。つまりはリミッター(限界値)を外して初めて、女性アスリートは力を発揮できるんです。レッドウェーブを見始めた当初は選手たちのなかにリミッターがあって、そのなかでしか力を発揮していませんでした。ですからそこは間違いなくプレーにも影響します。トレーニングで力を発揮できずに、バスケットだけ力を発揮するなんてことは簡単にできるものではありません。万が一それでも成績が上がるのであれば、よほどの経験とバスケットの技術で補っているだけです。選手たちがリミッターを外すことができれば、今以上に強くなれるということです。

――S&Cコーチの視点から、今後のレッドウェーブの課題は何でしょう?

下半身の強さでしょう。ジャンプ力もダッシュも横方向の動きもすべて下半身から生まれるものですが、その下半身の力を出すときの感覚がまだ少し弱いかなと。でも継続してトレーニングを徹底していけば、来年・再来年あたりにはもっといいチームになっているだろうなという実感はあります。彼女たちには、まだまだ伸びしろがたくさんあります。

――リオデジャネイロでのレスリング選手の活躍を思えば、その言葉が頼もしく感じます

メダルを獲った女子選手を見ているからこそ、レッドウェーブの選手たちにもトレーニングに対する意識を高めてほしいと思うわけです。自己紹介で「レスリングの日本代表を見ていました」と言ったとき、選手たちはたぶん「バスケットとレスリングでは競技が違うでしょ」という感覚があったと思うんです。でも私は以前、日本体育大学のバスケット部に携わっていましたし、私がやっていたアメリカンフットボールとバスケットでは動きが似ているところもある。その視点で言えば、レスリングとバスケットは同じなんです。

――競技特性は違いますが、レスリングもバスケットもフィジカルコンタクトのあるスポーツですし、ストレングスのベースは同じということですか

そうです。もちろん試合時間は異なりますし、体の動かし方も違う部分はあるのですが、基本的な動き、たとえば股関節の使い方だとか、肩の使い方などはすべて同じです。まずはそこができて、そのうえで競技に特化した動きができるか、という話になるんです。

――つまりは現時点のレッドウェーブは、すべてのスポーツに通じるベースの部分もまだ改善点があると

そういうことです。たぶん、そこが彼女たちには抜け落ちているんです。競技に特化した動きについてはスムーズに身につけられると思いますが、それ以前のベースの部分が今はまだ理解できていないと思います。それでも、だいぶん変わってきたと思います。だからこそ絶対に伸びしろがあると思っているんです。もちろんシーズン中の今は、即効性のあるトレーニングに取り組んでいます。ただそれは即効性こそありますが、伸びしろのないものなんです。やがて頭打ちになるので、結局はベースになる部分を伸ばしていかないといけません。もちろんベースになる部分のトレーニングにも取り組んでいますが、それが結果として出てくるのは来年、再来年あたりだろうと思います。本当にこれからが楽しみな選手たちですね。

――最後に少しだけパーソナルなお話を聞かせてください。普段から明るく、チームでも「カクさん」と呼ばれるなど、早くも「いじられ役」という印象があります

基本的に笑顔を絶やさないよう、意識的にしています。体格的にも風貌的にも見てのとおりですから(写真参照)、表情までいかつくなってしまうと、周りからもバリアを張られてしまうんです。人といるときはなるべく笑顔でいることで、周りの人たちも心を開いて話してくれるかなと。

――いい笑顔です。以前、遠征先で小滝ヘッドコーチと食べ物のことで盛り上がっていましたね。食べることは好きですか?

大好きですね。仕事柄、自分の体が名刺代わりみたいなところがあるので、しっかり食べて、空いている時間は自分のトレーニングをしっかりすることは欠かさずやっています。ですから食べることを怠ると体が小さくなるので、食べることも好きになっている、といったほうがいいかもしれませんね。

普段は笑顔で接してくれる角一S&Cアドバイザーだが、トレーニングの話になるとやはりプロの厳しい目になる。話を聞いていて、レッドウェーブにはまだまだ伸びしろがあるのかとワクワクしてきた。

バスケットで求められるフィジカルは一朝一夕でできあがるものではない。選手たちはこれまでも厳しいトレーニングに励んできたが、世界基準を知る角一S&Cアドバイザーを得たことで、彼女たちの身体はさらに世界基準へと近づいていく。それはつまり日本の頂点に近づくということでもある。
頼むぞ、カクさん!

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#16 栗林未和:クゥ「(小さな声で)新人王目指してなんとかがんばります…」/2017-2018シーズン新人特集


#16 栗林未和 コートネーム:クゥ
#16 栗林未和 コートネーム:クゥ

昨年まで札幌山の手のエースとして、高校バスケット界で注目を集めてきたセンターがレッドウェーブ入り。188センチの長身は、#14マリ(橋詰)の183センチ、#12リー(篠原)の185センチを超えるチーム最高身長。今シーズンから手薄になったインサイドの中心として、チームの未来も託される。個人では国際大会も経験。シュートやリバウンドなど基礎に加えて、将来的にはシュートレンジの拡大、俊敏性・持久力アップなどにも期待!

――チームに入って半年以上が経ちましたが、Wリーグや生活には慣れましたか

先輩たちに引っ張っていただいて、何とかついていっている状態です。「今できることを精一杯やればいい」と言われているので、がむしゃらにやっているところですね。試合では自分のところでうまくいかない時があるので、まだまだ未熟だなと感じていますが、その分どこかで補えるように少しでもできることを増やしたいと思っています。

――北海道からやってきて感じていることはありますか?

思っていたより寒い……。「(関東は)全然寒くないでしょ」って言われるんですけど、全然寒いです。雪とか降ったら明らかに寒いじゃないですか。言うなれば、こっちは“ずっとそのまま寒い”みたいな、“わけもなく寒い”みたいな。
(※意味が通じるかどうかはさておき、本人談)

――バスケットボール以外の趣味はありますか?

最近はボーリングにけっこう行きますね。特にスコアとかを目指しているわけじゃないですが、もともと札幌にいる時は行っていて、しばらく行けなかったので再開した感じです。

――好きなミュージシャンは誰ですか?

星野源さんが好きです。恋ダンスは…踊れません。

――試合前によく聞く曲などあったら教えてください

その時々なのであまり決まっていません。テンションが上がるような曲ですね。WANIMAさんとか、“アガる系”かな。

――ジンクスやゲン担ぎで必ずやっていることがありますか?

そこまでこだわりは無いですが、なんとなくテープを巻くのも靴を履くのも、左足からやります。こだわりを作らないのがこだわりです。

――初任給は何に使いましたか?

パソコンを買いました。それをお母さんにLINEのメッセージで相談しようとしたら、間違ってレッドウェーブのグループに「パソコン買おうと思うんだけどいいかな?」って送ってしまい、みんなに見られて後でめちゃくちゃいじられました。

――お休みの日はどんなことをして過ごしていますか?

映画を見に行ったり、買い物したり、寮からなるべく出るように心がけています。映画は月に2~3回程度見ますね。最近見た中では、『湯を沸かすほどの熱い愛』は、すごく感動して泣きました。あとは『チアダン』も、最後めっちゃ泣きましたね。

――1年目の目標を最後に

(小さめの声で)新人王、目指してがんばります…。何とかがんばりたいです。

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#3 梶原理奈:アス「謙虚に、ひたむきに、コツコツと」を忘れずに/2017-2018シーズン新人特集


#3 梶原理奈 コートネーム:アス

177センチのサイズがありながらも、高確率の3Pシュートを武器とするフォワード。インサイドもアウトサイドもこなすプレーは、チームが目指すスタイルにもマッチしており、ハマれば大きな活躍が期待できる。ひとまず1年目は、与えられた出場機会の中で積極的にシュートを放ち、得点に絡む動きをするのが当面の目標。シュート力とディフェンスを強化し、ポジション獲得に向かって先輩たちに負けないだけの力をつけたい。

――コートネームは「アス」ですが由来は?

『向上心』という意味の英語『aspiration(アスピレーション)』から取りました。私はウィルさん(#15山本)に昔から憧れていて、その話を小滝ヘッドコーチにしたら、ウィルさん(#15山本)本人がつけてくださったんです。

――何か趣味はありますか?

写真を撮るのと散歩するのが好きなので、散歩しながら携帯や一眼レフで写真をよく撮ります。一眼レフは高校生の時に、「どうしても欲しい」と親にお願いして、ひとつ買ってもらいました。もともと空を見るのが好きだったので、高校の時は部活前後に夕日の写真を撮ったりしていました。

――社会人になって変化を感じるのはどんなところですか

「やっぱりプロだな」と思うことがたくさんありますね。バスケの練習でも切り替えが速かったり、すべての切り替えが速い。最初はそこになれるの大変でした。練習量も多くなって大変ですね。

高校時代は、体のケアも全然やっていませんでしたが、社会人では基本的な体のケアは自分でやるものだと、トレーナーさんに教えてもらいました。最初はなかなか継続できませんでしたが、筋トレの後など筋肉痛を残さないようにマッサージして、次の日の練習に向けて良い準備をするように心がけています。

――現在取り組んでいる課題は何ですか?

自分はシュートが得意なのでスリーポイントを決められるように、今は頑張っています。それから、ディフェンスも少しずつ頑張るようにしています。少しずつ、ですね。

――初任給は何に使いましたか?

恩師に枕を買ったのと、出身校である埼玉栄高校のバスケ部にトレーニング器具を寄付することになって、その購入費用の一部の負担するのに使いしました。それで給料がなくなっちゃって、ちょっと大変だったんですけどね…。器具は今でも使ってもらっているので良かったかなと思っています。在校生は、トレーニングが大変になって嫌がってるかもしれないんですけど…。

――1年目の選手としての意気込み、どんなプレーをしたいと思っているか教えてください

私は今まで「謙虚に、ひたむきに、コツコツと」という言葉を大切にしてきました。それを常に心に置いてプレーしてきたので、それを社会人でも忘れないように継続して、頑張っていきたいと思います。

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三谷藍インタビュー Part.2 シックスマンとしての存在感


思い返せば富士通レッドウェーブがWリーグ屈指の強豪へ突き進む時期と、三谷藍の成長曲線はぴったり合致する。三谷が入社した2001年、レッドウェーブはWⅠリーグ(今はなくなったが、Wリーグの下位に位置する2部リーグ)に属していた。同年チームがWⅠリーグを制し、Wリーグ昇格を決めると、三谷個人はWⅠリーグの新人王を獲得。2005年、三谷が日本代表に初選出されると、チームは翌2006年からオールジャパン3連覇を達成。2007-2008シーズンにはWリーグ制覇も達成している。その後、日本屈指のオールラウンドプレーヤーとして国内のみならず、アジア、世界にも活躍の舞台を広げた三谷は2015年、4年ぶりに代表復帰。アジア選手権制覇にも貢献した。前後して、チームはしばらく遠ざかっていたWリーグファイナルへの扉も開いている。そんなレッドウェーブ一筋16年の三谷藍が2017年春、その競技人生に幕を下ろし、新たな道を歩み始める。

 

◆日本代表に選ばれて変わった意識今年度(2017年度)の女子日本代表候補に、富士通レッドウェーブからは6名の選手が選ばれた。山本千夏、篠原恵、篠崎澪、町田瑠唯、長岡萌映子(のちに退部を発表)、そして新人の栗林未和である。彼女たちはそれぞれに豊かな才能を持ち、高校時代から将来を嘱望され、アンダーカテゴリーの女子日本代表にも選出される逸材たちであった。富士通から世界へ、との気持ちを持って入社してきたわけだ。

しかし三谷藍は彼女たちとは異なる。自分が日本代表に選ばれるなんて、「まったく思っていなかった」し、そもそも日本代表入りを目指していたわけでもない。裏を返せば2005年、三谷が日本代表に選出されたことは、本人にとっても青天の霹靂だった。

「こんなことを言うと関係者の方々に申し訳ないのですが、選ばれたときにそこまでの感動はなかったかもしれません。それよりも知らないところに入ってプレーする不安のほうが大きかったですね。私はこう見えて人見知りで、知らない人が集まるところに入っていくことが得意ではないから、怖いなって思ったんです」

時代は、今でこそあまり珍しくなくなってきたが、180センチオーバーのオールラウンダーを求めていたとき。三谷はそれに合致したが、だからといってすぐに日本代表の試合に出られるわけではない。不安は合宿を重ねるごとに消えていったが、次に沸き起こってきたのは悔しさだったと三谷は認める。

「最初に日本代表へ入ったときは試合に全然出られなくて、走り込みしかしていなかったんです。レッドウェーブに戻ったら試合に出られるのに、日本代表に入ったら試合に出られない状況がすごく悔しくて、そこから日本代表を1つのチームとして考え始めたんです。そうして何年か続けていたら、日本代表でもっと試合に出たいという欲が出てきて、このチームで勝ちたい気持ちになっていったんです」

◆三谷藍という存在が日本に残したもの日本代表の強化合宿で見る三谷は、主力チームを相手にする、いわゆるBチームであることが大半だった。それはとても重要な役割であるが、一方でそこに安住を求める選手は誰もいない。練習後、三谷は黙々とトレーニングを励んでいた。練習後だけではない。国際大会に参加したときなどは、試合に出られなくても、毎朝の走り込みを欠かさなかった。そうまでしても試合に出られるかどうかわからないのが日本代表である。

その後、一度は日本代表から離れるが、2015年、再び三谷はその座に返り咲く。BTテーブスのもとでシックスマンとしての存在感を示し、その力が認められてアジア選手権に臨む日本代表に選出されたのだ。しかし三谷の出場時間は極めて少なく、全7試合中3試合しかコートに立っていない。そのうち2試合は日本が100点前後の得点をあげるような大差のゲームだった。中国との決勝戦も、思わぬ大差がついたことで三谷は日本代表として最後のコートに立ち、3ポイントシュートを1本沈めている。そのときのベンチの喜び方が三谷藍という人物の、チームでのポジションを物語っている。ベンチの選手たちはその瞬間を「待っていました」とばかりに、飛び跳ね、喜んだのである。

そのように三谷は日本代表で突出した記録を残したわけではない。

「でも私にとって日本代表に選んでいただいたことは、とてもプラスです。いい経験をさせてもらいました。学生のときは、まさかそんなことを考えもしない選手だったのに、富士通に入って、いろんな人に出会って、まさか日の丸を背負って試合をするなんて……嬉しかったですね」

五輪の舞台に立つことはできなかったが、2016年夏に女子日本代表が8位という成績を残した陰に、富士通レッドウェーブの三谷藍がいたことを忘れてはいけない。

◆3つのメッセージレッドウェーブ退部した三谷は今、次のステップに向けて充電中だという。何かやることが決まっているわけではない。思い描いているものはあるが、今はまだ人に言えるような状況にない。現役生活を終えた今、まずはゆっくりとこの先のことを考えたいということなのだろう。

最後に三谷は3つのメッセージを残してくれた。
まずは入社以来、さまざまな面で支えてくれた富士通社員の方々に対して。

「私が入社したときはWリーグの2部(WⅠリーグ)で、女子バスケット部の認知度も低かったと思うんです。でもオールジャパンやリーグで優勝したり、勝つことが増えていって、だんだん社内で声を掛けていただくことが多くなっていきました。『応援しています』、『見ています』って。体育館で出会う人もそうだけど、そういう声が増えていったことは本当に嬉しかったし、そういう人たちの期待に応えたい思いもあったので、ここまで頑張れました。最後はもう少しよい終わり方をしたかったんですけど、それが叶わず、申し訳ない気持ちもありますが、後輩たちが頑張ってくれると思うので、引き続き応援していただけると嬉しいです」

次に全国に拡大していったレッドウェーブファンに対しては明るく、笑いながら、こう切り出した。

「やはり年を取るにつれて、ファン層が変わっていく現実を目の当たりにした16年でした(笑)」

そしてこう続く。

「若いころはファンも若い人だったり、男女両方いましたけど、年々、主婦層が増えていったんです。でも、それが自分のやってきたことのすべてだと思います。この年齢まで、バスケットボールという激しいスポーツをやってきたことで、主婦の方だったり、同年代より少し上の方から『元気をもらえる』とか『私も頑張ろうと思います』と言ってもらえることがすごく嬉しかった。それまでもファンの存在や言葉はありがたかったですが、年齢を重ねてからのほうが、それらの言葉がより一層身に染みたし、そういう声を聞いて自分自身も『もっと頑張ろう』と思えたんです。だから全国各地で声をかけてくださったファンの方々、ずっと応援してくださった方々に本当に感謝しています」

なんとも三谷らしいお別れの言葉である。日本のトップに立ちながら、いつもファンと同じ目線で話してくれる。これが愛される選手の要素なのかもしれない。

そして最後に三谷は、レッドウェーブのDNAを引き継ぐべき、チームメイトたちにもエールを送った。

「昨シーズンの負け方を一人ひとりがどう捉えているかが、今シーズンに反映されると思うので、みんながどれだけあの悔しさをバネに1年頑張れるか。1年って短いようでいて、出だしはすごく長いものだから、その集中力や意地をどれだけ持続できるかが大切だと思います。また私が辞めて、ずっとチームにいたベテランがいなくなることって、とても大きなことだと思うんです。でもそれをプラスに捉えてほしいと思います。負けたことや、ベテランがいなくなって、選手それぞれの責任は重くなっていくけど、それを自分が変われるチャンスだと思って頑張ってほしいですね」

WⅠから始まり、黄金期を迎え、勝てない苦しみを知り、そこから這い上がることの難しさを経験してきた三谷が抜ける穴は大きいが、だからこそ、チームはさらなる高みを目指して、次の一歩を思いきって踏み出せる。苦しいときは三谷に相談すればいい。

三谷藍さん、16年間、本当にお疲れさまでした。そして感動をありがとう!


三谷藍インタビュー Part.1 “スター選手ではなかった”からこその努力


思い返せば富士通レッドウェーブがWリーグ屈指の強豪へ突き進む時期と、三谷藍の成長曲線はぴったり合致する。三谷が入社した2001年、レッドウェーブはWⅠリーグ(今はなくなったが、Wリーグの下位に位置する2部リーグ)に属していた。同年チームがWⅠリーグを制し、Wリーグ昇格を決めると、三谷個人はWⅠリーグの新人王を獲得。2005年、三谷が日本代表に初選出されると、チームは翌2006年からオールジャパン3連覇を達成。2007-2008シーズンにはWリーグ制覇も達成している。その後、日本屈指のオールラウンドプレーヤーとして国内のみならず、アジア、世界にも活躍の舞台を広げた三谷は2015年、4年ぶりに代表復帰。アジア選手権制覇にも貢献した。前後して、チームはしばらく遠ざかっていたWリーグファイナルへの扉も開いている。そんなレッドウェーブ一筋16年の三谷藍が2017年春、その競技人生に幕を下ろし、新たな道を歩み始める。

 

◆決して“スター選手ではなかった”からこその努力2017年2月20日、鹿児島県総合体育センター体育館。富士通レッドウェーブはシャンソン化粧品シャンソンVマジックに【55-57】で敗れ、2016-2017シーズンのWリーグをプレーオフ・クォーターファイナルで終えた。三谷藍が引退を決意したのはそのときだったと言う。

「引退の決め手は最後に負けたとき。あの負け方でもちろん悔しかったですが、今までだったら“悔しいからもう1年頑張ろう”と思えていたのが、その気持ちが出てこなかったんです」

思えば16年、ガムシャラに走り続けてきた。専修大学から入社したとき、彼女は決して鳴り物入りだったわけではない。彼女が生まれた1978年は女子バスケット界の“豊作”とも呼ばれる年で、同期入社の船引まゆみや矢野良子、三木聖美、渡邉温子、榊原紀子、石川幸子、林五十美、山田久美子……バスケット界で「花の78年組」と呼ばれる、錚々たる猛者たちがひしめき合っていた。しかし三谷は“そこに入らない選手”だと自認していた。

でも、だからこそ、人一倍努力をした。同期生を打ち負かして、自分が頂点に立とうと思ったわけではない。負けたくないが、まずは目の前に置かれた見たこともない高さのハードルを飛び越えることに、ただ必死だったのだ。

その才能を見出したのが、三谷が入社した年にヘッドコーチに招聘された李玉慈である。三谷が言う。

「入社したときに李さんに出会ったことは、自分にとって大きな宝です。たぶん何年か後に出会っていたら、ここまでリスペクトしていなかったかもしれません。李さんを含めてすべての出会いのタイミングが私にはよかったから、ここまで続けてこられたんだと思います」

禅に「啐啄(そったく)の機」という言葉がある。簡単に言えば、才能を花開こうとする弟子と、それを見抜いて引き上げる師。両者の意識の高まりがあり、そのときに出会ってこそ、すべてがうまくいくという意味だ。まさに三谷と李の出会いは「啐啄の機」である。

三谷は李からバスケットの基礎を改めて教わり、さらに社会人として、報酬をもらいながらプレーする選手の心得、あり方を学んだ。李だけではない。山田かがり、守屋志保、相澤優子といったリーグでも屈指の好プレーヤーたちと交われたことも、その後の三谷の土台を作り上げていった。

◆“黄金期”と“模索”の時期"李ヘッドコーチのあとを受けた中川文一の下で、三谷は日本一を経験する。一度だけではない。オールジャパン3連覇(2006〜2008)と、Wリーグ初制覇(2007-2008シーズン)の計4回、頂点に立ったのだ。三谷を初め、船引かおり・まゆみ姉妹、矢野良子、畑恵里子らがチームの根幹を支えた、まさに富士通レッドウェーブの“黄金期”である。

「オールジャパンで初めて優勝したときは、トーナメントだし、勢いづけて優勝できたことがすごくラッキーだったと思うんです。でも一度優勝するとモチベーションが変わってくるし、勝ち方がわかってくる。それまで優勝を目指して頑張ってきましたが、本当に優勝できたら、連覇に向けてやらなければいけなくなる。それがオールジャパン3連覇、Wリーグ初優勝につながったと思います」

勝つために研鑽を積み、努力を重ね、結果的に勝ったとき、再び同じ結果を得ようとすれば、しなければいけないことがわかる。相手は当然それを上回ろうとするのだから、前年と同じでは勝てない。優勝するためのボトムラインを知り、さらにその上を行く練習を自らに課すことができたからこそ、富士通の黄金期は築かれたのだ。

中川のあとを継いだのは、シャンソン化粧品の3ポイントシューターとして活躍し、アトランタ五輪にも出場した岡里明美だった。彼女と、次のヘッドコーチとなる薮内夏美が率いた5年間は三谷にとって“模索の時期”となった。

「李さん、中川さんは優勝を経験している指導者で年齢も離れていたから、本当に『ヘッドコーチ』という感覚でいられたんです。でもアケさん(岡里)とナツさん(薮内)がヘッドコーチになると年齢がグッと近くなり、力になりたいと思いながらも、どう接すればよいのかわかっていませんでした。若手との橋渡しをしたほうがいいんだろうけど、やり方がわからず模索する中で、一方ではスタメンから外れて、試合に出るためにもがいている状況でもありました。それまでは試合に出て、プレーで引っ張ればよかったのに、チームを違う面から支えなければいけなくなったとき、その術がわからなかったんです」

年齢が近いからこそ話せることもあったのだろうが、当時は選手がどこまでヘッドコーチに近づいていいのかわからなかった。三谷の迷いは、むろんそれだけが原因ではないが、チームが苦境に追い込まれる時期とも重なっていく。2011年のオールジャパンこそ決勝戦まで進むが、それ以外はリーグ戦も含めてベスト4以下の成績に終わるシーズンが続いていった。

◆全ての出会いが「恵まれていた」薮内のあとをうけたBTテーブスの体制下で、三谷はさらなる転換期を迎える。実はその初年度、三谷は戦力外通告を受けている。しかし、まだレッドウェーブでプレーしたいと思っていた三谷は交渉を続け、チームに残留することができた。以降の三谷がシックスマンとしてチームを献身的に支えたことは、読者のみなさんの知るところだろう。

「あのときは、続けられるのなら続けたいと思っていました。それでもダメだったら……移籍してまでプレーしたかどうかはわからないけど、ただ実際、BTのバスケットは楽しかったから、純粋に続けられたんだと思います」

李、中川の下でトップレベルのバスケットの礎を築き、岡里、薮内の時期は苦しみながらも前進することを覚え、BTに出会って、バスケットの楽しさ、奥深さを改めて知った。そして昨年、三谷の現役生活最後の年を小滝道仁・現ヘッドコーチのもとでプレーをすることになった。

「小滝さんとは、アケさん、ナツさんのときの経験を踏まえて、よい関係性を築くことができたと思います。ただ最初は『ついに年下のヘッドコーチのもとでプレーするようになったか……』って思いましたけど」

そう笑う三谷の表情に曇りはない。小滝ヘッドコーチのもとでも三谷は最後まで三谷らしく、朗らかにプレーし、若いメンバーをさまざまな面で支えていった。自身の16年間を「波乱万丈!」と振り返る三谷だが、一方で三谷は富士通に入って「もちろんよかったです!」と口にする。

「苦しいこともあったけど、それらも含めていい思い出というか、それを乗り越えられたから、この年齢まで続けられたし、みんなから『すごい、すごい』って言ってもらえるまでになれたんだと思います」

そしてこう続ける。

「人には恵まれました。6人のヘッドコーチもそうだし、チームメイトもそう。スタッフもそうだし、私にとってはプラスになる人が多かったかな。もちろん反面教師的な人もいましたけど(笑)。それはそれでプラスにはなったし、本当にすべての出会いがよかったと思います」

数々の出会いを財産にして、三谷藍はこの春、レッドウェーブを、そして富士通を去っていった――。

(敬称略。また既婚の方は旧姓で記しました)
次回は三谷藍の「日本代表」での思い出と、ファン、チームメイトへの思い、メッセージを紹介する。


チームを陰で支える泉春美コーチ、目指すは「愛されるチーム」


小滝道仁ヘッドコーチ(以下、小滝HC)体制となって、半年以上が過ぎた。

今シーズンのWリーグも始まり、1次ラウンドも終盤を迎えたレッドウェーブにおいて、重要な役割を果たしているのが泉春美コーチ(以下、泉C)だ。対戦相手のゲーム分析、若手の指導など、チームがチームとしてよりよく前進していくためのジョイント(接合)部分を担っている。

経歴を振り返ると、富士通レッドウェーブが日本リーグ2部(当時)にいたころ、PGとして3年間プレーしている。入社当時はまだ外国籍の選手もいたという。引退後はアシスタントコーチを6年務め上げ、金平鈺テクニカルアドバイザー率いるJX-ENEOSサンフラワーズ(当時は共同石油)とも対戦している。曰く、完敗だったそうだが、今度はその金TAとともに「打倒JX-ENEOS」を掲げているのは、何ともおもしろい。

また泉Cが1回目のアシスタントコーチを辞めて、社業に専念すべく社内に戻った年に入社してきたのが#1レイ(三谷藍)。戻った部署でともに働いていたのが福永伸一・レッドウェーブ部長というのも、何やら運命めいている。
そんな泉Cに今シーズンのレッドウェーブの戦いぶりなどについて聞いた。

――6月にチームへ合流し、初めて見たときのチーム、および選手の印象はいかがでしたか?

泉C チームに加わる以前もレッドウェーブの試合自体は、オールジャパン(皇后杯)や、北海道でゲームがあるときなど、見ていました。そのときの印象と実際を比べると、選手たちの印象は思った通りですね。純粋にバスケットのことを考えていて、真剣で、意識も高い。チャンピオンを狙えるチームだと思います。しかし結果として優勝できていないのは現状を考えると、何かが足りていないんだろうなという思いもあります。

――足りないところ、今後改善したほうがいいと思ったところは、どういったところだと思われますか?

泉C ちょっとしたことです。ルーズボールやリバウンドが少しサラリとしすぎていると感じました。そこでの粘りが少ない。内に秘めているものはあるのだけど、それを表立って表現したり、情熱を前面に押し出す子がいませんよね。私としてはそれらを何とか引き出してあげて、選手たちがコートの中で表現できれば、元々の能力は高い選手たちので、まだまだ成長できると思っています。

――合流してから約5カ月。変化の兆しは見えてきましたか?

泉C 小滝HCが選手たちに刺激を与えるタイプなので、昨年、一昨年と悔しい思いをした分、それを忘れないように声掛けをしています。また、練習中からコミュニケーションを取ったり、コーチが示すドリルがうまくいかないときに、選手の側から提案したり、わからなければ聞くといったコミュニケーションはできていると思います。

――コミュニケーション力のアップも、いわばちょっとしたことの改善です。

泉C そうですね。そうしたことがコンビネーションにつながってきますからね。そしてちょっとしたことを話しておくことで、試合中ではアイコンタクトで次にやることがわかったり、すぐに修正できるところも出てくるものです。これは引き続き増やしていきたいと思います。

――改めてチームにおける泉Cの役割とはどのようなものでしょう?

泉C 私がおこなっているのは、まずはゲーム分析です。次の対戦相手の準備ですね。あとは経験の少ない若手選手のファンダメンタルを見ています。それらを含めて、この組織をよりよく前進させるために何ができるかを考えて、行動しています。

――チームの最終目標は優勝ですが、Cとして古巣でもあるレッドウェーブにどうなってほしいと思いますか?

泉C 私が選手をしていたころと比べて、会社や地域のなかでの認知度はもちろん、全国的なレッドウェーブへの認知度もかなり向上しています。もちろん優勝を目標に置くことに変わりはありませんが、多くの方々がレッドウェーブのバスケットを見て元気になれるとか、レッドウェーブのバスケットを見て、バスケットをやってみたいと思われるような愛されるチーム……それでいてきちんと勝てるチームにしたいですね。やるからにはやはり勝ちたいですから。これまで選手たちは悔しい思いをしてきていますので、なんとか私も彼女たちを支えていきたいと思います。

試合会場ではウォーミングアップを取り仕切り、試合中は小滝HCに何かを伝えるなど、文字どおり陰でチームを支える泉C。しかしそうした存在があってこそ、チームはよりよく機能していく。泉Cを筆頭とした、チームを支える人たちのためにも、今シーズンこそ頂点に立つ

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衰えぬ齢81の情熱!金平鈺TAインタビュー


今シーズンからレッドウェーブのテクニカルアドバイザー(以下、TA)を務める金平鈺(キム・ピョンオク)氏。

もしかすると若い世代のファンは、金TAがJX-ENEOSサンフラワーズの礎を築いた方だと知らないかもしれない。

2004年のアテネ五輪の中心となった小磯典子さんや大山妙子さん、楠田香穂里さん(現・共栄大学女子バスケット部ヘlッドコーチ)らを育て上げ、現役世代でもトヨタ自動車アンテロープスの矢野良子選手や大神雄子選手らが、彼の教えを受けている。

その後、アイシン・エィ・ダブリュ ウィングスのヘッドコーチを5年勤め、2010年10月に韓国へ帰国。2016年4月、約6年の歳月を経て、日本の女子バスケットシーンにカムバックした金TAに今シーズンのレッドウェーブについて話を聞いた。

――金TAのチームにおける役割はどのようなものですか?

金TA 私の役割は2つです。1つ目は小滝道仁ヘッドコーチ(以下、小滝HC)をサポートすること。「若いHCだから、彼を育てるためには金さんのサポートが必要だ」と請われ、来ました。2つ目は選手たちの個人技を教えること。今はそれを全力でやっています

――チームの現状をどのようにご覧になりますか?

金TA 開幕戦のときは、私の観点で言えば、全然できていなかった。でもその後からチームはどんどん上がってきている。チームで集まって練習できるようになってからは、上がり方も早くなっています。今は相当いいですよ。このまま成長していけば、JX-ENEOSとも互角に戦っていけるんじゃないかと思っています。

――どういうところがいいのでしょうか?

金TA 小滝HCにはディフェンスからアドバイスをして、基本はマンツーマンで、守り方のバリエーションを増やしたほうがよいと伝えたんです。彼はすごく頭のよい監督です。そのアドバイスを一生懸命に取り入れようとしてくれました。だからかどうかはわからないけど、トヨタ紡織戦(11月12日、13日・大分)はすごくよかった。これからが楽しみです。ただ個人技もそうだけど、コンビネーションの合わせ方に課題が残っています。


――今日から(取材は11月25日のシャンソン化粧品戦の前)リーグで上位につけているチームとの対戦になります。

金TA 上位チームとの対戦ですが、小滝HCには「トヨタ紡織戦の第2戦(11月13日@コンパルホール)のときのようにディフェンスがしっかりできれば、これから対戦する上位チーム――シャンソン、トヨタ、デンソーなどとも戦えると思う」と話しました。小滝HCも理解を示してくれて、そのための準備をしてくれています(シャンソン化粧品との初戦は61-58で勝利)。

――今後の意気込みを聞かせてください。

金TA 私がチームに直接できることは何もありません。私はあくまでもテクニカルアドバイザーとしてヘッドコーチをサポートするだけです。ただそこで気づいたことがあれば「こんな変更をしてみたらどうだろう?」とアドバイスはし続けたいです。

――年齢のことを言うのは失礼ですが、81歳になられても金TAがバスケットの指導を続けられる源は何ですか?

金TA 一番は私が健康だからです。健康維持のために、今も私はたくさん歩いています。選手たちが練習しているときもコートの周りを30〜40分、ずっと歩いているんです。それで体力を維持できている。それが大きな源です。精神的な部分で言えば、やはりバスケットが好きだからできることです。バスケットは頭も使うし、本当に面白いんです。

年齢を感じさせない金TAがレッドウェーブに加入したことで、チームは少しずつ変わってきている。インタビュー中に出てきた小滝HCとのやり取りだけでなく、選手たちの個人技でも、彼の存在感がそこかしこに垣間見える。

インサイド陣がフックシュートを多用しているのも金TAの教えだし、トヨタ自動車アンテロープス戦でコメントをしてくれた#11シィ(篠崎)も「金さんからさまざまな種類のストップの仕方を教わっているんです。それが今シーズン、よい結果を出せている要因の1つです」と言っている。

体力だけでなく、頭脳も明晰で、得意だという数字の記憶は抜群。ここでは書ききれなかったが、金TAが自らの過去を振り返るとき、19●●年にどこそこの会社に入って、●年勤めたとか、●月●日まで韓国にいて、●月●日に日本に来た、とハッキリ覚えているのだ。脱帽!

80歳を超えてなお、静かにバスケットへの情熱を燃やす金TAが、レッドウェーブをさらなる高みに導いてくれることは間違いない

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全国各地で最高の応援を!ブースタークラブリーダー「“また来たい”と喜びを感じる空間作りたい」


 

全国津々浦々、レッドウェーブが行くところに常に“彼ら”はいます。レッドウェーブの応援リーダー集団、「ブースタークラブリーダー」。

結成されて3シーズン目となる今シーズンも、全国各地のさまざまな会場で応援をリードし、地元のファンとともに、強くて赤い波動を選手たちに送ります。選手やスタッフも、ファンの応援の力なくして勝利がないことを十分に知っています。

そこで「ブースタークラブリーダー」のキャプテン、荒山一彦氏に話を伺いました。

――「ブースタークラブリーダー」の成り立ちを教えてください。

荒山氏 ブースタークラブリーダーが発足する前は、総務部の担当者がレッドウェーブの応援を取り仕切っていました。その中で、やはり社員で応援団のようなものを作るべきだという企画が持ち上がり、発足したのが3年前です。富士通全社を通して希望者を募り、約20名でスタートしましたが、やはり業務や家庭の事情などで毎年7〜8人が抜けていきました。その都度同じくらいの人数が新規に手を挙げてくれて、現時点では女性:8名、男性:15名の総勢23名で構成されています。

――毎試合全員が試合会場に足を運んでいるのですか?

荒山氏 いえ、ミニマムで3名です。とどろきアリーナや代々木第二体育館などは5〜6名で編成することもあります。

――実際に応援をリードしてみたご感想は?

荒山氏 始めたばかりの3年前は「邪魔だ!」、「ヘタクソ!」とお叱りを受けたりしました(笑)。しかし試合を経験することで、「応援のリードはこうしたらいいんじゃないか」、「このようにお客さんとコミュニケーションを取ればいいんだ」ということがわかってきて、年々進歩していると思います。チームスタッフ・選手がよく言ってくださるのですが「応援、盛り上がっていますね」という言葉を聞くと、我々もすごく嬉しくなります。

――確かに年々、盛り上がりを感じます。

荒山氏 ハリセンを使って会場を真っ赤にして、我々のリードでお客さんが動いてくださる。会場が一体になって応援できることが我々の喜びでもあるんです。そのうえでレッドウェーブが勝てば、さらに嬉しくなります。我々の視点で言えば、レッドウェーブの試合を見に来てくださって、一緒に応援して、「また見に来たいな」とお客さんが喜びを感じてもらえるような空間を作りたい。それがブースタークラブリーダーのコンセプトでもあります。

――その成果でしょうか、全国各地でレッドウェーブを応援してくださるファンの方が増えています。

荒山氏 それは我々も感じているところです。まったく付き合いのない地方都市に行って、我々が応援リードをしても、みなさんがそれに応じてくれて、応援を盛り上げてくださる。みんなでレッドウェーブを勝たせるんだという一体感を、全国各地で実感させてもらっています。とどろきアリーナなど、いわゆるホームでゲームをするときも多くの方が応援に来てくださいますが、初めて訪れる地方都市でもそうやって応援してくださることは、非常に嬉しいですね。

――チームに目を向けると、そうした応援を受けながら、優勝まであと一歩のところで足踏みをしています。

荒山氏 そこは我々も非常に悔しいところです。2年連続でファイナルを応援しましたが、ともに代々木第二体育館でJX-ENEOSサンフラワーズの優勝シーンを目の当たりにしているわけです。あの悔しさといったらありません。今シーズンこそは最後に笑って、みんなで万歳をして、紙テープを投げ入れたいです。

――ブースタークラブリーダーから見た、レッドウェーブの魅力とは何でしょう?

荒山氏 やはりスピードでしょう。加えて、ウチの強みは誰もが3Pを打てることです。「え、あの選手まで?」という選手が打つこともあって、外からでも中からでも攻められるオールラウンドな攻撃は魅力です。もちろんディフェンスもしっかりしなければいけません。つまり「打ってよし、走ってよし、守ってよし」、走攻守すべて揃っているのがレッドウェーブです。今シーズンも頑張ってほしいですね。

――では最後に全国のレッドウェーブファンのみなさんにメッセージをお願いします。

荒山氏 レッドウェーブが勝つためには観客のみなさんの応援が大切です。それに対して我々ブースタークラブリーダーは一生懸命に会場を盛り上げて、勝利につなげていきますので、全国のみなさん、応援をよろしくお願いいたします。


下は新入社員から上は50代まで、川崎工場、汐留本社を中心に、遠方では山梨、栃木で勤務をされている社員で構成されるのがブースタークラブリーダー。ただただ「バスケットが好きで、レッドウェーブを盛り上げる人たち」が集まっています。

荒山さんは語ります。「普通に仕事をしているだけでは絶対に接点を持てなかった人たちが同じ思いで集まり、共同作業をする。地方に行けば、酒を酌み交わすこともあります。また対戦相手の応援団とも仲良くなります。そうした交流がすごく楽しいんです」

スポーツは楽しんで見ることが何よりも大切です。ブースタークラブリーダーたちはファンのみなさんと楽しみながら、一緒にレッドウェーブの後押しをしています。そうしてレッドウェーブが勝利すれば、さらに楽しさは倍増するわけです。今シーズンも全国各地で応援をリードするブースタークラブリーダーとともに、楽しみながらレッドウェーブを勝利に導きましょう。

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開幕直前!小滝ヘッドコーチ直撃インタビュー!


2016-2017シーズン開幕まで、あと2日となりました。一昨年、昨年とあと一歩のところで涙を流しましたが、その悔し涙を変える新しいシーズンの開幕です。今シーズンから指揮を執る小滝道仁ヘッドコーチ。熱量豊富な若き指揮官は、開幕を前にチームをどう分析するのでしょうか?先日おこなわれました「シーズン壮行会」の数時間前、小滝ヘッドコーチに直撃しました。

――開幕まであと10日です(9月27日取材)。チームの現状は?

小滝 今シーズンを戦う方向性が明確になってきました。毎日、練習前にチームミーティングをおこなっていて、チームのやるべきことだけでなく、「チームワークとはこういうことだよ」とか、「こういうところでハッスルしよう」といったより細かいことを、映像を織り交ぜながら伝えています。その成果が表れて、ここ数日は私が目指していた雰囲気で練習をおこなえています。

――具体的にはどういうことを選手たちに求めているのですか?

小滝 一番大切にしているのは、隣の人を感動させることです。多くのファンを感動させようと思えば、まずは自分の隣にいる人を感動させなければいけません。それを求めています。

――ほかにもありますか?

小滝 気持ちがバラバラにならないことも強調しています。強い相手と戦うと、どうしてもボールが回らずに、得点に結びつきません。それが昨シーズンまでの反省点の1つでした。なので、これまで1人で頑張ってきた何かを、チームで頑張ろうと。この夏、世界と戦った2人が戻ってきてから、それをさらに強く求めています。

――となると、これまで以上にチームのまとまりが期待できますね。

小滝 そうですね。また個々を見ても、今年はおもしろいと思います。たとえば#5曽我部のルーズボールを追う姿勢や、#11篠崎のアタック。また今年は#0長岡を3番ポジションにアップさせることも考えていて、そうしたときの4番ポジションには#1三谷や#13加藤を起用しようかなと。そして今年は#12篠原の気持ちが違います。それは表情にも表れていて、たとえ失敗したとしても、いい表情をしているんです。それが結果にも出ています。

――#12篠原は足の古傷もあって、昨シーズンはかなり出場時間が制限されていました。

小滝 そのとおりです。しかし先日おこなわれた韓国のプロチームとの練習試合では、30分プレーしました。昨シーズンはどれだけ長くても25分がギリギリのラインでしたが、今年は早くも30分プレーできています。しかもその試合で22得点をあげています。今年はインサイドで戦うんだという自覚がはっきりと見えています。これはチームにとっても大きなことです。

――選手層に厚みが生まれますね。

小滝 そこが悩みの種なんです。もちろん嬉しい悩みです。みんながハッスルできるように起用するにはどうしたらいいか。ヘッドコーチとしてシーズンを通して探っていきたいと思っています。まだファンのみなさんに「お、今年のレッドウェーブは変わったな」と思わせるまでには至っていませんが、シーズンを通して「今年のレッドウェーブはおもしろそうだな」と思っていただけるのではないかと思います。

――開幕戦は2年連続でファイナルを戦ったJX-ENEOSサンフラワーズです。開幕戦に向けて、意気込みをお願いします。

小滝 昨年のファイナルを振り返ったとき、相手を意識しすぎて自分たちのスタイルを見失ったように思います。それが顕著だったのが、敗れたときはロースコアで、勝ったときはハイスコアだったという結果です。今年は開幕戦から自分たちのスタイル、つまりはプレッシャーディフェンスと、走ることの2つを貫きたいと思います。ファンのみなさんには、今シーズンもアリーナを赤く染めていただいて、みなさんとともに頂点を目指していきたいと思っています。昨シーズン以上の熱い応援をよろしくお願いいたします。

レッドウェーブの2016-2017シーズンの開幕戦は10月7日(金)、代々木第二体育館で19時ティップオフ!

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#5曽我部奈央 コートネーム:ナオ「ディフェンスが一番好きなんです」


【#5曽我部奈央 コートネーム:ナオ】

スピードを生かしたプレーと3ポイントシュートで、昨シーズンはルーキーながら#10ルイ(町田)のバックアップを担ったナオ。今年もその武器は健在で、むしろ昨年以上に結果を求められることになるだろう。夏には2年連続で若手の日本代表として「ウィリアム・ジョーンズカップ」を戦うなど、経験は積み重ねている。悲願のリーグ制覇に向けて、欠かせないピースになりそうだ。

――唐突ですが、趣味を教えてください。

ナオ 趣味って何だろう……何ですか?

――こちらに聞かれても(笑)。音楽を聞くとか、映画を見るとか。

ナオ 私、コロコロ変わるんです。1週間くらいでブームが変わっていくんですよ。少し前は料理でした。オフは自炊をしていたんですけど、もう飽きちゃいました。最近はショッピングに行くことが多いんですけど、やっぱりお金のことは考えなければいけないので、実際の買い物はセーブしています。

――では料理がマイブーム時代だったころに作っていたのは?

ナオ よく作っていたのはオムライスです。13回くらい作って、全部失敗しました(笑)。高校までは作ってもらう一方だったんです。でも1人になるとどうしても外食ばかりになってしまうので、作れるようになりたいなと。料理器具もすべて買い揃えましたが、今は全然使っていないです。

――ということは、ご自身の性格は……

ナオ 飽きっぽい性格です。こんなに長く続いたのはバスケットだけ。バスケットは何をやっても楽しいです。昔は水泳とピアノもやっていて、ピアノは長く続けていたんですけど、バスケとピアノの選択を迫られたときにバスケを取りました。

――得意な曲は?

ナオ カノン(パッヘルベル作。結婚式でおなじみの曲)ばかり弾いていました。今はピアノもないので披露していませんし、恥かしい……

――では今度ぜひみなさんに披露してもらいましょう(笑)。では最近、オフは何をしているのですか?

ナオ ずっと寝ています(笑)。いや、動きたいんですけど、疲れてどこにも行けないんです……まだ19なのに。練習量が多いんです。朝練を入れると3部練習(朝練、午前、午後)。しんどいです。あ、温泉には行くかな。あまり好きじゃないんですけど、疲労回復のために意識して行くようにしています。

――ここからはバスケットの話を。開幕を約1か月後に控え(9月2日取材)、チームの現状はいかがですか?

ナオ よくなってきていると思います。ルイさん(町田)とモエコさん(長岡)も合流して、やっとチーム全員がそろいましたし、2人が入ると練習の雰囲気も変わって、開幕に向けたいい練習ができています。

――ナオ個人はいかがですか?

ナオ よくなっていると思います。周りからも「うまくなった」と言われるので頑張ります。ただ……

――ただ?

ナオ ポイントガードをクビになっちゃったんです(笑)。金(平鈺)テクニカルアドバイザーに言われました。ボール運びがうまくできないので。だから今はシューティングガードです。自分でもシューティングガードのほうが好きなんですけど、やっぱりクビを宣告されると悔しい思いもあるので、ボール運びも練習したいと思っています。いつかはルイさんみたいになりたいし、ポイントガードもシューティングガードもできるようになりたいです。

――最後に2年目のナオのここを見てほしいというところをアピールしてください。

ナオ 私はディフェンスが一番好きなんです。それについてはルイさんにだって負けないくらい頑張れるので、今年はそういうところも見てほしいですね。レッドウェーブファンのみなさん、今年も応援をよろしくお願いします!

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