【社内報特別企画 第二弾 最年長選手対談】富士通レッドウェーブ 篠原選手×川崎フロンターレ 中村選手(前編)


昨年11月に反響いただいた富士通フロンティアーズと川崎フロンターレのキャプテン対談に続き、リーグにおいて「日本一奪還を誓うレッドウェーブ」と「3連覇を目指すフロンターレ」の最年長選手の対談を実施しました。

フロンターレで17年目を迎えた今シーズン、史上10人目となるJ1通算450試合出場を達成した中村憲剛選手に、2007年以来のWリーグ制覇に挑むレッドウェーブの篠原恵選手がチーム最年長としての振る舞いや悲願の初優勝への思い、トップアスリートとして走り続ける秘訣などを聞きました。なお、本企画は後編の掲載も予定しています。

——両チームの現状を教えてください

中村:リーグ3連覇を目指す中、対戦相手も対策を立てホームゲームで勝ち点1を取ることができれば御の字という戦い方をしてくるので包囲網のようなものもあり、チーム全体でここからもう一段階上の力を出して乗り越えないと達成できないと感じています。

篠原:一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(以下、Wリーグ)のシーズンは毎年10月頃から約半年間で、今年は10月4日に開幕します。チームは4月から始動し、ファイナルへの出場、そして優勝を目指して取り組んでいます。

——シーズン前に毎回心掛けていることは?

中村:毎年メンバーが入れ替わり、加えて監督も代わることもあるチーム編成において、チームと個人それぞれの目標にどうやって向かっていくかを日々考え、その作業を17年間繰り返してきました。自分が試合に出て成長することを大前提に行動してきましたし、
それはこれからも変わりません。しかし、バスケの運動量はすごい、ずっと走っているよね。

篠原:いやー、フロンターレの試合は時間が合えば応援に行っていますが、サッカーの方が見ていて苦しそうで大変だと思います。

中村:サッカーはバスケほどの狭いコートでダッシュを繰り返しません(笑)。バスケはスピード感と迫力感がものすごい!! ずっとボールを持っていられないし、反則も細かいので大変ですよね。

篠原:力の出し抜きの差は大きいですか?

中村:そこらへんのメリハリは、もう少し年齢を重ねると見えてくるものがあると思います。

——年長者として、チームへのアプローチ方法のコツはありますか?

中村:篠原選手は27歳で最年長?リーグ全体で30歳以上の選手はどのくらいいるのですか?

篠原:近年、どのチームも若返り、リーグ全体を見渡しても最年長は30歳前後です。年長者として心掛けていることを教えてください。

中村:僕はサッカーが好きで上手くなりたいし、メンバー間の競争の中でどうやってチームに結果をもたらせるかを考える作業が楽しいから続けている。必要とされないとやり甲斐がないので必要とされるための努力はし続けないといけない。年齢でなく、みんな同じ気持ちだと思うけどね。篠原選手はバスケ好きでしょ?

篠原:好きです‼

中村:上手くなりたいよね?そのために練習して試合に出て勝ちたい。勝ち負けは仕方がないけど、その過程でどこまでやり尽くしたかということ。負けて泣くのは、やり切れていないという後悔の涙。鬼さん(鬼木監督)が監督になり、後悔がないようにという方針から優勝を手繰り寄せることができた。負けた歴史もある意味で学びだと思う。チーム全体で「自分たちが優勝する」という空気を本気で持てるかはとても大事。それを作り、引っ張るのはヘッドコーチであり、キャプテンであり、周囲への気配りが必要な最年長選手の役割じゃないかな。​篠原選手は真ん中で立って攻守するプレーから全体が見えるよね。コート内では「ああしたらいい、こうしたらいい」と言い、コート外では若手選手への声掛けをする。23、24歳の選手が周りに声を掛けるのとは違い、ひと言の意味が大きいので、何でもかんでも言えばいいわけじゃない。

——そのあたりのタイミングや意識する部分は?

中村:ロッカールームではチームメイトであり、競争相手なので独特な空気感。その中で試合に出る選手、若手、中堅など色々な選手を見ている。タイミングはそのときの思いであったり、熟考する場合もある。なりふり構わず声を掛ければいいものでもなく、選手の性格、個性、年齢に合わせてアプローチを変えている。向き合い方が変化したのは30歳を過ぎてからかな。篠原選手は?

篠原:自分から積極的に雰囲気を作るのは得意ではないので、いつも悩ましく思っています。

中村:男女ではコミュニケーションが違うので一つ言えるのは、そのアドバイスはチームと選手が良くなるためのものなのかどうか。
チームが強くなるために最年長が熟考し信念を持って考えた結果の言動に悪いことはないと思う。「ご飯行こう」でもいいし、コートの隅で話すのでもいい。ただ、そういう振る舞いは仲間が見ているのでタイミングと場所がとても大事。僕は基本的にクラブハウス以外でそこまでのコミュニケーションはとらないなぁ。家族がいるし、クラブハウス内で片付けられることは片付けたいタイプです(笑)。

——篠原選手と同じ27歳の頃はどうでしたか?

中村:自分が一番という若者特有のプライドもあり、結構ピリピリしていたかもしれません。年齢を重ねてだいぶ穏やかになったかな。
当時は日本代表にも入り先頭に立って話す機会からメディアの露出が増え、何を書かれるかわからないという恐怖感もあった。自分の
言葉から、色々な感じ方や受け方をされるのでオブラートに包めば良かったなぁということもありました。レッドウェーブには厳しいことを言い合える空気感はある?

篠原:意見交換という感じで、強く言うことはありませんね。

中村:若いときは先輩たちに言われたのでは?それともずっと変わらない?

篠原:言われたこともありますが、基本はコーチ陣が指摘します。

——レッドウェーブの新シーズンの目標は?


篠原:まずはファイナルに出ることです。プレーオフの制度が変わってから勝てていません。以前はベスト4からセミファイナルでしたが、
昨シーズンから4位のチームは5位と8位の勝者と対戦し、勝ってセミファイナル進出となります。昨シーズンは、レギュラーシーズン
5位でしたが、プレーオフで8位のチーム(東京羽田ヴィッキーズ)に負けてセミファイナルに行けませんでした。

中村:下位チームにジャイアントキリング(番狂わせ)を食らっちゃたんだ。

篠原:レギュラーシーズンは4強に入るのですが、近年、移籍制度の緩和などから他チームも強化してきているので、確実に力をつけて
いかないとどうなるかわからない状況です。

中村:フロンターレはクラブが強くなる過程で最初はトップ10を狙い、トップ5、ACL圏内、優勝と目標が変わっていった。優勝したら連覇、今は3連覇と目標だけでなくチーム、サポーター、スタジアムの空気も変わった。結果を出したチームが期待されるのは当然で、今は勝って当たり前の空気が流れ「なぜ勝てないんだ」と言われてしまう。篠原選手自身の目標は?

篠原:チーム同様、ファイナルに出場することです。

中村:そこだよね。直近の成績は?

篠原:2016年シーズンは全日本総合選手権大会で準優勝しましたが、Wリーグは2015年シーズン以降、ファイナルに出場できず悔しい
思いをしています。

中村:3年連続でプレーオフ敗退は悔しいね。自分も15年の歴史で8回優勝できなかったので、もう勝てないのかな?と思ったけど、
その末に優勝できた。

篠原:悔しい思いを繰り返して優勝されましたが、どんなことが変わったのでしょうか?

中村:勝っていくことで目標が変わる。数年は風間監督の指揮のもと、チームに特色がついて土台ができあがり評価されても勝てない時期が続いた。その風間監督の下にいた鬼さんがコーチで自分はキャプテンとして「あれが足りない、これが足りない」という話をしてきて
2017年に鬼さんが監督になり、自分はキャプテンを外れた。攻撃に加えて守備という課題が共有され、失点してはいけない時間帯に失点しないチームを作ろうと。鬼木監督になり「それをやらないとダメでしょ」という声が選手間で出始め、試合で勝てるようになり自信もついてきた。攻撃面に守備面も向上し失点も少なく、攻守のバランスを高次元に保つチームに優勝が転がり込んできた。

篠原:レッドウェーブは昨シーズン、連戦の初戦で勝利するも、翌日の2戦目に勝ちきれない状況が続きました。

中村:「なんでこうなるのか」とヘッドコーチやキャプテン、最年長の篠原選手がチームの問題点を挙げ、リレーションを構築し、若い選手たちに伝えて勝つチームをつくっていく。1戦目に勝ち、2戦目に負けることが多いのは客観的にアクションがないのではないかな?
フロンターレは優勝するまで詰め切れていなかった。8度の銀メダルは偶然ではなく必ず理由がある。8回も優勝を逃しているのは自分
しかいないので、理由の一つは自分の存在だと思うこともあった。プレーを見ると硬く、空回りし、周りも気負ったりしていた。一昨年の
リーグ戦優勝を逃したら終わりだと思っていた。タイトルを獲るためには自分が辞めるしかない、邪魔をしているのかもしれないとまで考えた。でも、そうじゃなかった。みんなで勝つ空気を作ったことで優勝でき、今はその呪縛から抜けて楽になった。

——今シーズンは、その抜けた後の苦しみも・・・


中村:これはしょうがない。スポーツに勝ち負けはあるしサイクルもある。個人もチームも年を重ねて流れが変わっていく。レッドウェーブは今のメンバーでファイナルまで出場するために1戦目勝って、2戦目勝つという空気をつくれる立場に篠原選手はいると思う。3年連続で負けているなら、自分たちで何かを変えていかないとね。

篠原:頑張ります‼

中村:ここまでずーっと自分がしゃべっているけど、大丈夫だったのかな?(笑)

フロンターレはJ1第26節として、9月14日(土曜日)19時からホーム等々力陸上競技場にて、ジュビロ磐田と対戦します。
レッドウェーブは10月4日(金曜日)19時から大田区総合体育館にて、JX-ENEOSサンフラワーズとの開幕戦です。
両チームに大きな声援を届けましょう!

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